自由にしかし楽しく!クラシック音楽

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石田組 2023-24 アルバム発売記念ツアー 札幌公演(2023/10) レポート

doshin-playguide.jp
「いま最も聴きたいカリスマ・ヴァイオリニスト」石田泰尚さん率いる弦楽アンサンブル『石田組』が、ついに北海道初上陸です!また私たちの札幌交響楽団が誇る首席チェロ奏者・石川祐支さんが初登場する会でもあり、会場はおなじみkitara大ホール!石田組の初体験にこれ以上無いほどの条件が揃った公演。これは絶対に聴きたい……と、私は企画発表当初からとても楽しみにしていて、ドキドキワクワクしながら当日を迎えました。当日の会場は、3階席は未使用の状態で9割以上の席が埋まっている盛況ぶり。同じkitaraでも札響主催公演とはお客さん達の顔ぶれが異なり、また遠征組も大勢いらしていたようでした。


石田組 2023-24 アルバム発売記念ツアー 札幌公演
2023年10月01日(日)13:00~ 札幌コンサートホールKitara 大ホール

【出演】
石田組メンバー(編成は弦のみで3-3-3-3-1)
 1stヴァイオリン : 石田泰尚 / 三上亮 / 塩田脩
 2ndヴァイオリン : ビルマン聡平 / 丹羽洋輔 / 田村昭博
 ヴィオラ : 中村洋乃理 / 萩谷金太郎 / 古屋聡見
 チェロ : 石川祐支 / 西谷牧人 / 大宮理人
 コントラバス : 米長幸一

【曲目】
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
グリーグ:ホルベルク組曲
バルトーク(ウィルナー編曲):ルーマニア民族舞曲

シルヴェストリ(松岡あさひ編曲):バック・トウ・ザ・フューチャー
チャップリン(松岡あさひ編曲):スマイル
レッド・ツェッペリン(近藤和明編曲):カシミール
ローリング・ストーンズ(松岡あさひ編曲):悲しみのアンジー
クイーン(松岡あさひ編曲):輝ける7つの海
ディーブ・パープル(近藤和明編曲):紫の炎

(アンコール)
オアシス(松岡あさひ編曲):ホワット・エバ
クイーン(松岡あさひ編曲):ボーン・トゥ・ラブ・ユー
松山千春(松岡あさひ編曲):大空と大地の中で


なんてアメージングな出会い!北海道の星を追いかけていつものkitaraに来たら、そこには石田組長というポラリスを中心に、数多の星が輝く宇宙が広がっていました。しかも一緒に星座を形作る事で、お互いが高め合い輝きが増していく!さらにクラシックでは正統派の演奏をした上で、クラシック以外での突き抜け方が半端ない!こんな弦楽アンサンブルは初めて!全国各地の公演を遠征して聴きに行く、熱心なファンが多いのも頷けます。夢のような初体験を経た今、私も石田組のことを俄然追いかけたくなりました。今回とは別の組員で構成された石田組も、kitara以外の会場でぜひとも聴いてみたいです。もちろん北海道の星は石田組以外でも追いかけ続けます!

今回のプログラムは、クラシックとそれ以外がほぼ半々。まずクラシックがすごく良かったです!北海道に似合う演目揃いで、透明感ある上品な弦の響きが本当にきれい!指揮者なしかつ13名全員でのリハーサル時間は限られていたはずなのに、驚きの一体感があり、難曲もそうとは感じさせずスマートに演奏されていました。石田組長のカリスマ性と実力派メンバー揃いの組員のお力を、はじめに王道クラシックの演奏で強く実感できたのがうれしかったです。そしてクラシック以外がなんて面白いこと!「型」がしっかり出来ている音楽家達の「型破り」、この想像を超えた面白さに私はやられっぱなしでした。リズムも音もクラシックのそれとはまったく異なる音楽を、こんなにも生き生きと、普段は出さないような音で攻めてくる!ただ石田組長がその著書で語っていたように「練習以上のものは出ない」わけで、クラシックの演奏家である組の皆様にとって、クラシック以外の音楽に取り組み結果を出すのは相当な努力の積み重ねがあったことと存じます。それでも本番は皆様とてもノリノリで、すごく楽しそうに演奏されていらっしゃいました。かつ一肌も二肌も脱ぎ、攻めた演奏で私達をまだ見ぬ高みへ連れて行ってくださるなんて、カッコ良すぎます!惚れてまうやろー!また編曲の素晴らしさも特筆したいです。単にメロディをなぞるだけではなく、効果音の演出や分厚いベースを組み込み、組長以外のパートにも見せ場を用意。原曲の良さを最大限活かしつつ石田組の魅力を無限に引き出してくれるものと私は感じました。石田組の神パフォーマンスの土台に、この神編曲あり!そんな編曲を手がけたアレンジャーのかた達も、もちろんマネジメント等のスタッフの皆様も、舞台に乗っていない人達を含めた大きなチームが『石田組』ですね。『石田組』、最高です!


石田組の皆様が舞台へ。まずは12名の組員が登場し、満を持して石田組長が登場!会場は拍手喝采で迎えました。13名全員が黒シャツの装い。チューニングの最初の音は、今回初登場の石川さんのチェロでした!チューニング後、すぐに演奏へ。なおチェロ以外は立奏でした。1曲目は、シベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」。少人数の弦が足並みを揃えてゆったりと演奏。少し哀しいメロディがkitaraに響きわたり、その純粋な美しさに私は思わず感嘆のため息が出ました。石田組のメンバー、強者揃いでは!?また時折入った米長さんのコントラバスの重低音がぐっと来て、たった1台のコントラバスだけどめちゃくちゃ頼れる!と確信しました。ゆったりした音楽の中でも強弱のメリハリがしっかりあり、特に弱音の美しさがとても良かったです。演奏家のお力に加え、kitaraの音響の良さが活きていますね!冷涼で澄んだ空気と、温かでどっしりした大地を感じさせる、北海道初公演の幕開けにぴったりな演目。そのクールで優しい演奏に、私は早くも恋に落ちました。

グリーグ「ホルベルク組曲前奏曲 はじめの掴みの音からその世界に引き込まれ、疾走感と幸せあふれる音楽に心躍りました。バロックの薫りはするものの、軽快なピッチカートのリズムはモダンな感じ!サラバンド 2ndヴァイオリン&ヴィオラからそっと入り、ゆったりとした少し哀しげな音楽が素敵。バロック風の音が揺らぐような演奏が皆様すごくお上手でした(当たり前ですね、失礼しました)。またここではチェロの3名が全員別々だったり1対2に別れたりのシーンがあり、石川さんの艶やかなソロもたっぷり!超素敵でした!ガヴォットとミュゼット こちらも2ndヴァイオリン&ヴィオラから入り、今度は厳かで明るい感じに。またここでは、ヴィオラやヴァイオリンも同じパート内で各奏者がそれぞれ別の演奏をするシーンがあったと思います(違っていたらごめんなさい!)。それでも全体として自然に調和していたのが素晴らしい!アリア 天に昇っていくような美しい音楽に心洗われました。弱音でのささやきも、感極まった高音も、とっても素敵!リゴドン 明→暗→明の構成。「明」はリズミカルな楽しい響きで、石田組長のソロ&呼応する中村さんのヴィオラはウキウキした感じ!「暗」はきっちり進められ、休符がビシッと揃ったのが印象的でした。明るく輝かしいラストが、ダッダッダッ♪と低音で力強く締めくくったのがまた素敵!バロック風の音楽を弦の澄んだ響きで楽しめた演奏でした。この曲も北海道にとても似合いますね!それにしても、やはり石田組の13人は強者揃いです!

20分の休憩時間を経て後半へ。はじめはバルトーク(ウィルナー編曲)「ルーマニア民族舞曲」。私にとっては札響による管弦楽版の演奏を聴いて一目惚れした曲で、今回石田組による弦楽アンサンブルで聴けるのを楽しみにしていました。前奏のターターターター♪の弦の音からもう素敵すぎて!続いて登場した石田組長のヴァイオリンの最初の1音から心掴まれました!なんというか、思いを内に秘めているようなやや深刻で妖艶な音がものすごいインパクト!独特のリズムと音色で歌う石田組長のヴァイオリンにうっとり聴き入りました。フレーズ最後の音を1stヴァイオリンの2名がリフレイン。その指示をアイコンタクトで出すために、石田組長が大きく振り返って三上さんと塩田さんに睨みをきかせたのが見ていて面白かったです。全体を通して石田組長は身振りが大きく、常に目力ビームを飛ばして各パートに指示を出していましたが、中でもここの振り返ってガン飛ばしたところが私的ハイライト。(ン)チャ(ン)チャ♪のリズムで鳴るピッチカートが小気味よかったです。小走りしてふと立ち止まるようなリズム、高音が美しいミステリアスな歌、妖艶でも透明感が感じられる舞曲の響き、と、どのシーンも聴きどころしかない音楽に引き込まれました。そしてすごかったのが、終盤「ルーマニアポルカ」から「速い踊り」の流れです。組長のソロも組員による全員合奏もどんどん加速して、跳ねるようなリズムで歌うのに圧倒されました。超絶技巧のすごさに加え、個人的には心に訴えかけてくる切ない響きが胸に来て、この曲の良さをめいいっぱい味わえたのがうれしかったです。ああなんて素敵なのでしょう!私は石田組の演奏によるクラシックをもっともっと聴きたくなりました。

ここで石田組長がちょっぴりお色直し(黒地に赤のパッチワークがされた上着にお着替え)し、マイクを持って登場。まず舞台後方に歩いて行き、P席に向かって深々とお辞儀されたのに私はビックリ。一体何があったのでしょう……。正面に向き直した石田組長は、ご挨拶に続いて今回のメンバーを順番に紹介してくださいました。「ヴァイオリン、三上亮。元、札幌交響楽団コンサートマスター。今は……」といった感じで、各メンバーのパートとお名前と所属を基本に、少し面白い話題も簡単に付け加えての紹介。ただ「七人兄弟の一番上」や「娘がオレのファン」などはともかく、「お母さんと喧嘩中、先月1時間だけ実家に帰った」ってバラされたかたはちょっとお気の毒です(笑)。なお私たちの札響首席チェロ奏者・石川祐支さんのことは「北海道の星、大スター!」と大絶賛でした。組長最高!大好きです!また今回のチェロの3名はいずれも元東響メンバー(石川さんと西谷さんは元首席)とわかりました。それにしても、プロオケの首席・副首席の現職と経験者を中心に、組員はすごいかた達ばかり!このメンバー全員のスケジュールを確保するだけでも至難の業なのでは?12名の組員紹介の後(ちなみに石田組長の自己紹介はありませんでした)、マイクはチェロの石川さんのもとへ。「(石田組長との)なれそめを話してと言われたんですけど……」と石川さん。な、なれそめ!?石川さんは石田組長と12年ほど前までピアノトリオの「トリオBee」として一緒に活動していたそうで、石川さんがそこから離れてほどなく石田組が始動したとのこと。いいなあと思っていたところ、今回石田組長からメールで石田組加入へのお誘いがあったそうです。「楽しんでいます!」と仰って、チェロの西谷さんにバトンタッチ。石田組の広報担当という西谷さんは、「石田組の魅力は95%が石田組長」(ご謙遜!組員の皆様もとても魅力的ですよ!)としながらも、「出演メンバーが毎回変わる」「全国の色々な会場で演奏する」ので、その時どきで違った演奏を楽しめるのが良さの一つ、といった趣旨の事をお話されました。その流れで「北海道にもう一回来ます」と、10/14の網走公演を宣伝。「札幌から車でたったの4時間半」などと仰って、会場の笑いを誘っていました。そ、そんな……。行きたいのはヤマヤマだけど、交通の便を考えたら網走は東京よりも遠いし……と、私は心の中でやや困惑。周りのお客さん達も似た感じだったと思います。会場のそんな空気を察してくださったのでしょうか?石田組長が突然「来年、11/24にも、ここ(kitara)で(石田組の公演を)やるんで」と、まさかの来年度の再来札を予告!会場は大いに沸きました。ありがとうございます!うれしすぎます!ここでトーク終了となり、チェロのトップが入れ変わって(石川さんと西谷さんが左右の席を交代)、演奏に移りました。

シルヴェストリ(松岡あさひ編曲)「バック・トウ・ザ・フューチャー」。はじめヴァイオリンの超高音トレモロに乗って、中低弦が物語の開幕を思わせるメロディを力強く奏でたのにはゾクッとしました。石田組長のヴァイオリンが高音域で思いっきり歌うのが大迫力!テンションをガンガンあげていくスタイルに、聴いている私達も身体が浮遊して時空を駆け抜けていくような感覚に!また個人的には、ベースを作る低弦にクラシックっぽい重厚さを感じ、超カッコ良くてゾクゾクしっぱなしでした。

チャップリン(松岡あさひ編曲)「スマイル」。2ndヴァイオリン&ヴィオラによる、そっと入った冒頭が超素敵!内声部担当の皆様、タダモノではないです!他のパートも加わり、序奏はゆったり優しく、心が洗われるようでした。メロディを歌う石田組長のヴァイオリンは柔らかで美しい!チェロやヴィオラにメロディが引き継がれたときの、重なるヴァイオリンの高音の優しさ温かさ!1曲目からガラリと雰囲気が変化した、優しい世界にうっとりしました。

レッド・ツェッペリン(近藤和明編曲)「カシミール。ダダダーン!という重低音に続いて、石田組長のヴァイオリンが妖艶に登場。この東洋風な音色に、またもやハートを鷲掴みにされました!それにしても、二胡のような曲線的な音は一体どうやって出しているんでしょう?ヴァイオリンのソロ演奏は三上さんに引き継がれ、三上さんのソロも組長に負けず劣らず超素敵!ダダダン ダダダン♪のリズムにドキドキ。盛り上がりでの舞曲の妖艶さと弦を切るような音のカッコ良さ!石田組長のヴァイオリンと中村さんのヴィオラの対話にゾクゾク。石田組長のヴァイオリンはリズムに乗りながらも、キュイーンと高音を発したりガガガガと小刻みに鳴らしたりと、自由に身をくねらせ踊っている感じで痺れました。もう、めちゃくちゃカッコ良かったです!

ローリング・ストーンズ(松岡あさひ編曲)「悲しみのアンジー。X(旧ツイッター)で公開された【ちょい見せリハ】でちょっぴり予習ができた曲ですね♪チェロ2つによる序奏の色気たるや!ダブル首席の破壊力!メロディを歌う高音弦は美しく切なく、それを重低音で支える低弦はギターのベースのようでぐっと来ました。ラスト、石田組長のヴァイオリンに呼応する形で西谷さんのチェロが切なく歌い、石川さんのチェロが重低音でハモる、三者の密な重なりが素敵すぎてずっと浸っていたかったです!演奏後、石田組長はアイコンタクトで西谷さんを讃え、西谷さんが(オケ公演の時のように)起立しようとするのは目力で制止していました(笑)。

クイーン(松岡あさひ編曲)「輝ける7つの海」。呼吸を合わせ全員合奏でスタート。はじめの高音のキラキラした音が輝かしい!ダーンと登場した低音は船出のよう。石田組長のヴァイオリンは明るく希望に満ちた音で、航海は前途洋々な感じでした。支える側も、輝く光だったり力強い波しぶきのようだったりと生き生きとしていて、組長にぴたっと寄り添い一緒に駆け抜けていくのが超素敵!各パートとの対話あり、各パートのソロありと、変化も楽しかったです。ラスト直前、組長のヴァイオリンが音階駆け上りの頂点に達したところで、ポン!とピッチカートが入ったのが気持ちイイ!締めくくりはロックのベースをかき鳴らしているよう。石田組というチームが一丸となり航海を進めているのを目の当たりにして、気分爽快になりました!

プログラム最後の演目は、ディーブ・パープル(近藤和明編曲)「紫の炎」。私は以前テレビでこの曲の演奏を観て石田組を認識したので、今回ライブで聴けるのがとても楽しみでした。呼吸を合わせ全員合奏でスタート。渋い音色で最初からガンガン来る全員合奏が超絶カッコイイ!石田組長のキレッキレのソロと、超男前な低音ベースにゾクゾクが止まらない。中村さんのヴィオラによる長めのソロ演奏、キター!ヴァイオリンより少し影を感じる音色での、イケイケドンドンな演奏に痺れました。中盤以降はエレキギターかと思えるほど、メンバー全員の弦がクラシックで耳慣れたものとはまるで違う音色で鳴っていて驚愕!聴いている私達も快感だけど、弾いているかた達だって絶対に気持ち良いですよね!超絶アツく最高にカッコイイ演奏に、会場の熱気も最高潮に達したようでした。

アンコール1曲目は、オアシス(松岡あさひ編曲)「ホワット・エバー」。はじめはヴィオラのみ、続いてヴァイオリンが加わった、スキップのような前奏に期待が高まります。メロディを歌う石田組長のヴァイオリンが清々しい!コーラスのような高音弦とリズムを作る低弦は、孤高の存在を温かく支えていて、このチームならではの一体感が素敵でした。中間部では、チェロの大宮さんが楽器を置き前へ出て、お客さん達に手拍子の音頭取り。大宮さんのリードに合わせて、お客さん達も手拍子で演奏に参加しました。「四人兄弟の末っ子。一番上も音楽家、2番目3番目は普通」と石田組長に紹介されていた大宮さんは、プロフィールによると平成1年のお生まれで、今回のメンバーの中ではかなりお若い方と思われます。組の弟分として(?)、こういった役割もお引き受けくださり、ありがとうございます!

拍手喝采の舞台に戻って来た石田組の皆様は、上をお揃いのTシャツにお着替え(超カッコイイ!)。石田組長はさらに、下を「石田組」と大きく書かれた袴のようなゆったりしたパンツ、上に裾が長いジレを羽織って、裸足になっていました。アンコール2曲目は、クイーン(松岡あさひ編曲)「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」。はじめの全員による思い思いのざわつく音色からして驚愕でした。こんな弦の音は初めて!しかもメンバー全員がこの心かき乱す魅力的な音を出せちゃうんだから、すごすぎます……。この喧噪の中から、石田組長のヴァイオリンが登場。超高音で"I Was Born To Love You "~♪と思いを吐露するように歌うのがものすごく刺さって、私はリアルに鳥肌が立ちました。なんてピュアなの……!他の弦がぱっと切り替わって、爽やかなコーラスのような演奏で支えていたのも素敵でした。ダダダダダ ダダダーン♪のベースにゾクゾク。ロックのリズムでギターのように、これをクラシックの演奏家が弦楽器で演奏しているんですよ!すごすぎ……。アツイ演奏にぐいぐい引っ張られながら、"An amazing feelin' "~♪のところの全員合奏で私は胸いっぱいになりました。石田組との出会いこそアメージング!また、各パートが主役となって歌うところがあったのも胸熱でした。会場はどよめき拍手の嵐!この段階でスタオベしているお客さんも大勢いました。

舞台に戻って来た石田組の皆様は、今度は全員裸足に!その白い肌に私はドキッとしました。まってこれ以上脱がないでもっと自分を大切にして(取り乱しすぎ・笑)。なお暑かったのか(?)、組長はジレを脱いで上はTシャツだけになっていました。「最後にもう1曲。みんな疲れているけど、もう1曲だけやります」と石田組長。ありがとうございます(感涙)。アンコール3曲目、演奏が始まって私はすぐピンときました。松山千春(松岡あさひ編曲)「大空と大地の中で」ご当地ソング、キター!なお石田組では初登場の演目のようです。道民にとっては第二の国歌とも言える、なじみ深い曲。しかし石田組長のヴァイオリンが「果てしない大空と~♪」と歌うのはまた格別でした。それこそ果てしなく広がる大空のような、澄んだ音色が素敵すぎて!そして、メロディを歌う主役が石川さんのチェロにバトンタッチ。まってこんなの泣くに決まってる……。石川さんのチェロは温かく寛大で、まさに北海道の広い大地のよう!かつて音楽仲間だったにもかかわらず12年ほども離れていた、石田組長と石川さん。またここから新たな歴史が始まりますね!最後に粋な計らいと、何より素敵な演奏を、本当にありがとうございます!

客席は大熱狂で、ほぼ全員がスタンディングオベーション。ここまで割れんばかりのアツイ拍手をkitara大ホールで体験するのは、私初めてかも!石田組の皆様は、13名全員で舞台後方に整列し、四方八方の客席に向かい丁寧にお辞儀されました。Tシャツの背中に大きく書かれた「石田組」のロゴがずらりと並び壮観!ラストはメンバー全員で客席に大きく手を振ってくださり、会はお開きに。最高に楽しかったです!石田組の皆様、本当にありがとうございました!来年11月のkitaraでの公演は万難を排してうかがいます!


最近聴いたKitara小ホールでの演奏会。チェロの石川祐支さんが出演されています。「Trio MiinA トリオ・ミーナ第5回公演 小児がんチャリティーコンサート」(2023/09/22)。彩り豊かな新作初演、凄まじさに打ちのめされたショスタコーヴィッチ、お初のピアノカルテットによるシューマンの充実ぶり!今回もうれしい驚きの連続で、最初から最後までとても楽しかったです!

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札響メンバーによる弦楽アンサンブルの演奏会です。こちらにもチェロの石川さんが出演されています。「第26回北洋銀行presentsクラシックコンサート 札響メンバーによる弦楽アンサンブル」(2023/07/09)。美唄へプチ遠征。定番曲だけでなく、様々なジャンルや作曲家風に変奏する攻めた演目も。札幌でもなかなか出会えない、超充実のすごい弦楽アンサンブルでした!「桐原組」の再結成&再演を札幌でもぜひ♪

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チェロの石川さんがソリストのお一人としてご出演。私は名古屋まで聴きにうかがいました。「セントラル愛知交響楽団 第196回定期演奏会~春・声~」(2023/05/13)。ディーリアスの美しさに誘われた、愛あふれる春のブラームス。魅力的な独奏とオケによる二重協奏曲に打ちのめされる快感!ブラ1の「苦悩から歓喜へ」の素晴らしさ!しらかわホール定期のラストイヤー初回公演に居合わせて幸せでした。

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