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鉄道をテーマにした名曲シリーズの第2弾!前回(2021年9月)に引き続き、指揮は秋山和慶さん、お話と構成は岩野裕一さんの、鉄道を愛してやまないお2人が登場くださいました。また男性アカペラ5人組・ベイビーブー(メンバーのお一人が鉄道好きとのこと)と、朗読にはNHK-FM「かけるクラシック」でおなじみの市川紗椰さん(鉄道好きだそうです!)という、豪華なゲストをお迎え。当日のホワイエには特別に秋山さんと岩野さんの秘蔵コレクション(鉄道模型と車体情報が書かれた看板?ごめんなさい詳しくはわかりません)が展示されていました。また終演後のロビーでは、ベイビーブーのCD購入者向けのサイン会が行われました。
札幌交響楽団 森の響フレンド名曲コンサート~鉄路は続くよ、どこまでも:続・オーケストラで出発進行!
2024年09月07日(土)14:00~ 札幌コンサートホールKitara 大ホール
【指揮】
秋山 和慶
【出演】
お話と朗読 / 市川 紗椰
歌 / ベイビーブー
お話と構成 / 岩野 裕一
【曲目】
J.シュトラウスII:ポルカ「特急」
バーンスタイン:地下鉄乗車と空想のコニー・アイランド(オン・ザ・タウンより)
(ベイビーブーコーナー 編曲:瀬川忍)
デンツァ:フニクリ・フニクラ
多梅稚:「鉄道唱歌」北海道編より
アメリカ民謡:線路は続くよどこまでも
古関裕而(詞:丘灯至夫):高原列車は行く
都志見隆(詞:松井五郎):列車にのろうよ
E.シュトラウスⅠ:ポルカ「テープは切られた」
ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」第4楽章(弦楽合奏版)
ブリテン(詞:W.H.オーデン):夜行郵便列車
R.シュトラウス:交響的幻想曲「イタリアから」第4楽章「ナポリ人の生活」
「特急札響号」による鉄道の旅、今回も楽しかったです!バーンスタインのミュージカル曲や市川紗椰さんの朗読付きブリテン等の、こんな企画でなければ出会えないような珍しい曲の演奏が聴けて、誰もが知る歌のベイビーブーによる歌唱で心温まり、大マエストロがニコニコ笑顔で愛する鉄道の事を語り(好きなものに夢中になる人は、見ていて幸せな気持ちになります♪)と、どんな人をも包み込んでくれる懐の深い演奏会。聴き手は大船(もとい大編成の列車ですね・笑)に乗った気持ちで楽しむことができました。様々な曲が登場しましたが、明るくてもけだるくても速くてもゆったりでも、いずれもベースにはガタンゴトンという列車のリズムがある?と私は感じました。心臓の鼓動と心地よくシンクロして、自然とウキウキになったり心安らいだり。安心して乗れる心地良さ、もしかしてこれも鉄道の音楽の魅力なのかも!私は鉄道の事には詳しくないのですが、鉄道の曲はもっと聴いてみたいなと思います。鉄道マニアとしてのキャリア77年(!)の大マエストロには到底及びませんが、音楽を通じて私もほんのつま先だけ鉄道沼に触れた感じです!
前回は新作初演(酒井格さんによる作曲、上野耕平さんがサクソフォン。鉄道愛あふれる素晴らしい作品と演奏でした!)を含む、てんこ盛りなプログラムでした。もちろん充実した内容でとても楽しめたのですが、もったいないことに1つ1つの印象が薄れてしまったかも(あくまで個人的な感じ方です)。今回は思い切ってゲストの歌唱とトークに一部をお任せしたおかげで、全体にメリハリがつき、特に後半のがっつりクラシック音楽の完成度が上がったと私は思います。今回大活躍してくださったゲストのベイビーブーの歌唱は親しみやすく、トークもとても楽しくて、耳慣れた曲の心温まる歌を聴き手はリラックスして楽しめました。ただ残念だったのは、手拍子やジェスチャー参加の呼びかけにお客さん達の反応が少なく、いまいち盛り上がれなかったこと。これはベイビーブーの責任ではありません!クラシック音楽を聴く客層が、ポップなノリに慣れていない事と、普段と違うことをするのにためらいがあったからだと私は考えます。たとえばプレトークの段階で、ベイビーブーの皆様に出て頂き、演出内容を知らせた上でお客さん達と一緒に「事前練習」をしておけばお客さん達もすんなり参加できたかも?色々と偉そうに申し訳ありません。
そして私にとってはお久しぶりの、指揮者・秋山和慶さんとの再会がとてもうれしかったです!企画の性格上、今回は様々な曲のアラカルト。性格が異なるたくさんの作品を限られた準備期間で仕上げるのは大変だったことと存じます。しかし、歌に合わせるのも朗読とシンクロするのも大編成オケによる大作も、どんなシーンでもオケを的確かつダイナミックに導いてくださる。やっぱりすごいお方です!当たり前ですがそれに応える札響だってすごい!なお今回、指揮の秋山さん(ブレザーにネクタイの装い)が広島電鉄の制服着用するシーンはナシ。指揮者自身が目立つのは、もしかすると秋山さんのポリシーに反するからかもしれません(※秋山さんの回想録を読み、私はそのような印象を受けました)。しかしトークでは鉄道愛が隠しきれない感じで、とても微笑ましかったです。もちろんそのキレッキレの指揮と導かれたオケのビシッと締まった演奏が本当に素晴らしい!「指揮者は見られるものではない」と秋山さんはお考えとはいえ、私はつい凝視してしまいます(ごめんなさい!でもその指揮ぶりをつぶさに見たい!)。秋山さんの指揮の動きで演奏がガラッと変化する、まるで魔法使い!と、最初に出会った時から私はずっとそう感じています。秋山マジックを、私はもっともっと体感したい!これからも時々は札響を振りに来てくださいませ!
開演15分前からのプレトーク。今回は、お話と構成(プログラムノートの執筆も)を担当くださった岩野裕一さんによるトークでした。ごあいさつに続いて、「今回の主役は、秋山和慶さん」。秋山さんが今年指揮者生活60周年となることや過去に札響の首席指揮者だったことを紹介くださいました。鉄道をテーマにした名曲シリーズの第2弾は、前回とはすべて異なる演目を揃え、オーケストラ曲は少しひねったものを入れたとのこと。曲の候補は「第3弾をやるとしても色々ある」そうです。クラシック音楽に鉄道の曲が多いのは、19世紀後半のロマン派の時代がちょうど鉄道が発達した時期と重なるから、と仰っていました。また、鉄道がなければ、明治時代の北海道の開拓は進まなかっただろう、とも。ちょうど野幌で「みんなのてつどう」展、この日は苗穂駅で特別展が行われていたそうで、「演奏会本番がなければ行きたかった」と指揮の秋山さんも残念がっていたそうです。「普段とはひと味もふた味も違うけど、(演目は)楽しい曲ばかり」「ベイビーブーが歌うのはよく知られた曲ばかり」「もっともっと好きになって頂ければうれしい」と今回の内容を熱烈アピール。「どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください」と締めくくり、トーク終了となりました。
オケの皆様、続いて指揮の秋山和慶さんが舞台へ。オケは14型(14-12-10-8-7)でしょうか?管楽器は基本の2管に、曲に応じてアルトサックスや多彩な打楽器、ピアノやハープも加わりました。1曲目は、J.シュトラウスIIのポルカ「特急」。速いテンポの華やかな音楽にウキウキ。短いながら(1駅分くらい?)も山あり谷ありで、軽快に駆け抜ける音楽が楽しかったです。明るく幸先の良いスタートでした。
ここで岩野さんが登場。「特急札響号、定刻に発車しました」と仰ってから、トークに入りました。指揮の秋山さんに、いつ頃からなぜ鉄道にハマっていたのかインタビューしたところ、戦後すぐ、小学校に通う頃からだそうです。秋山さんがよく電車を眺めていたら「坊主、乗るか?」と運転手さんの膝に乗せてもらい二人羽織で運転した(今の時代ではNGだろうという事も仰っていました)のが原体験だったとのこと。一方、岩野さん(北海道のお生まれだそう)も駅近くで生まれ育ち、幼い頃から親しんできたのだそうです。
「札幌にちなんだ曲として」PMF創始者のバーンスタインが書いた、ミュージカルの曲が取り上げられました。2曲目はバーンスタイン「地下鉄乗車と空想のコニー・アイランド(オン・ザ・タウンより)」。最初ほの暗いクラリネットにぐっと引き込まれ、そのメロディがアルトサックス、続いてフルートに引き継がれていくのが素敵!地下鉄なので景色は変わらないけれど、暗闇の中で列車が進んでいるように感じました。高音弦は空想の世界でしょうか?美しい!ベースの重低音は、地に足を付けているイメージ。金管が華やかな盛り上がりや全体のリズムやピアノに、私はガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」を連想しました。これがアメリカ「らしさ」なのかも?
ここからはベイビーブーのコーナーです。曲間の楽しいトークもベイビーブーの皆様が担当しました(「私は車庫に入ります」と岩野さん)。オケの前奏と同時に、ベイビーブーの5名が颯爽と登場。はじめはデンツァ「フニクリ・フニクラ」。「あかーい火を噴くあの山へー♪」と、第一声からスコーンと通るお声が素敵!ソロだったり合唱だったりと組み合わせを変えながら、よく知られる曲を明るく楽しく歌ってくださいました。
「私達、『ベイビーブーでーす』(5名のハモりで)」と自己紹介。2002年に結成され、歌声喫茶で様々な歌を歌ってこられたそうです。大ベテランの男性アカペラグループにどんな団体がいるのかを、「筑波山麓男声合唱団ー♪」「パジャマでお・じゃ・ま♪」等、有名なフレーズを実際に歌いながら紹介くださいました。「そして私達の一番のヒット曲はこれです」と、「ダバダー♪」(ネスカフェゴールドブレンドのCMソング)を熱唱。有名曲オンパレードの大サービス、楽しい♪
多梅稚「鉄道唱歌」北海道編より。「鉄道唱歌」は全曲通し演奏だと2時間半を超える(!)超大作だそうです。今回はその中から北海道の一部を抜粋での演奏でした。函館、長万部、小樽、室蘭、等が登場。そして「札幌」では、「札幌交響楽団ありー♪」と替え歌して、オケの方に手を向けるジェスチャーもありました。列車が走るリズムに、7・5調の歌詞がピタッとハマって、心地よく永遠に聴いていられそう!
ここでメンバーお一人お一人の紹介がありました。メンバーのお一人が鉄道好きで、5枚綴りの「青春18きっぷ」を買ってメンバーを誘っても誰もついてきてくれず(ええっ!?苦笑)、結局ご自分だけで使ってしまうというエピソード紹介も。今回は前日リハーサルが終わってから、札幌の市電の旅を楽しまれたようです。また、ベイビーブーと札響は6年ぶりの共演と教えてくださいました。
アメリカ民謡「線路は続くよどこまでも」。おなじみのこの曲も、華やかなオケとハモりが美しいベイビーブーの歌唱で聴くと贅沢!「ご一緒に!」と客席に呼びかけられ、手拍子や歌で私も参加したかったのですが……周りがそんな雰囲気ではなく、演奏を聴くだけにとどまりました。本当に申し訳ないです。
ベイビーブーがレギュラー出演されている番組の宣伝、そして終演後のサイン会の案内をしてから演奏へ。古関裕而(詞:丘灯至夫)「高原列車は行く」。こちらはオケはお休みで、アカペラによる演奏でした。ドゥ・ドゥ♪のコーラスに伸びやかメロディ歌唱、ラン・ラ・ラ・ラーン♪にウキウキ。また歌詞にちなんで「皆様もハンカチを振ってください」との呼びかけがあり、お客さん達の一部がハンカチを振って歌に参加(私も参加しました)。オケ団員さんの中ではティンパニ入川さんがお一人で大きくハンカチを振ってくださっていたのが印象に残っています。入川さん、とっても良い人(感涙)。
都志見隆(詞:松井五郎)「列車にのろうよ」。ベイビーブーの結成20周年記念で作られた曲とのことです。ファンクラブの皆様と列車に乗ってお祝いされたそうですよ♪メンバーは白手袋を着用し、振り付けもありました。なお、演奏前に振り付けのレクチャーがあったのですが、その振り付けをするお客さんは少数だったのは申し訳なかったです。「さあ列車に乗ろうよ♪」と、聴き手を優しく誘ってくれるお歌。手を回す動きや指さし確認など、車掌さんや駅員さんになりきったメンバーの振り付けも楽しく、心温まりました。
後半1曲目は、E.シュトラウスⅠのポルカ「テープは切られた」。勢いある出だしのインパクト!ピーというホイッスルのような響きはピッコロでしょうか?違っていたらごめんなさい。アップテンポでぐんぐん進む楽しい曲、個人的には運動会のかけっこをイメージしました。
岩野さんと秋山さんによるトーク。秋山さんはホワイエに展示している秘蔵コレクションについて熱く語られ(!)、とても微笑ましかったです。少年時代と変わらぬ、鉄道へのピュアな愛♪また、今回J.シュトラウスIIとE.シュトラウスのポルカを取り上げたのは、「当時は(鉄道に関する曲を作るように)依頼が多かった」と岩野さんが解説。「しかしこの方は鉄道オタクの最たるもの」と、次に取り上げるドヴォルジャークの名前が出て、演奏に移りました。
ドヴォルジャークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」第4楽章(弦楽合奏版)。編成は弦のみで、8-7-6-5-4。弦楽アンサンブルが大好きな私は、弦楽四重奏曲「アメリカ」を札響メンバーによる弦楽アンサンブルで聴けるのがとても楽しみでした。カントリー調で軽快に歌う1stヴァイオリンが素敵!テンポ良く、スピード感と抑揚がある流れ、タンタンタンタン♪やダダダダダ……♪といったベースとなるリズムは、まさに鉄道が走っているようでした。途中停車駅(?)では、ゆったりになるのも楽しい。また、1stヴァイオリンのメロディをヴィオラが引き継いだり、ヴィオラメインで歌うところがあったりと、ヴィオラ大活躍だったのも印象深かったです。弦楽アンサンブルの厚みある響きから、あふれる鉄道愛!超素敵!
ここで岩野さん、秋山さん、ゲストの市川紗椰さん(青いワンピース姿)によるトークが入りました。鉄道マニアな皆様、全員が「乗り鉄」「呑み鉄(!鉄道のことを熱く語り合いながらお酒を飲むらしいです……)」でありながらも、市川さんは「音鉄」で秋山さんは「模型鉄」と、それぞれにこだわりをお持ちのようでした。市川さんがMCをされているNHK-FM「かけるクラシック」(もうお一方のMCは、前回の鉄道名曲シリーズにご出演されたサクソフォン奏者・上野耕平さん)で、鉄道特集をした際のゲストが秋山さんだったそうです。今回の朗読に市川さんをお招きしたのは、秋山さんが希望されたとのこと。それは市川さんが鉄道に詳しくなければわからない事(具体的な説明があったのですが、かなりマニアックな内容で、ごめんなさい私ついて行けませんでした・笑)をよくご存じで、市川さんなら鉄道の会にふさわしいと秋山さんが確信されたからだそうです。それでも先ほど演奏したドヴォルジャークには「降参(!)」。また、直接的に電車の音を表現した曲は意外に少なく、それを実際に行っている意味でもドヴォルジャークは偉大だそうです。次に演奏するブリテン「夜行郵便列車」について、「詩の朗読付き、記録映画のために書かれた曲」と岩野さんから紹介。ブリテンはイギリスを代表する作曲家で、この作品が取り上げられるのはめずらしいとのことです。また当時の夜行郵便列車の内部では仕分け作業が行われていたそう。リハーサルで耳にしたベイビーブーのメンバーが「まるでラップ!」と仰ったそうで、鉄道のリズムに韻を踏んだ歌詞が乗る、と解説がありました。
ブリテン(詞:W.H.オーデン)の「夜行郵便列車」。編成は弦(4-2-5-4-3)、フルート1、オーボエ1、ファゴット1、トランペット1、ハープ1、そして多彩な打楽器でした。英語の歌詞は市川さんが朗読。また英語歌詞と対訳が書かれた用紙がプログラムと一緒に事前配布されました。こちらの演奏、とても面白かったです!オケの演奏は、ウィンド・マシンによる風の音(私は初めて聴きました!)、トランペットのパパパー♪(汽笛?)、小太鼓大太鼓のドンドンするリズム等、列車が走り風景が流れているようで、時折入る美しいハープが場面転換をしているようでした。そこに重なる英語歌詞の朗読がすごかったです。オケに乗りながらも、歌うのではなく語るように早口で(歌詞がたっぷりありました!)、はっきりとした発音で韻を踏みながら英語の歌詞がよどみなく流れてくる。すごい!こんな音楽、初めて!映画の映像と一緒に聴いてみたくなりました。
朗読を終えたばかりの市川さんは「あまりの美しさ……オケを特等席で鑑賞できてうれしい」といった趣旨のことを仰っていました。「ブリテンが若い頃の作品、すごい才能ですよね」と岩野さん。そして最後の演目についての解説になりました。このR.シュトラウスの作品を取り上げたのは、メロディに「フニクリ・フニクラ」が使われているから、とのこと。R.シュトラウスは旅行中に耳にしたメロディを民謡だと思って採用。ところが実際は6年前に作曲されたばかりの「フニクリ・フニクラ」で、作曲家から猛抗議を受け裁判沙汰になり、結局演奏する度に使用料を支払うことで着地したそうです。そんなトンデモエピソード紹介に、会場が少しざわつきました。(余談ですが、もし「フニクリ・フニクラ」が現代日本で「鬼のパンツ」に替え歌されていると知ったら、作曲家のデンツァさんは大泣きするかも……!?)。「秋山さんはこの曲を得意としています」「札響の皆さんも全力で演奏します」と、岩野さんが思いっきり期待値(オケにとってはプレッシャー!?)をあげて、いよいよ演奏です。
オケは再び最初と同じ大編成になり、チューニングが入って、演奏へ。プログラム最後の演目は、R.シュトラウスの交響的幻想曲「イタリアから」第4楽章「ナポリ人の生活」。シンバルがジャーン!と鳴る出だしから大迫力!リズミカルでウキウキな音楽は、タンバリンが存在感抜群♪早速「フニクリ・フニクラ」のメロディが登場。以降もドストレートに何度もたっぷり使われていて、これは一発でわかるなと思いました。使用料払う事になったわけですし、ガンガン活用していきましょう♪全員合奏の盛り上がりが頂点に達する時の、コンマスによる消えゆく超高音が素敵!幸せな木管たちの歌、合間に入るハープが美しい!風光明媚な場所を観光列車で走っている気分になりました。金管や打楽器の華々しさ、ホルンの温かさ壮大さ!ホルンがすごく良い仕事しているなと個人的には感じました。休符がビシッと揃うのが気持ちイイ!思いっきり明るく躍動感ある音楽の、キレッキレな演奏。大編成の迫力!壮大な世界が爽快!指揮・秋山さん&札響の演奏で、次は全楽章を聴きたいです!
指揮の秋山さんが舞台へ戻って来てくださり、そのままアンコールの演奏へ。オケによる華やかな前奏、ああこの曲は!タケカワユキヒデ「銀河鉄道999」。イントロと同時にベイビーブーの皆様が登場し、歌が始まりました。また朗読の市川紗椰さんと構成の岩野裕一さんも舞台へ。ベイビーブーの力強い歌唱にパワフルなオケ。客席も手拍子で参加し、会場全体が気分アゲアゲの盛り上がりとなりました。一部分ではオケが音量を絞って、歌に聴き手の気持ちを集中させたメリハリある演出がニクイ!気分爽快な大団円でした!
カーテンコールでは、出演者の皆様が何度も舞台へ戻ってきてくださいました。岩野さんから「特急札響号が駅へ到着しました。またのお越しをお待ちしております」との締めのごあいさつで、会はお開きに。鉄道名曲シリーズ、今回もたのしかったです!第3弾もお待ちしています!
本シーズン(2024年度)の名曲シリーズ、前回は王道の「ドイツ三大B」でした。「札幌交響楽団 森の響フレンド名曲コンサート~わたしの3大B:広上淳一篇」(2024/06/8)。マエストロ広上こだわりの選曲に、協奏曲のソリストは小山実稚恵さん!バッハの普遍性、ベートーヴェンの天才性。そしてブラームスのピアノ協奏曲第1番は、若きパッションあふれかつ緻密な演奏そのものに、作曲家自身の熱い思いに、胸打たれ感激に震えました!
2021年の鉄道名曲シリーズ第1弾のレポートです。「札響名曲シリーズ 森の響フレンド名曲コンサート~オーケストラで出発進行!」(2021/09/25)。酒井格「シーサス・クロッシング~サクソフォンとオーケストラのための」の新作初演を含む、鉄道にまつわる曲の数々で鉄分をたっぷり補給♪演奏の合間の鉄道愛あふれるトークも楽しかったです。
指揮者・秋山和慶さんの回想録を読んだ感想文も弊ブログにUPしています。「『ところで、きょう指揮したのは? 秋山和慶回想録』 秋山和慶(著) 冨沢佐一 (著) 読みました」。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。