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2024年度最初の札響名曲シリーズは、札響友情指揮者・広上淳一さんによる「ドイツ3大B」です。マエストロ広上こだわりの選曲に、協奏曲のソリストには広上さんが篤い信頼を寄せるピアニストの小山実稚恵さんをお招きした、豪華な企画!札幌市民の期待は大きく、会場はほぼ満席でした。
札幌交響楽団 森の響フレンド名曲コンサート~わたしの3大B:広上淳一篇
2024年06月08日(土)14:00~ 札幌コンサートホールKitara 大ホール
【指揮】
広上 淳一(札響友情指揮者)
【ピアノ】
小山 実稚恵
【曲目】
J.S.バッハ:管弦組曲第3番
ベートーヴェン:交響曲第1番
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
(ソリストアンコール)
ブラームス:4手のためのワルツ集 作品39 より 第2番、第15番(ピアノ連弾:小山実稚恵、広上淳一)
バッハ、ベートーヴェン、ブラームス。豪華なステーキ3枚(!)を一度に堪能でき、大満足です!全部がメインディッシュとはいえ、味わいも個性も異なりすべてが美味しく、いくらでも頂けちゃいそう!この「ドイツ3大B」という、なんとも贅沢な企画は今後も末永く続いてほしいです。ブラームスの4つの交響曲と4つの協奏曲、それぞれを大巨匠のバッハとベートーヴェンとセットで聴きたい!大曲を3つも取り上げる演奏会はかなり大変だと拝察しますが、ぜひ続けられる範囲で(無理を言っているのは重々承知の上で!)お願いいたします。
300年以上前に生まれた作品が今なお燦然と輝く、バッハの普遍性。意欲作である1番目の交響曲からアイデンティティ確立している、ベートーヴェンの天才性。バッハとベートーヴェンはやはり偉大だと、私は改めてそう思いました。そんな大巨匠たちの作品と同列に並べられるなんて、若き日のブラームスは恐縮してしまいそうです。実際、早い段階でベートーヴェンの後継者と目されてしまい、大変な重圧がある中での音楽家人生のスタートでした。身の回りでも、恩人ロベルトの入院から死、クララへの思い、両親の不仲、アガーテとの結婚を前提とした付き合いなど、ブラームスが20代前半の頃は重い出来事が多すぎて、並の人物であれば潰れてしまいそう。そんな若き日のブラームスが大難産の末に生み出したピアノ協奏曲第1番。個人的な強すぎる思い入れを大幅に差し引いても、熱量も作品の作り自体も半端なくすごい作品だと、今回改めてそう感じました。まずはピアノの良さ!勢いと力強さがあるピアノは若きパッションあふれ、重厚なオケと対等に渡り合っていました。細やかで繊細な表現からは作曲家の複雑な内面がうかがえ、祈りのような独奏は崇高で美しい!オケと重なり合って、オケを支える側になった時の仕事ぶりも素晴らしかったです。また管弦楽の厚みもすごい!優劣では無いのですが、例えば高音のメロディに対する低音のがっちりした土台、鼓舞したり祝福したりと表情豊かなティンパニ等は、大巨匠たちに引けを取らない立派なものだと私は思いました。細かなところに目を向けると、各管楽器のソロ演奏のみならず、ヴィオラが忙しく弓を動かして内声を細やかに作っていたり、2ndヴァイオリンのみで囁くように歌うシーンがあったり、1stヴァイオリンのお2人のみ(コンマスとアシスタント・コンマス)でピアノ独奏に寄り添うシーンがあったりと、細部にわたりきっちり作られていると実感。そんな一つ一つの積み重ねが、単純には割り切れない様々な思いを地続きにして、音楽の厚みや深さになっているのですね!私は今回、若きパッションあふれかつ緻密な演奏そのものに、そこからヒシヒシと伝わってくる作曲家自身の熱い思いに、胸打たれ感激に震えました!史実としてライプツィヒ初演で聴衆にヤジられ批評家からも酷評された作品。しかしそんなことは今更どうでもいいと思えるほど、ブラームスのピアノ協奏曲第1番は紛れもなく名作であり、不滅の音楽です!この日の演奏に出会えた私は、はっきりとそう言えます。今回の素晴らしい演奏と客席の拍手喝采を、天にいるブラームスご本人にもぜひ聴いて頂きたいです!
今回のオケ編成は、最初から最後まで14型の大所帯!しかし最初から最後まで音量をきっちりコントロールしていて、特に室内オケ向きと思われるバッハもバランス良く、交響曲的なブラームスの協奏曲では分厚い響きを聴かせてくださいました。指揮の広上さんは、札幌での主催公演から道内各地での地方公演まで数多の札響の公演を指揮してくださっています。その積み重ねが団員さん達との強い信頼関係となって実を結んでいると、私は演奏を拝聴してそう感じました。そして、何と言っても音がキレイ!クラシック音楽の王道とも言えるドイツ3大Bを、kitaraにて札響の美しい響きで聴けたのはとてもうれしかったです。この日の2週間前に聴いた現代音楽での個性的な音もさすがでしたが、それはやはり王道を極めているからこそ可能な「型破り」なのだと私は思います。王道をこれだけ美味しく料理できる札響。次はどんな味わいの音楽を聴かせてくださるのか、私は今からドキドキワクワクです。定番料理でも闇鍋でも、何でもどんと来い!きっとこの次の演奏会も素晴らしい出会いとなりますように。
開演15分前からのプレトーク。先々月(2024年4月)のhitaru定期と同じく、作曲家の八木幸三さんが進行役を務めてくださいました。今回の広上さんは黄色いTシャツ姿(もちろん本番では正装でしたよ)。はじめにおことわりですが、開演前のこの時間、客席にはバタバタとお客さん達が入ってきて騒々しく、トークがちょっと聞き取りにくかったです。したがいトーク内容については、私が聞き取れた範囲でのレポートとなります。ご了承くださいませ。今回はほぼ満席(=お客さんが多い)公演で、入場の行列がなかなか前へ進まず、プレトーク開始時までに着席が間に合わなかった人が多数(トーク開始の時点で全体の半数もいなかったと思います)。これはもったいないです!多くのお客さん達がプレトークを落ち着いて聞けるように、開場時間を少し早める等の対応があるとよかったかもしれません。ご参考までに。トークは主に今回取り上げる3つの演目についてのお話しでした。最初はJ.S.バッハ「管弦組曲第3番」について。広上さんは「『G線上のアリア』(ウィルヘルミがヴァイオリンのために編曲)で有名なエールがあるのが魅力」、八木さんは「華やかで、ヘンデルの雰囲気もある」と仰っていました。ヘンデル(日本では「音楽の母」と呼ばれることも)の名前が出たからでしょうか?広上さんは、「バッハはまさに『音楽の父』ですよね」と仰って、「祈り」というワードも出ました。続いて、ベートーヴェン「交響曲第1番」について。演奏機会が少ない演目。難聴が深刻ではない頃に書かれた作品で明るく、また当時としては革命的な事が特徴だそうです。各楽章についての解説もありました(残念ながらこの時うまく聞き取れず……)。最後は、ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」について。ここでソリストの小山実稚恵さん(白いブラウスと黒いタイトスカートの装い)も舞台へ登場して、トークに参加くださいました。「大作ですけど、演奏する思いは?」との八木さんの問いに、小山さんは「(ロベルト・シューマンやクララに対しての思い等)若い頃のブラームスの思いが込められた作品。ブラームスのすべてを生かしたい」といった趣旨の事を仰っていました。広上さんは、この作品が成立した経緯(2台ピアノ→交響曲→最終的にピアノ協奏曲)に触れ、「交響曲にピアノが融合した作品」と解説。壮大なオケから、ピアノが入ってくるとクララへの思いやロベルトへの敬意等の様々な思いがせめぎ合う、といった事も仰っていました。また、3つの楽章それぞれが完結しているので、それぞれ独立した3曲として聴く楽しみ方もあるそうです。トークは大まかに以上のような内容でした。
前半1曲目は、J.S.バッハ「管弦組曲第3番」。弦は14-12-10-8-6、なんと14型の大所帯!以降も弦の人数は固定でした。弦以外は、指揮台の正面にチェンバロ(演奏は、第24代札幌コンサートホール専属オルガニストのウィリアム・フィールディングさん!)、オーボエ2、トランペット3、ティンパニの編成でした。序曲 華やかな高音弦と支える低弦のベースが、互いに高め合う良さ!明るいトランペットの柔らかで温かな響きが素敵!ダダダダ……と連打するティンパニは、主張しすぎないのに明るい気持ちを高揚させてくれました。バロック期の音楽「らしさ」が感じられる、弦の音の揺らぎやチェンバロが心地よい!きちんとお作法に則った音楽でも堅苦しくはなく、温かみや幸福感があふれているとも感じました。この華やかさと明るさに、ヘンデル「水上の音楽」を連想したのは私だけではないはず。エール(「G線上のアリア」) 弦とチェンバロのみでの演奏。ゆりかごのように包み込んでくれるチェンバロの心地よい響きに乗って、弦がゆったり歌うのがなんとも美しい!メロディを歌うヴァイオリンも、それと絡み合う他の弦も、どちらも素敵すぎ!天国的で崇高な美しさに、私は心洗われました。ガヴォット1・2 華やかなトランペットと鼓舞するティンパニ。まるで祝祭の音楽のよう!中間部では、低音と高音が密接に絡みながらダンスしているような、楽しさとリズムも素敵でした。ブレー こちらの舞曲のリズムはさらにウキウキする感じで、ここでもトランペットとティンパニが印象深かったです。ジーグ さらに明るく輝かしく、華やかなトランペットは英雄の凱旋を讃えているよう!私はなぜか表彰式の定番曲であるヘンデル「見よ、勇者は帰る」を連想しました(メロディはまったく似ていないにもかかわらず)。また賑やか一辺倒ではなく、弦のみになるところで音量をぐっと絞って囁くように演奏したシーンもあって、メリハリと変化のある演奏でした。「G線上のアリア」以外は、今回初めて聴いた私。現代人の私達が聴いても「古さ」は微塵も感じられない、明るく輝かしい音楽に、気持ちが晴れやかになりました!まさに普遍的な「クラシック音楽」ですね!
2曲目は、ベートーヴェン「交響曲第1番」。管はすべて2管(金管はホルンとトランペット)、ティンパニ、そして弦の編成でした。第1楽章 はじめのゆったりした木管群が幸せな感じ!同時に、私のイメージするベートーヴェンよりも大人しい?とも感じました。しかしすぐにジャーン!とパワフルな全員合奏が来て、「らしさ」に一安心。タッタッタッ♪と初めの方にアクセントが来るリズム、弦の音階駆け上りの力強さ等、明るく生命力ある音楽に気持ちが上がりました。また管が主役の時に弦がぐっと音量を絞ったのと、小刻みに弓を動かす(トレモロ?)音がさざ波から大波になって迫り来るのが印象深かったです。クライマックスの全員合奏は金管&ティンパニが華やかで、ラストのパワフルなジャン!ジャンジャンジャン!が気持ちイイ!そして、とてもベートーヴェンだと感じました。第2楽章 2ndヴァイオリンのみで囁くように始まったのに「お?」となりました。タンタンタン♪の規則正しいリズムをベースに、ゆったりと美しい音楽。kitaraに響く弱音がキレイ!この楽章には、私はモーツァルトっぽさを感じました。しかし時折パワフルなところが登場するのは、やはりベートーヴェンだなとも。第3楽章 「メヌエット」と銘打ってはいても、快活なダンスでした!明るく、リズムが楽しい、生き生きとした音楽!ティンパニの勇ましいダダン♪に、私はベト7を思い起こしました。第4楽章 ジャーン!の全員合奏でガツンと開始。続いた1stヴァイオリンのピアニッシシシ……モによる演奏に引き込まれました。ここまで音量絞ってもキレイに響くのは、団員さん達のお力とkitaraの音響の良さによるものですね!他のパートが参戦しての明るく力強い盛り上がりは気分爽快!ティンパニの堂々たる響き!また、低弦がメロディを奏でたところがあったのが印象的でした。各パートが次々と音階駆け上り、気分アゲアゲな感じに聴く方のテンションもぐんぐんアップ。ダン!ダン!ダン!ダン!の締めくくりは自信に満ちあふれているよう!個人的には「お初」だったベートーヴェンの交響曲第1番。この頃から既にベートーヴェンはベートーヴェンで、後の作品で開花する小さな芽吹きがたくさんあると感じられて、とても楽しく聴くことが出来ました。
後半は、ソリストの小山実稚恵さん(衣装は左右で色の濃さが異なる紫色のドレス)をお迎えして、ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」。各木管とトランペットは2管ずつ、ホルンは4、ティンパニ、そして弦の編成でした。第1楽章 重厚&シャープなオケの序奏に、私は思わず身震い。この感じ、待ってました!鼓舞するようなティンパニ連打にゾクゾク。頼りにしています!高音弦を追いかける低弦、少しトーンダウンした時の低音のうごめき等、ザ・ブラームスなオケに最初からのめり込みました。次第にオケが静まってから、満を持してピアノ登場。そっと入った最初の1音の繊細さに震えました……。実は繊細な、若き日のブラームスの内面を見るようで、私はこの時点で早くも泣きそうに。はじめは(演出として)ためらいがちに前進しながら、次第に力強く。ピアノの華やかな音階駆け上りに、合流したオケの壮大さに、私は胃がキリキリ。ピアノが静かに語らうところは繊細さと孤独さがうかがえて、そっと寄り添うオケの低弦ベースや温かな木管群の優しさが心に染み入りました。ピアノ独奏では、低音の力強さが一歩一歩着実に歩みを進めているよう。ピアノが沈黙してからの木管群の澄んだ美しさ!この透明感が、ピアノと弦が一体となって奏でるシーンに引き継がれ、ホルンの温かさに繋がって、という堅牢な作曲と丁寧で着実な演奏に、私は静かに感激していました。この積み重ねがあってからの、パッションあふれるピアノの強奏と重厚オケとの協奏が超カッコ良くて痺れる!木管群と弦ピッチカートが合いの手を入れる、ピアノのキラキラした音は、真剣さの中でのオアシスで心和みました。ピアノとオケが一緒になって波を作りながらガツンと盛り上げる流れも、再び繊細になっていく流れも、どちらも紛れもなくブラームスそのもの!細部までしっかり表現された演奏から、相反する性質も矛盾無く同居して地続きと感じられました。ピアノ独奏からの流れは、最初のものより自信に満ちた堂々たるものに変化。私は胸が熱くなりました。クライマックスでの、ピアノのアクセントに合わせてオケが拍を打つのは胸の鼓動のよう。楽章締めくくりでの、ドラマチックなピアノと、同じメロディで支えるオケの協演が超素敵!重厚なラストに震える!私は心の中で拍手喝采でした。第2楽章 ゆったりと壮大なオケ!繊細で美しいピアノ!ピアノは悲しみを内に秘め、対話するオケは大きな愛で包み込んでくれていると感じ、ジーンときました。祈りのようなピアノ独奏は切なく美しく、もの悲しい木管、弦が音階を上って感極まるところへの一連の流れが素敵すぎて!各木管が温かく歌うところで、ピアノは伴奏になって寄り添ったのがまた素敵!この優しさ、あふれる愛に、涙が出ます。壮大で美しいオケの下で、音階をダイナミックに上下するピアノは神々しく感じました。オケが優しくフェードアウト。そのまま続けて第3楽章へ。 躍動感あるピアノの色気!超素敵!右手と左手の対比がブラームスらしくて、引き継いだオケも高音域と低音域で鏡映しになっているのが好き。ぐいぐい来る演奏にゾクゾクしました。前のめりなピアノは内なる思いを隠しきれない感じ。胸の鼓動のようにチェロがピッチカートするのがニクイ!ホルンの咆哮からダイナミックに音階駆け下りるピアノのパッション!オケは深刻で力強い感じから、ヴァイオリンの美メロ(きれい!)を境に希望の光が見えるように変化。高音のピアノのトリルが素敵!楽章始まりと似たところでは、前回よりピアノもオケも厚みが増したと感じました。ホルンはじめ管楽器の幸せな響きに、ごく小さな音を連打して祝福するように寄り添うティンパニ、そして優美なピアノに、ついにここまで来たと私は感慨深く泣きそうに。明るく生き生きとしたオケ、ピアノの輝かしさ!ピアノが思いっきり輝かしく強奏し、ラストはオケによる堂々たる締めくくり。若き日のブラームスさん、よくぞ重圧に耐えて思い切った大作を生み出してくださいました。バッハ、ベートーヴェンと肩を並べる3番目のBとして、ご自分を誇ってください!ああ推しが尊い!愛する札響による大熱演を通じて、若き日のブラームスに会え、感激に震えるなんて、こんなにうれしい事はありません。こんな喜びがあるのなら、私、しんどくてももう少し生きていようと思えます!
カーテンコール。広上さんがマイクを持ち、ごあいさつとトークがありました。はじめに来場者へのお礼を述べられ、盛りだくさんだった今回の演奏会を「ステーキ3枚分(!)」と例えられました。広上さんはご自分のお腹をさすって「ブラームスみたいになってきた」。会場が和みました。その流れで、あごひげを生やしていることについてのお話しに。広上さんは、お正月の能登半島地震からずっとヒゲを伸ばしているのだそうです。広上さんがアーティスティック・リーダーをされているアンサンブル金沢をはじめ、被災した皆様のことを思い、とても心を痛めていらっしゃる事がお話しぶりから伝わってきました。何か自分たちに出来る事は?と常に考え、いまだ復興は道半ばの状況ではあっても、広上さんはこの6月に北陸で演奏会を開催することを決めたのだそう(会場に大きな拍手が起きました)。札響は世界レベルのオケになっていると仰って、「北の大地は札響が守ります。被災地とアンサンブル金沢にもどうか温かい支援を!」と、会場のお客さん達へ切々と訴えかけられました。
そしてソリストの小山実稚恵さんを改めてご紹介。広上さんと小山さんは同世代で、小山さんが2つの国際コンクールに入賞した頃からのお付き合いだそうです。ソリストアンコールは、ブラームス「4手のためのワルツ集 作品39 より 第2番、第15番」。なんとソリストの小山実稚恵さんと指揮の広上淳一さんによるピアノ連弾で!すんごいサプライズ!演奏前にマエストロは「右手の方(小山さんが担当された主旋律の方)を聴いて!」と、とても謙遜されていました。可愛らしく美しい作品たちを、可憐に愛らしく心を込めてお2人で演奏。お2人のとても親密な様子は、クララとブラームスが仲良く連弾しているよう!骨太な協奏曲の後に聴いた、可愛らしいピアノ曲に、私は癒やされました。骨太と可愛らしさ、どちらもブラームスらしい!ああ私はブラームスを丸ごと愛しい!全部メインディッシュの盛りだくさんなプログラムを大熱演で聴かせてくださった上で、最後にサプライズなデザート(ソリストアンコール)までご用意くださるなんて、もう感激で泣いてしまいます。ありがとうございます!
終演後のロビーでは、ソリストの小山実稚恵さんのCD販売&サイン会(長蛇の列!)と、マエストロ広上と札響団員さん達による能登半島地震・被災地支援の呼びかけがありました。今回私はサイン会の列に並ぶのは遠慮して(次の機会には必ず!)、募金箱に心ばかりの寄附。少しだけ広上さんとお話しすることができました。随分前の演奏会の事も覚えていらっしゃるとは驚き&感激です!札響の事を大切に思ってくださっているからこそですね。本当にありがとうございます!札響友情指揮者・広上淳一さん、多方面に引っ張りだこで超ご多忙とは存じますが、引き続き札響の事もよろしくお願いいたします。
この日の2週間前に聴いた札響定期公演です。「札幌交響楽団 第661回定期演奏会」(2024/05/25、26)。札響と縁ある武満徹の作品2つに引き込まれ、凄まじさに翻弄された「ノモス・ガンマ」。無数の星たちが互いに高め合う「ボレロ」に感激!指揮者の井上道義さんによるラスト定期は、生涯忘れることはない特別な体験となりました。
昨年度の「3大B」です。「森の響フレンド 札響名曲コンサート~ポンマーの贈り物 ドイツ3大B」(2023/08/26)。職人技のバッハ、新たな魅力を知ることができたベートーヴェン、重厚なブラームス。すべてが美味しい「親子丼、天丼、カツ丼」を一度に堪能でき大満足!元首席指揮者・ポンマーさんによる快演を気持ち良く聴くことが出来ました。
過去の読書感想文から2つご紹介。音楽学者・西原稔先生による2つの著書から、ブラームス20代の作品「ピアノ協奏曲第1番」が大難産だったことや、作曲時期が近い「ドイツ・レクイエム」との関連について知ることが出来ました。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。