2024年の石田組 結成10周年ツアー。私は11月の札幌公演を待ちきれなくて、酷暑の名古屋まで遠征しました!届いたばかりの公式「石田組」Tシャツを早速着用♪なお名古屋公演はかなり早い段階でチケット完売したという、注目の公演でした。また、同じ出演者・同じプログラム(アンコールの内容は異なる)にて、この日の前日には福井公演が行われました。
石田組 結成10周年ツアー 名古屋公演
2024年08月04日(日)13:30~ 愛知県芸術劇場コンサートホール
【出演】
石田組メンバー(編成は弦3-3-3-3-1、ヴィヴァルディとピアソラには加えてチェンバロ1)
1stヴァイオリン : 石田泰尚 / 塩田脩 / 山岸努
2ndヴァイオリン : 丹羽洋輔 / 山本翔平 / 鈴木浩司
ヴィオラ : 中村洋乃理 / 生野正樹 / 多井千洋
チェロ : 西谷牧人 / 石川祐支 / 弘田徹
コントラバス : 米長幸一
チェンバロ:松岡あさひ
【曲目】
ヴィヴァルディ:協奏曲「四季」
ピアソラ(デシャトニコフ編曲):ブエノスアイレスの四季
J.ウィリアムズ(松岡あさひ編曲):シンドラーのリスト
布袋寅泰(松岡あさひ編曲):BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY
ローリング・ストーンズ(松岡あさひ編曲):悲しみのアンジー
レインボー(松岡あさひ編曲):キル・ザ・キング
(アンコール)
井上陽水(松岡あさひ編曲):少年時代
クライスラー(大橋晃一編曲):美しきロスマリン(独奏:近藤瑠伊)
メンケン(松岡あさひ編曲):時は永遠に
クイーン(松岡あさひ編曲):ボーン・トゥ・ラブ・ユー
オアシス(松岡あさひ編曲):ホワットエヴァー
今回も最っっ高に楽しかったです!石田組と出会えて本っっ当に良かった!出会って日が浅い私ですが、いまや石田組が存在しない人生は考えられないほどドハマリしています。人生色々あるけれど、石田組がいれば頑張って生きていける!今年で結成10周年という石田組。ずっとずっと追いかけたいので、この先10年後も20年後も未来永劫続いてほしいです!こんなにも熱狂できる「推し」と出会えた私は幸せ者です!
叶うことなら日本各地の公演すべてを聴きに行きたいところ。しかしそれは私には無理なので、「地元開催以外では1つだけ」と厳選した遠征先が今回の名古屋でした。結果、大正解!私は今回の余韻で11月の札幌公演まで生きていけそうです!超充実の2時間半超え(!)の公演は、最初から最後まで楽しくて楽しくて、笑って泣いて、石田組のすべてに全身全霊でどっぷり浸れた最高の時間でした。こんなにすごい体験は二度と出来ないんじゃないかと、その時はそう思えたほど(もちろん石田組のことですから、次に出会う時にはもっともっとパワーアップしているはず!)。2つの「四季」は、なんというクオリティの高さ!知っていたつもりの古典作品が、こんなにもスリリングかつ鮮烈な印象で聴けたのは、うれしすぎる誤算でした。唯一無二の石田組長のソロと、それに全力で食らいついていく組員たちによるアンサンブルは、驚異的なまでに呼吸と鼓動が一致した上で、お一人お一人が全力で行くのが激アツ!石田組長を要に星座を形作るスター達が、互いに協力し合い高め合いながらブリリアントに輝きを増す……こんなアンサンブル、他にはないと私は思います。そして当然ながらクラシック以外のロックや映画音楽も素敵すぎ&めちゃくちゃ楽しい!王道クラシック音楽をがっつり弾ける音楽家の皆様が、本気で「型破り」をするとすごいことになるんです!スゴイしか言えない!しかもアンコールは5曲(!)もあり、サプライズ演出てんこ盛りで、どこまでもサービス精神旺盛。これはまさに愛ですよね!見かけやイメージにとらわれて(?)、「食わず嫌い」でいる人達はもったいない。ぜひ一度体感してみてください!きっと石田組のとりこになりますから!喜ばしいことに、公演によってはチケットが即日完売となる石田組。今後ますますチケットが取りにくくなっていきそうですが、これからも私は1つでも多くの公演を体感したいです。私にとって石田組は生きる希望です!
組員の皆様が舞台へ。上下黒の装い、皆様カッコ良すぎ!チューニングの後、満を持して石田組長の登場し、満員の会場は拍手の嵐でお迎えしました。待ってました!組長も上下黒の装いでしたが、上着はゆったりしたチャイナ服っぽいデザインのもので、とってもお似合いでした。前半は、ヴィヴァルディの協奏曲「四季」。「春」第1楽章 全員合奏のクオリティの高さに驚愕!皆様なんて上品で美しい音をお持ちなのかと!またこの少人数のアンサンブルは、驚くほど奥行き厚みがあり、大地が鳴るような堂々たる響きが素晴らしい!このチームの音楽に私は一瞬で恋に落ちました。小川のせせらぎのようなヴァイオリンは、石田組長とヴァイオリンパートとの流麗な掛け合いが良すぎる!トレモロからの盛り上がりがダイナミックで爽快!鳥のさえずりのように高らかに歌う石田組長のヴァイオリンは、華やかでこの上なく美麗!石田組長とチェロトップ(石川祐支さん)の穏やかな掛け合いに心和みました。以降もチェロトップの見せ場は多く、私は大喜びでした。第2楽章 ヴァイオリンパートの哀しげなベースに乗って歌う、石田組長のソロは静かな祈りにも似た崇高さ。そのソロのビブラートに呼応して、ヴィオラトップ(中村洋乃理さん)が低めの太い音でタッター♪と奏でるのが荘厳な感じで存在感抜群でした。このぐっと来るヴィオラの響きが忘れられません!第3楽章 ゆったりした幸せなダンスが素敵!全員合奏の広がりと、ヴァイオリンとチェロの二重奏の親密さと、両方の良さが楽しめました。「夏」第1楽章 ジリジリと歩みを進めるようだったり、ガンガン駆け抜けるようだったり、また全員合奏とヴァイオリン&チェロ&チェンバロの三重奏の切り替わりや強弱の変化もあって、1つの連なりの中で色合いが次々と変化。厳しい暑さを思わせる音楽が、気持ちが途切れずに迫り来てドキドキしました。掠れた音色による石田組長のソロに、重厚チェロが絡み、チェンバロが重なるのが超カッコ良かったです。第2楽章 研ぎ澄まされた石田組長のソロと、全員合奏の重厚なガッガガガ ガッガガガ♪の気迫。そのコントラストが鮮やか!第3楽章 力強さと勢いあるスリリングな合奏にゾクゾク。合奏が、ごく小さな音から勢いと力強さを増しながらぐーっと盛り上がっていき石田組長のソロに繋げる流れは鳥肌モノでした!今回のメンバーの実力、半端ないです!掠れた音色で厳しかったり時に柔らかな表情を垣間見せたりする、石田組長のソロの貫禄!ああ胸焦がされる!がっつり絡むチェロトップとの夢みたいな協演に感激です!「秋」第1楽章 華やかでリズム感ある音楽に、聴いている方も気持ちがウキウキ。石田組長のソロは超高速かつ美麗で、チェロと一緒にダンスしているようにも感じました。第2楽章 石田組長のソロはお休み(!)。ゆったりと囁くような合奏は、高ぶった気持ちを穏やかに鎮めてくれました。第3楽章 ステップを踏むようなリズムが楽しく、合奏の厚みも石田組長のソロの繊細な美しさも素敵!パンパン♪と力強く鳴るピッチカートがリズミカルでカッコイイ!「冬」第1楽章 低弦のぐっと重い低音による始まりにゾクッとしました。タッタッタッタ……と音を刻む弦、冷たい響きのチェンバロ。この緊迫感!パッと登場した石田組長のソロが鮮烈!そして全員合奏の切れ味と勢いと気迫と底知れぬエネルギーたるや!めちゃくちゃクールで熱くて、私は震撼したと同時にこのチームのすごさを改めて認識しました。またこの楽章だったと思うのですが、ディーブ・パープル「紫の炎」に似たフレーズが少し登場して、「お?」となりました。偶然?それともオマージュ?第2楽章 温かなピッチカートのリズムに乗って、ゆったり歌う石田組長のソロがなんて優しく美しいこと!前楽章での厳しさの後に、こんな表情も見せてくださるなんて!石田組長のヴァイオリンは一体いくつの顔をお持ちなのでしょう……。第3楽章 石田組長のソロの色合いの変化に、重なる合奏も色々な組み合わせになり、細やかな変化で移ろいゆく流れが美しい。低弦とチェンバロがお休みして、独奏にヴァイオリン&ヴィオラが重なるところは神々しく感じました。一気に駆け抜ける終盤の、勢いと掛け合いの良さ!最後の最後までキレッキレの独奏&全員が思いっきり行く上で互いに高め合う合奏、最高でした!演奏が終わると、石田組長はチェロトップの石川祐支さん、チェンバロの松岡あさひさんに順に起立を促して讃えられました。
後半。組長は上着を黒地に白の模様(SNS情報によると柄はパーマン?)が入ったものに衣装替えしていました。最初は、ピアソラ(デシャトニコフ編曲)「ブエノスアイレスの四季」。夏→秋→冬→春、の順での演奏だったようです。この曲のみチェロのトップ奏者は西谷牧人さんでした。また、終盤までチェンバロはお休みでした。「夏」ほの暗い序奏の色気がすごい!ヴィヴァルディの時とはガラリと変化した音色に驚愕し、独特のリズム(チェロの弘田徹さんは楽器をリズミカルに叩いてパーカッションの役割も!)にゾクゾク。そして登場した石田組長のソロにガツンとやられました!なんという妖艶さ!「だみ声」でギューン♪と曲線を描いたり、ギュン♪と高音を発したりする度に、聴いている方はゾクッとさせられました。ソロ小休止の時の、低音が効いた合奏がビリビリ来る!ソロに重なる重低音の低弦が超男前!ヴァイオリン&ヴィオラがキュインキュインと弦を鳴らすのがカッコイイ!コントラバスのピッチカートは、打楽器のようにバシバシ鳴らしたり、ギターのようにメロディを奏でたりと、「クラシック音楽」を枠を超えた存在感!あれ?ヴィヴァルディ「冬」に似たメロディが登場!?南半球から地球の裏側の季節を思ったのでしょうか(完全に私の妄想です)。「秋」石田組長が、駒の内側の弦を擦ってギギギ……とギロのように鳴らしたのがものすごいインパクトでした。来ました、チェロ独奏!他の奏者は沈黙した上での完全なソロ演奏は、西谷さんお一人で創りあげる世界。堂々たる鳴りの貫禄、ラテンの音楽を艶っぽく歌う色気!カッコイイなあ、もう!少しずつ他パートが重なって全体合奏に変化する流れが自然で、気持ちが途切れないのがよかったです。そして来ました、石田組長の独奏!ああすごい……!例えばバッハの無伴奏ではお目にかかれないような奏法と個性的な音が盛り盛りで、切れ味抜群な独奏は、まさに唯一無二。聴いている方は目と耳が釘付けになりました。全員合奏では、各パートもギュン♪と高音を発したり駒の内側の弦を擦ってギギギ……と鳴らしたりと、個性的な演奏てんこ盛りで求心力がすごかったです。「冬」有名なメロディを中低弦が艶っぽくじっくり奏でたのが胸に来ました。再びこのメロディが登場した時は、中低弦をベースに石田組長のソロが歌い、切なく美しい響きに私は思わず涙。このメロディが常に軸にありながら、合奏でスピード感だったり鼓動だったりと変化を演出し、その思い切りの良さがすごく気持ちよかったです。全員合奏のピッチカートで幸せに歌ってから、幸せなチェロ独奏に繋がる流れがなんて素敵なこと!全力で泣かせに来るスタイルでした。「冬」が終わると、チェンバロの松岡あさひさんが舞台へ登場。「春」はじめの緊迫感ある弦楽四重奏にゾクゾク。全員合奏ではコントラバスの重低音ベースがぐっと来ました。中盤少し穏やかになったところでは、石田組長が深みあるふくよかな音色で春の喜びを噛みしめるように歌ったのが超素敵!しかし穏やかな時は長くは続かず、春の嵐のように勢いと緊迫感ある音楽に。石田組長のソロと合奏との掛け合いがカッコイイ!そして最後は、ヴィヴァルディ「春」のメロディのさわりをチェンバロが回想のように奏でました。環が閉じられた、すごく印象的なラスト!前半ヴィヴァルディから続いた壮大な流れは、もはや宇宙ですね!14名で創りあげた宇宙を、目の当たりにできた私達は超幸せです!演奏が終わると、石田組長はチェロパート全員の起立を促し、チーム全体を讃えられました。
お待ちかね、組員紹介&トークのお時間です♪組員の皆様に続いて登場した石田組長は、はじめにP席に向かって深々とお辞儀(お約束?)。正面に向き直した石田組長は、ご挨拶(名古屋公演は早い段階でチケット完売した事のお礼も)に続いて今回のメンバーを順番に紹介してくださいました。所属(オーケストラなど)・プロフィール・担当楽器・名前の基本情報に加えて、その人ならではの話題も簡単に付け加えての紹介。組員のお身内には、相変わらず「俺(石田組長)のファン」がいっぱい♪また組員のご兄弟や親御さんに音楽家(演奏家だったり指導者だったり)が多いのと、あと今回は「愛知県立芸術大学を、それなりの成績で卒業した」組員さんが多数いらしたのが印象的でした。「それなりの成績」って(笑)。しかし組長の愛ある発言ですし、今現在は皆様こんなにもご活躍なのですから無問題です!愛知県立芸術大学といえば、チェロの西谷さんが今年度(2024年度)から准教授となられたことの紹介もありました。そこでの西谷さんの教え子が10名ほどこの日の会場にいらしていたようで、組長曰く「そのうち、もしかして、数人、俺のファン」(!)……ついに憶測で語る組長(笑)。それにしても「もしかして、数人」だなんて、奥ゆかしい♪この日の会場にいた約2000人のお客さん達はみんな「俺(石田組長)のファン」のはずですよ!一通りメンバー紹介が終わると、組員のお一人がマイクを持ち、なんと石田組長の紹介を始めました。「神奈川フィルハーモニー管弦楽団、コンサートマスター。京都市交響楽団、特別客演コンサートマスター。とにかくコンサートマスター。日本の、いや世界が誇るヴァイオリニスト……」めっちゃ褒め殺し!石田組長はすたこらさっさと舞台から姿を消してしまいました。あらら、照れちゃいました(笑)?でも褒め殺ししてくださった組員さん、グッジョブです!「今夜、東京で別の演奏会のリハーサルが控えていて、早く帰りたい○○」なんて紹介されちゃったんですもの、これくらいお返ししなくっちゃ!続いて「愛知のカリスマ」(今回は「北海道の星」の呼び名は登場せず)、チェロの石川さんへマイクが渡されました。名古屋のお生まれで18歳まで名古屋で育ち、進学のため東京へ。10年ほど東京にいた後に、札幌交響楽団の首席チェロ奏者となり「20年」(!)。会場から「おー!」と感嘆の声が!生まれ故郷の名古屋で、石田組の一員として演奏出来ることの喜びを語られました。次にマイクはチェロの西谷さんの元へ。石川さんとは高校時代からのお付き合いだそうです。名古屋公演はチラシを印刷する前にチケットが完売したそうで、「紙代が浮いた」(!)なんてお話しも。「石田組は初めての人?」との問いかけには、多くのお客さんが挙手しました(私が1階席から見た限り、全体の半数近く?)。石田組のファン、増殖中です♪また、ある学校の英語の入試問題に石田組の記事が使われた(!)と紹介くださり、「赤本を見てみてください」とも仰っていました。そして、11月10日に石田組は念願の日本武道館での公演を行います!と宣伝。「名古屋からたったの2時間半!」……「たったの」の正しい使い方(笑)。「札幌から網走まで、車でたったの5時間」を聞いた道民としては、2時間半って近いなと率直に感じます。いつの間にか舞台に石田組長が戻ってきていて、最後は組長のトークになりました。この日の公演前夜に石田組メンバーでバーを訪れたそうですが、そこのマスターがたまたま石田組長の事をご存じで、大いに楽しい時間を過ごせたようです。またマスターの奥様がこの日の会場にいらしていたようで、彼女もやっぱり「俺のファン」(!)。「俺のファン」が大増殖していますね!そのうち日本中、いや世界中の人達が「俺(石田組長)のファン」になりそう!こんな感じで、終始和やかな雰囲気のトークは終了となりました。
J.ウィリアムズ(松岡あさひ編曲)「シンドラーのリスト」。哀しく美しい序奏。それだけでも胸に来たのに、ほどなく登場した石田組長のヴァイオリンの切なさ美しさは格別で、すごく刺さりました!哀しみをたたえた美音の訴求力!また、各パートのソロにメロディが引き継がれたり、ラストをチェロがぐっとシメてくれたりと、組員それぞれの見せ場も印象深かったです。クラシック音楽から瞬時に別世界へとスイッチした、掴みの1曲目に早速心奪われました。
布袋寅泰(松岡あさひ編曲)「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」。映画「キル・ビル」のテーマ曲、そして石田組・結成10周年記念のCD「2024・春」の1曲目に収録されている曲ですね!ダッダッダダッダ♪のリズムで迫り来る序奏にドキドキ。そして組長の美音ソロ、キター!空気を切り裂く、唯一無二の音の凄み!東洋的な音のゆらぎも、エレキギターをかき鳴らすようにバリバリ弾くのも、めちゃくちゃロックでカッコイイ!石田組の引き出しは無限大ですね……!
ローリング・ストーンズ(松岡あさひ編曲)「悲しみのアンジー」。チェロのダブル首席による序奏、ああやっぱり素敵!メロディを歌う高音弦は壮大で、歌詞は男女カップルのお話しという極めてプライベートな内容なのに、どこまでも広がる青空のようにも私は感じました。それを重低音で支える低弦の渋さ!石田組長のヴァイオリンの切ない歌に、嘆きのような効果音を一瞬重ねたヴィオラの味わい深さ!ラスト、石田組長のヴァイオリンに呼応する形で石川さんのチェロが切なく歌い、西谷さんのチェロが重低音でハモる、三者の密な重なりが素敵すぎて!2023年10月の札幌公演ではチェロの席順が逆だったので、今回別の形で聴けてうれしかったです。
レインボー(松岡あさひ編曲)「キル・ザ・キング」。最初から全力で来る合奏のド迫力!高速で弾くヴァイオリン&ヴィオラも重厚ベーズを作る低弦も、やだもうカッコ良すぎる!石田組長のヴァイオリンの、シャウトするような歌い方!メロディを2ndヴァイオリンが歌うシーンがあったのが印象的でした。各ソロ演奏では、皆様食らいつくような熱量と勢いと気迫がすごい!呼吸を合わせるタイミングで、組長が「ハッ」とかけ声を発したのが良すぎる!その後さらに鬼気迫る演奏にヒートアップ。一体どこまで行ってしまうのかコワイくらいでした。エレキギターのバリバリ音をヴィオラやチェロが!ああ最高にロック!この熱さは、絶対に夏の暑さのせいなんかじゃない!
カーテンコール。舞台に戻ってきてくださった組員の皆様は、お揃いの「石田組」Tシャツを着用(一般販売されているものとは文字の色が違うかも?このバージョンのTシャツも欲しい!)。少し遅れて組長が颯爽と登場し、その装いに会場がどよめきました。ええっ、小学生男子の運動会コスプレ!?紅白帽(赤を表面にして被っていました)、白の半袖の体操着(ゼッケンには手書きで「3年 石田組」の文字)、紺色の短パン(黒スラックスの上に重ねばき、さすがに生足は恥ずかしかった?)。なんなのこの破壊力は!この日、会場に来るまでに完成度の高いコスプレイヤーを何人も見かけましたが(大規模なコスプレイベントが開催されていた様子)、私が見た限りでは間違いなく石田組長が優勝です!ぶっちぎり。断トツ。動揺するお客さん達(きっと組員さん達も?)に構うことなく、すぐに演奏開始です。「♪夏がくーれば思い出すー」の穏やかなイントロに続いて、組長が極上の美音を奏でました。この有名なメロディは!アンコール1曲目は、井上陽水(松岡あさひ編曲)「少年時代」。美しくしっとりと歌う組長のヴァイオリンに、懐かしい気持ちが込み上げてきて思わず涙……と本来なるはずが、演奏する人の見かけが強烈すぎて泣けない(困惑)。しかもその見かけで組員さん達に目力ビームをガンガン飛ばすものだから、大変!組員さん達、顔真っ赤にして笑いを堪えているじゃないですか。一体これは何の修行なんですか(組長ってばドS……いえ何でもないです、ごめんなさいごめんなさい)!こんな時でも、一瞬登場したチェロのソロ演奏は驚くほど美しいのです。しかし私は笑いを堪えるのに精一杯で、酔いしれる余裕なんてない!一生の不覚!ああっ、いけない。組長、組員さん達をそんなに見つめないで。チェロのダブル首席が持ちこたえられなくなっていますよ……もう私も無理でした。演奏中なのに笑っちゃってごめんなさい!でも限界!会場のあちこちからも戸惑いが混ざった笑い声が。あらら、名古屋お嬢様たちがお困りですわよ(いいぞもっとやれ)。しかしこんな状況をものともせずに(!)、クールに演奏し切った組長と組員の皆様は、プロ中のプロですね!超ド級の反則技コスプレに超美しい演奏。最初からどえりゃあサプライズなアンコールの幕開け(石田組はアンコールが実質第3部ですから!)に、会場は大ウケ&大盛り上がりでした。石田組にしかできないパフォーマンス、最高だがや!
拍手鳴り止まない会場に再び登場したのは、弦5部の各トップ奏者と、ええっ組長いつの間に可愛らしい小学生男子に変身したんですか!?いくらなんでも完成度高すぎるコスプレ(違)。組長の代わりに登場したのは、リアル小学生男子のヴァイオリニストでした!弦楽五重奏が伴奏し、ゲストの近藤瑠伊くん(「石田組」Tシャツを着用)が独奏する、アンコール2曲目はクライスラー(大橋晃一編曲)「美しきロスマリン」。独奏は、艶っぽさと愛らしさのある音色で、一本調子ではなく強弱やテンポを変化させながらエレガントに歌うのが素敵でした。まるで小さな淑女がドレスの裾をふわっと翻しながらダンスしているよう!弦楽五重奏は独奏にぴたっと寄り添い、テンポや強弱の変化、気持ちまでも独奏とシンクロしていました。ラストのピッチカートが可憐!演奏が終わると、近藤瑠伊くんは胸に手を当てて深々とお辞儀。素晴らしい!「習い事の発表会」なんてレベルじゃない、演奏そのものも所作も立派なヴァイオリニストです!リサイタルだって協奏曲ソリストだってできますよ!超満員の大ホール、ベテラン勢による伴奏、そんな中で見事な独奏を聴かせてくれた近藤瑠伊くん。あなたが優勝!
今度は石田組長と組員さん全員と、なんと近藤瑠伊くんも1stヴァイオリンの一員として舞台へ。組長は下を「石田組」と大きく書かれた袴のようなパンツ、上は白地に「石田組長」と縦書きされたTシャツの装いでした。演奏に入る前に、組長が「未来のスーパーソリスト」近藤瑠伊くんを紹介。錚々たる石田組メンバーに加わってもサマになる、この堂々たる姿!近藤瑠伊くんは既にスーパーソリストかも!また、客席には瑠伊くんの弟さん(彼もヴァイオリンの名手だそうです)がいらしている事も紹介されました。アンコール3曲目は、メンケン(松岡あさひ編曲)「時は永遠に」。ディズニー映画「美女と野獣」の音楽ですね!演奏が始まると、客席から自然と拍手が起きました。プリンセスのためのお歌、名古屋お嬢様たちにすごく喜ばれている!組長のヴァイオリン、その思慮深さを感じる深く優しい音色に私はハッとさせられ、瞬時に心掴まれました。山場での、優しく繊細に美しく歌うのはまさに愛!私は胸がいっぱいになりました。なんて「愛」が尊い!組長のヴァイオリンは、こんなラブソングもハマりますね!なお、演奏後にどう動けば良いか戸惑っていた瑠伊くんを1stヴァイオリンの塩田脩さんがさりげなくフォロー。優しい♪
4たび(!)石田組の皆様が舞台へ戻ってきてくださいました。組長はちょっとだけお色直しして、上を赤地に「石田組長」と縦書きされたTシャツにお着替え。組員の皆様は一肌脱いで、裸足です(白い肌がまぶしい♪)。加えて1stヴァイオリンの塩田さんと瑠伊くんの2名は、黒いサングラスをかけていました。奏者の皆様がキュインキュインと弦を鳴らす、この喧噪!うわあキター!大好き!アンコール4曲目、クイーン(松岡あさひ編曲)「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」。石田組長が"I Was Born To Love You "~♪とまっすぐに歌うのがストレートに胸に刺さり、私はこの時点で早くも涙。ダダダダダ ダダダーン♪のベースに血が騒ぐ!そして、全員合奏による"An amazing feelin' "~♪がうんと爽やかでピュアで、泣けて泣けて……。私はあなたを愛するために生まれてきた、この出会いこそアメージング!私は笑って泣いて、情緒が大忙しでした。ああやっぱり石田組はすごいです。すっごい!
なんとまたもや舞台へ戻ってきてくださった石田組の皆様(近藤瑠伊くんはお休みです)。石田組長、またまたTシャツのお色直しをしていて、黒地に「多分明日 筋肉痛です」の文字……!そうですよね。前日の福井公演から連チャンで名古屋公演。しかも盛り盛りプログラムにてんこ盛りアンコールまで、もう満身創痍ですよね。それなのに、組長「もう1曲弾きます」。きゃあああ!出血大サービス、本っ当にありがとうございます(感涙)!ヴィオラから入る、スキップのような前奏。ああこの曲は!アンコール5曲目は、おなじみオアシス(松岡あさひ編曲)「ホワットエヴァー」。心温まる、カントリー調のフレンドリーな音楽に、私はくつろげるマイホームタウンに戻ってきたような気持ちに。石田組こそ私の心のふるさと!メロディを歌う石田組長のヴァイオリンと、組員さん達の合奏が呼応し合うのには愛があふれていました。おおっ、ピアニッシシシシ……モ!石田組のアンサンブルは極限まで音量絞っても美しい!そしてホールの音響がとってもイイ!今回の手拍子の音頭取りは、2ndヴァイオリン・鈴木浩司さんでした。手拍子のシメの合図では手をきゅっと結んでグーを作り、手拍子が鳴り止まなかったのでもう一度きゅっとグー。ほっこりしました。なんてあったかい世界!最後はみんなでにっこにこになれた、最高のラストでした!
会場はほぼ総立ちのスタンディングオベーション!カーテンコールでは、チェンバロ&編曲の松岡あさひさんとゲストの近藤瑠伊くんを含む出演者全員が舞台後方にずらりと並びました。壮観!石田組の皆様、全員優勝です!最後は出演者の皆様が客席に大きく手を振ってくださり、熱狂の中で会はお開きとなりました。ああ私は石田組のことを好きで好きでたまらない!10年後20年後、100年後や1000年後だって、未来永劫愛し続けたい!既に心のふるさとになっている石田組に、私は必ずまた帰ってきます!11月の日本武道館をはじめ、全国各地でのコンサートも大盛況となりますように。そして11月の札幌公演、首を長くしてお待ちしています!
「石田組 2023-24 アルバム発売記念ツアー 札幌公演」(2023/10/01)。カリスマ・ヴァイオリニストの石田泰尚さんが率いる弦楽アンサンブルが北海道初上陸。王道クラシックの正統派な良さに、「型破り」の想像を超えた面白さ!地元kitaraでの石田組初体験は、アメージングな出会いでした!
「石田組 2023-24 アルバム発売記念ツアー 網走公演」(2023/10/14)。公演数日前に決めた遠征。やはり組の面白さはリアルに体感しなくちゃわからない!本気のパフォーマンスにネタ付きアンコール4つ、お見送りまでサービス満載!僅か2週間前に出会った石田組に、2度目の体験にしてすっかりとりこになりました。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。