カリスマヴァイオリニストの石田泰尚さんが率いる弦楽アンサンブル『石田組』が、昨年に引き続き札幌kitaraに来てくださいました!2024年は結成10周年の全国ツアーが行われており、札幌は念願の武道館公演(2024/11/10)後の最初の公演です。今回の札幌公演は、3階席やP席を含む全席を使用した上での完売御礼!札幌および北海道内の「俺のファン」達が待ちに待ったこの日。Kitara大ホールは、開演前の早い時間から大勢のお客さん達が集まっていました。
石田組 結成10周年ツアー 札幌公演
2024年11月24日(日)13:00~ 札幌コンサートホールKitara 大ホール
【出演】
石田組メンバー(編成は弦のみで3-3-3-3-1)
1stヴァイオリン : 石田泰尚 / 三上亮 / 塩田脩
2ndヴァイオリン : 直江智沙子 / 鈴木浩司 / 桜田悟
ヴィオラ : 生野正樹 / 長石篤志 / 小中澤基道
チェロ : 石川祐支 / 西谷牧人 / 弘田徹
コントラバス : 米長幸一
【曲目】
グリーグ:2つの悲しき旋律
ホルスト:セントポール組曲 op.29-2
ラター:弦楽のための組曲
ラヴェル(松岡あさひ編曲):亡き王女のためのパヴァーヌ
C.M.シェーンベルク(松岡あさひ編曲):レ・ミゼラブルメドレー
レッド・ツェッペリン(松岡あさひ編曲):天国への階段
クイーン(松岡あさひ編曲):ボヘミアン・ラプソディ
レインボー(松岡あさひ編曲):キル・ザ・キング
(アンコール)
レッド・ツェッペリン(近藤和明編曲):移民の歌
布袋寅泰(松岡あさひ編曲):BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
松山千春(松岡あさひ編曲):大空と大地の中で
地元・札幌での石田組との再会は、最高に楽しくて幸せで夢のような時間でした!昨年の札幌公演(2023/10/1)での出会いから、すっかり石田組のとりこになり、その時からずっと地元・札幌での再会を待ち焦がれてきた私。ついに再会できた感慨はひとしおでした。いざ実演に接すると、期待ゲージMAXで臨む私達を裏切らないクオリティの高さ!それは、お一人お一人に安定の技術があった上で、各組員の個性がキラリと光り、組長を要に互いに高め合うことでさらに輝きを増し、「普通」を超えた驚きを魅せてくださるもの。札幌のような、いち地方の公演であってもそうなのです。これこそが石田組!もう絶対に信頼できる!と、私は大感激!ますます惚れてまうやろー!「あの有名な」石田組は、今年2024年の結成10周年ツアーでは全国でチケット即日完売が続出するほど人気急上昇。先日の日本武道館も満席にして、大熱狂のうちに幕を閉じたと伝え聞いています。もしかして私達の手の届かない存在になってしまったのではないかと、一瞬でも不安になった自分が恥ずかしい。石田組の皆様は、超ご多忙な中でも、中央から遠い札幌まで来てくださいました。そして初めて出会った時と同じようにハイクオリティなパフォーマンスを披露し、親しみやすいお人柄(組長も組員さん達も)で私達に接してくださいました。遠征のハードルがとてつもなく高い私達地方民にとって、それは何よりうれしいこと。本当にありがとうございます!これからますます多忙を極めることになると存じますが、全国ツアーには必ず札幌も加えてくださいませ。札幌および北海道内の「俺のファン」達が、Kitara大ホールを満席にして待っています。今回、地元・札幌にて石田組との最高の再会を果たした今、私の次なる目標は、石田組の次回の札幌公演(2026/3/29)になりました。その日を無事に迎えるまでは、私は何としても生きます!誰しも人生は色々あるけれど、希望がある限り、この世界は生きるに値する!
それにしても石田組の皆様、なんて素晴らしい音をお持ちなのでしょう!世界に誇れる音響を持つKitara大ホールではありますが、その音響の良さは極上の音と音楽があって初めて活きるものだと思います。繊細な弱音はもとより、主旋律を彩ったり支えたりする音もクッキリと浮かび上がり、そのすべての響きがものすごくキレイでした!演出としての不穏な音や「だみ声」も、決して雑には発していない、純度の高い音だったと私は思います。ちなみに今回の石田組は、演目と演目の間には欠かさずチューニングをしていました。その試し弾きの音から既にキレイで、私はなんなら試し弾きだけでもずっと聴いていられると思ったほど(いえ、本番の演奏がないと困ります・笑)。これは私の勝手な想像ですが、チューニングをしっかり行ったのは、音響が活きる音を妥協せず追求したいという思いに加えて、ご自分たちの音の美しい響きを楽しんでいた側面もあったのでは?もちろん本番の演奏は真剣そのものでしたが、チューニング中に組の皆様がにこやかな表情をされていたのがとても印象的でした。地元・札幌にKitaraがあって、そこに石田組を迎えることができるなんて、私は札幌市民で本当によかった!
石田組の皆様が舞台へ。会場は拍手喝采で迎えました。13名全員が黒の装い。カッコ良すぎてしびれる!また前半のチェロのトップ奏者は西谷さんでした。すぐに演奏開始です。1曲目は、グリーグ「2つの悲しき旋律」。第1曲 出だしの2ndヴァイオリンの弱音の美しさ!全員合奏による哀しげなメロディの響きにぐっと引き込まれました。低弦が哀しみを歌うときの、他の弦による丁寧な弱音の刻みが素晴らしくて!弱音の多い曲でしたが、その研ぎ澄まされた弱音の美しさは格別でした。第2曲 哀しみから始まり、次第に希望が見えてくる繊細な変化が素敵!ささやくような弱音での演奏は冷涼な空気を思わせ、じわっと盛り上がるクレッシェンドはまさに日の光が差し込んできたように感じられました。ピアニッシシシ……モで消えゆくラストが温かく優しい!もちろん石田組のメンバーはすごいかたばかりですが、今回は特に名手揃いでは!?弦の音そのものが美しすぎて、派手な表現ナシでの繊細な色合いの変化が素晴らしくて、私は最初から大感激でした!
ホルスト「セントポール組曲 op.29-2」。第1曲 アイルランド系の舞曲でしょうか?独特のステップが特徴的な音楽を、全員がぴたっと足並み揃えノリノリで繰り出すのがすごい!また、弱音からぐわっとクレッシェンドで盛り上げて浮かび上がる、そのうねりに圧倒されました。この生命力湧き上がる感じ、上手すぎる!名手揃いとはいえ、皆様どんだけ上手いんですか(偉そうにスミマセン!めちゃくちゃ褒めてます)!どんどん加速するラストが超カッコイイ!第2曲 テンポの良さが楽しい!軽快な流れの中でも、時折流麗なメロディが登場し、その澄んだ音の美も楽しめました。超弱音でのピッチカートの締めくくりが愛らしい!第3曲 ピッチカートによる合奏に乗って、奏でられる組長のヴァイオリンの神秘的な美しさ!超高音に吸い込まれそうでした。ヴィオラ独奏の深み!そして全員合奏での勢いと迫力!組長のソロ演奏が次第に遠のいていき、弦をそっとなでるようにして奏でられた低弦ピッチカートで締めくくるラストが印象深かったです。第4曲 テンポ良い舞曲はどこか懐かしい感じがしました。音量控えめだったのが突然ガツンと盛り上がるインパクト!フォークダンスの輪が少人数からいきなり大人数になったようにも感じました。盛り上がりでは音量を上げるのみならず、トレモロを多用しての華やかな彩りが素敵!組長の独奏が音階駆け上るラストは目が覚めるような鮮やかさでした。
ラター「弦楽のための組曲」。第1曲 まず音色が、前の曲とガラリと変化して、カントリー調の温かみあるものになっていたのに驚きました。同じ楽器を同じ奏者が演奏しても、こんなにも違う音色が生み出せるんですね!フィドルを思わせる軽やかな演奏による、民謡風の音楽が楽しい。跳ねるようなリズムに小気味よいピッチカート、掛け合いの良さ!生き生きとした音楽に、聴いている方もウキウキしました。第2曲 ヴァイオリンとヴィオラの会話が穏やかで愛らしく、小刻みなリズムが幸せな感じ!また個人的にとても惹かれたのは、素朴な音楽を彩る、転がすような音(トリル?)です。各奏者が奏でるこの音は温かでなんとも味わい深く、可憐な響きで、これだけでもずっと聴いていたいと思える心地良さでした。第3曲 ゆったりとした合奏の温かさ!その上で歌う組長のヴァイオリンは、柔らかで美しくもちょっと哀しくて、涙をこらえて顔をあげているようにも感じました。合奏によるトレモロは、わんわん泣きたい気持ちに寄り添ってくれているよう!後半では、組長のヴァイオリンを生野さんのヴィオラがリフレインするのが素敵で、とても優しい世界でした。第4曲 軽快にステップ踏むようなテンポとリズムの良さ!13名全員が一見とても自由に弾いているのに、同じ呼吸と鼓動を共有し、音で踊るように楽しく舞曲を繰り出すのがすごい!しかしあまりにも自然体だったので、聴いている方はリラックスして楽しめました。
20分の休憩時間を経て後半へ。チェロのトップが石川さんに交代しました。はじめはラヴェル(松岡あさひ編曲)「亡き王女のためのパヴァーヌ」。繊細な合奏に乗り、しっとりとメロディを歌う組長のヴァイオリンはこれ以上ないほどの純粋な美!お客さん達も皆、この音に神経を集中させ、会場全体が研ぎ澄まされた空気になりました。さらにチェロがメロディを歌う弦楽四重奏にぐっと引き込まれ、組長とヴィオラの絡みもあり、同じメロディが繊細に色合いを変化させていくのが美しい!1stヴァイオリンパートがメロディを歌ったとき、組長のヴァイオリンは4つの音を細やかに繰り返し、その重なりはまるで崇高な祈りのようにも感じられました。深い眠りにつくような静まりゆくラストに、思わず感嘆の溜息です。
お待ちかね、トーク&組員紹介のお時間です!石田組長がまず舞台後方に歩いて行き、オルガン側のP席に向かって深々とお辞儀されたのは、お約束ですね♪正面に向き直した石田組長は、はじめに「こんちは」とごあいさつ。全席完売の御礼を述べられ、今回のメンバーを順番に紹介してくださいました。いつものように、所属(オーケストラなど)やプロフィール・担当楽器・お名前の基本情報に加えて、その人ならではの話題も簡単に付け加えての紹介。それぞれの紹介後は、紹介された組員と組長が向かい合って深々とお辞儀し合いました。仁義を重んじる石田組です♪1番目に紹介されたヴァイオリンの三上亮さんについて、「元、札幌交響楽団、コンサートマスター。札幌を捨てて、今は……」。ええっ、昨年の公演では言わなかった「札幌を捨てて」のパワーワードが!組長ってば辛辣(ごめんなさいごめんなさい!)。そんなそんな、札幌市民はいつだって三上さんの里帰りはウェルカムですよ♪また「先月、結婚した」と紹介されたのは、ヴィオラの長石篤志さん。おめでとうございます♪なお今回は「あの有名な」「超・有名な」、「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」(石田組長がコンマスを務めていらっしゃいますね)の所属・出身の組員さんが多数!そのお一人である、今回の紅一点・ヴァイオリンの直江智沙子さんは、室蘭生まれの札幌育ちでご実家は札幌にあるとのことです。この日の会場に直江さんのご両親がいらしていたそうで、「お母さまが、俺のファン」。やはりそうですよね!「そうでもない」(!)という直江さんのお父さまも、きっとこの日の公演を聴いた後は「俺のファン」になられたのでは?今回の組員のお身内やお知り合いにも「俺(石田組長)のファン」が大勢いらっしゃる様子で、チェロの弘田徹さんの場合は「(弘田さんの)知り合いが15名ほど、今日の会場に来ていて、全員……俺のファン」。ちょっとためらった(?)けど、言い切りました組長!大丈夫です、キタラ大ホールを埋め尽くす2000人超のお客さん達はみんな「俺のファン」なはずですから!12名の組員紹介が終わると、ヴィオラの生野正樹さんがマイクを持ち、石田組長を紹介。「あの有名な、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、コンサートマスター。京都市交響楽団、特別客演コンサートマスター。日本を代表するヴァイオリニスト……」。来ました超絶褒め殺し!石田組長はささっと舞台から姿を消してしまいました。これも最近のお約束になっているのでしょうか?ここからは広報部長の生野さんがトークを進行。先日、念願の武道館公演(2024/11/10)を行ったこと、その後の最初の公演が札幌と教えてくださいました。kitaraの音響を絶賛くださり、ありがとうございます!「石田組は初めての人?」との問いかけには、多くの人が挙手。生野さんは会場をざっと見渡し「639名」(!)。えええー(笑)。まあ、およそ3分の1ということですね♪続いて、札幌に縁のある組員お2人にトークを振りました。お1人目は、「札幌のカリスマ、札幌のスター」で札響首席チェロ奏者の石川祐支さん。生野さんからの紹介では「名古屋ご出身ですが、名古屋を捨てて(!)、東京交響楽団の首席は1年ほどで辞めて(!)」。お優しそうな生野さんが、さらっと辛辣な事を仰るのがちょっと面白かったです。いいぞもっとやれ(笑)。「しかし、札幌交響楽団の首席になられて20年ということですから、札幌が合っていたのでしょう」。あらら、完璧なフォローをしてくださいました。マイクを渡された石川さんは、札幌公演が早い段階でチケット完売したことのお礼を述べられ、「(本番の)2、3日前から緊張して……」と、とても謙虚なお話しぶり。ただこれはあくまで個人的な感じ方ですが、石川さんのトークは8月の名古屋公演の時よりもリラックスしていた印象を受けました。石川さんにとって、既に札幌kitaraがホームとなっているに違いありません!お2人目は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団2ndヴァイオリン首席の直江智沙子さんです。生野さんは「男性がほとんどの石田組に、女性の組員が入るのはすごい事ですよ」と紹介。直江さんは、なんと卒業した小中学校の校名まで教えてくださって、地元民はとても親近感がわきました。「道産子としてここ(kitara)に来ました」の言葉が頼もしい!その後「宣伝」として、生野さんはロビーでのCDとグッズ販売の事に触れ、弘田さんがパーカーの実物を掲げて客席に見せてくださいました。生野さんは「スタッフの皆さんの荷物を減らして」と優しさ全開でアピール。そして、石田組長の超ご多忙ぶりに触れ、「(札幌だけでなく)北海道の各地で公演をするツアーを組んで、組長には観光も楽しんで頂きたい」と仰ってから、「北海道ツアーが実現するよう、皆さんSNS等でアピールしてください」と呼びかけられました。はい!きっと実現しますように。ここで石田組長がお色直し(「パーマン」柄の上着。8月の名古屋公演でも、NHK『あさイチ』ご出演の時にも着用されていたものですね!)して、再登場。次回の札幌公演(2026年3月29日)を告知くださいました。ありがとうございます!うれしい!でも再来年って、かなり先……待ち遠しすぎます!ここでトーク終了となり、演奏に移りました。
C.M.シェーンベルク(松岡あさひ編曲)「レ・ミゼラブルメドレー」。13名で創り出す世界は壮大で、独奏は素敵すぎて、元となったミュージカルを知らない私でも夢中になりました!次にリリースする石田組のCDには必ず収録して頂きたいです!なお私はオリジナル曲がわからないため、メドレーに登場したタイトルは書かずに振り返ります。どなたかお詳しい方、よろしければ今回のメドレーに登場した音楽のタイトル(と使われたシーン)を教えてくださいませ。ヴィオラによる冒頭から暗く重い空気、続いた低弦の ダダン ダダン♪のすさまじい迫力!地の底からのうめきのような重低音の凄み、これをチェロ3&コントラバス1で創りあげているとは、にわかには信じられないほどでした。ほの暗く力強い合奏を経て、チェロ独奏が登場!これは独白?祈り?決意?前奏での怒気を帯びた重低音とは異なり、チェロは慈愛に満ちた音色でたっぷり語り歌ってくださいました!こんなに追いかけ続けても、会う度に新たな顔を見せてくださるチェロに、私は絶対に敵わない……。ヴィオラ独奏もまた、繊細な心情を誠実に丁寧に歌ってくださり、心に染み入りました。そして終盤、一人一人が力強く前進する全員合奏に、高らかに歌う組長の独奏がなんて素敵なこと!明日への希望が見えるようで、胸がいっぱいになりました。
レッド・ツェッペリン(松岡あさひ編曲)「天国への階段」。はじめ、瞑想するように深く静かに、組長のヴァイオリンと石川さんのチェロが絡みあう――これをkitaraで聴けるなんて!夢を見ているのかと、私は震えました。そっと寄り添った合奏の澄みわたる響き!ぐっと空気を締めたヴィオラ独奏の存在感!静から動へ、歩みはじめた組長独奏と組員の合奏に導かれ、ドキドキしました。クライマックスでの各トップ奏者によるアツイ独奏リレーに胸焦がされる!そして、組長の無伴奏ソロ演奏による哀しく美しい響き、それがフェードアウトするラストの引力……まるで天に召されたように、聴き手も吸い寄せられました!
クイーン(松岡あさひ編曲)「ボヘミアン・ラプソディ」。個人的に、この曲では特に組長のヴァイオリンの色合いの変化が印象深かったです。繰り返される「ママー♪」を、はじめのうちのは深みのある音色にて一人語りするように。合奏が少しずつ盛り上がっていくに連れて、「ママー♪」も次第に強くハッキリと。終盤では組員の合奏がメロディを高らかに歌い(超素敵!)、そこに重ねて組長が全力でヴァイオリンをガンガン鳴らすのがとにかくすんごかったです!もちろん12名の組員による盤石な合奏が素晴らしくて、だからこそ組長は全力でガンガン行けるのだと思います。きっとこの関係性こそが石田組ですね!最高にロック!
プログラム最後の演目は、レインボー(松岡あさひ編曲)「キル・ザ・キング」。組長が小声で合図して開始。冒頭から大音量ド迫力!シャープな高音メロディも重低音ベースもビリビリ来る!組長のシャウトする独奏に打ちのめされる快感!組長のソロと組員の合奏が呼応し合う、その抜群の間合いと切れ味が気持ちよかったです。チェロ西谷さん→チェロ石川さん→1stヴァイオリン三上さん→2ndヴァイオリン直江さんの、独奏リレーが胸アツ!普段クラシックを演奏する時は絶対に発しないような音でバリバリ弾くのは、聴いている方はもちろん、弾く方も絶対に気持ちイイはず。組長の「ハッ!」のかけ声がまた良すぎる!ヒートアップしていく演奏に、気持ちを持って行かれた私はトランス状態になっていたと思います。ラスト直前の、ヴィオラ独奏によるバリバリ音が激シブ&激アツでした。ああすっごい!こんな演奏ができるのは、きっと世界で石田組だけ!
舞台に戻って来た石田組の皆様、組員はおそろいのTシャツ姿!石田組長は既に裸足で、下は例の袴のようなパンツ、上は「俺、最強」の文字が縦書きされた赤のTシャツを着用されていました。アンコール1曲目は、レッド・ツェッペリン(近藤和明編曲)「移民の歌」。はじめの低音によるダッダダダ……♪の音の刻みから心掴まれました!組長のヴァイオリンは「だみ声」を交えながら、エスニックな音楽を(あくまで私にとっては)予測不可能な感じで突き進むのがスリリング!また、この曲も独奏リレーにやられました。組長→チェロ石川さん→2ndヴァイオリン直江さん&ヴィオラ生野さん→コントラバス米長さん(なんとコントラバスまでたっぷりとメロディを演奏!)。それぞれの独奏の良さはもちろんのこと、勢いを保ったまま次の奏者へバトンタッチする、阿吽の呼吸が素晴らしくて!毎回異なる組員で編成されるにもかかわらず、この間合いの良さ!音楽そのものだけでなく、その音楽を生み出す組の信頼関係とチームワークにも、私は胸が熱くなりました。
再び舞台に戻って来た石田組の皆様は、今度は全員裸足に!組長は、上を大きな円の模様と「石田組長」の文字が書かれた白のTシャツにお着替え。アンコール2曲目は、布袋寅泰(松岡あさひ編曲)「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」。映画「キル・ビル」のテーマ曲、そして石田組・結成10周年記念のCD「2024・春」の1曲目に収録されている曲!ヴィオラが刻むダッダッダダッダ♪を、ヴァイオリンの超高音が彩り、低弦の重低音ベースがガッツリ支える。この序奏からカッコ良すぎる!そして組長の美音ソロが鮮やかに登場!この空気を切り裂くインパクト!全体を通じて胸の鼓動とシンクロするリズムがベースにある中で、東洋的な音のゆらぎが魅惑的!組長のソロでも組員による合奏でも、私はこの曲線的な音が忘れられません。また組長がご自分の小休止のとき、組員さん達を弓や手の仕草で煽りまくっていたのが、見ていてゾクゾクしました。もっと行けるまだ行ける!石田組の天井知らずな魅力に、またもや魅了されました!
なんと三たび石田組の皆様が舞台へ戻って来てくださいました!めちゃくちゃうれしい!組長は、またまたTシャツのお色直しをしていて、黒地に「多分明日 筋肉痛です」の文字!そうですよね……組長は、前々日のコンチェルト、前日の弦楽四重奏、夜の飛行機での移動を経てこの日の石田組と、本番三連チャンの鬼スケジュールでいらっしゃいました。にもかかわらず、組長「もう1曲弾きます。みんな疲れているけどあと1曲」。ああ「俺のファン」達はみんな感激です。ありがとうございます!「手拍子したくなるかもしれないけど、我慢して。心の中でだけ手拍子してください」と仰ってから、演奏へ。アンコール3曲目、松山千春(松岡あさひ編曲)「大空と大地の中で」。道民にとっての第二の国歌、キター!やっぱり札幌公演のトリを飾るのは、これしかないっしょ!冷涼な空気を思わせる前奏から素敵で、石田組のお力を再認識しました。組長のヴァイオリンが「果てしない大空と~♪」と、はじめのうちは深みのある音色でじっくり、後の方では高音域で空へ抜けるように、思いを込めて歌ってくださるのが心に染み入ります。そして、チェロ独奏がメロディを大らかに歌い、組長のヴァイオリンが高音で美しくハモる。最高です!私は昨年の札幌公演ではボロ泣きでよく聴けていなかったので、改めてしっかりと聴けてとてもうれしかったです。この「大空と大地の中で」と同じように、石田組はこれから先ずっと北海道民に愛される存在となるに違いありません。そんな未来を信じられるから、大丈夫、私はもう泣きません!
客席は大熱狂で、満席の会場のほぼ全員がスタンディングオベーション!組長はアンコールで着用した2枚のTシャツを肩にかけていました。石田組の皆様は、13名全員で舞台後方に整列してお辞儀。Tシャツの背中に大きく書かれた「石田組」のロゴがずらりと並ぶのは、何度見ても壮観です!ラストはメンバー全員で客席に大きく手を振ってくださり、会はお開きに。しかし最後にサプライズがありました!なんと組長が客席へ降りて、どなたかに(私の席からは見えませんでしたが、おそらく小さなお子さん?)2枚のTシャツをプレゼント!その周辺がどよめきました。北の大地に降り積もった雪さえ溶かしてしまうほどの、熱いアツイひととき。今回も超絶楽しく、夢みたいな最高に幸せな時間を過ごせました!皆様超ご多忙な中、雪降る札幌にお越し下さり、最高最強なパフォーマンスを魅せてくださった石田組の皆様、本当にありがとうございます!北海道内ツアー、きっと実現しますように。そして再来年3月のkitaraでの公演、首を長くしてお待ちしています!
本年度の石田組の全国ツアーで、私が「地元札幌以外では1つだけ」と決め、遠征して参戦したのは名古屋公演でした。「石田組 結成10周年ツアー 名古屋公演」(2024/08/11)。超充実の2時間半超え!2つの「四季」のクオリティの高さ、クラシック以外のロックや映画音楽も素敵すぎ&めちゃくちゃ楽しい!組長コスプレに特別ゲスト等のサプライズてんこ盛りなアンコールまで、石田組のすべてに全身全霊でどっぷり浸れた最高の時間でした!
最後までおつきあい頂きありがとうございました。