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札幌にて、「日本チェロ界の至宝」堀了介さんと、その門下生4名によるチェロアンサンブルの演奏会が開催されました。門下生4名のうち3名は札響のチェロメンバーで、お一方は堀了介さんのお嬢さんの堀沙也香さん。またピアノはおなじみの大平由美子さんです。なお、チケットは全席完売(全221席)したとのことです。
日本チェロ界の至宝 堀了介氏を迎えて
2025年01月31日(日)19:00~ ふきのとうホール
【演奏】
堀 了介(チェロ) ※東京音楽大学名誉教授
石川 祐支(チェロ) ※札幌交響楽団首席チェロ奏者
堀 沙也香(チェロ) ※東京チェロアンサンブルメンバー
猿渡 輔(チェロ) ※札幌交響楽団副首席チェロ奏者
横山 桂(チェロ) ※札幌交響楽団チェロ奏者
大平 由美子(ピアノ)
【曲目】
フンバーディング:ヘンゼルとグレーテル序曲
ハイドン:ディベルティメント
山田耕筰:からたちの花
メンデルスゾーン:歌の翼に
シューベルト:アヴェ・マリア
カッチーニ:アヴェ・マリア
ポッパー:レクイエム
フンク:組曲
ヨンゲン:4本のチェロのための2つの小品
ドヴォルザーク:森の静けさ
(アンコール)
カタルーニャ民謡(P.カザルス編):鳥の歌
エルガー:愛のあいさつ
最高に楽しく幸せな、夢のような夜でした。お一人お一人がとても魅力的な音をお持ちの上で、重なり合うとさらに豊潤な響きになる贅沢!チェロ好きを自認する私でも、まだまだ知らなかったチェロの魅力が満載!シーン毎に新鮮な驚きが待っていて、心揺さぶられたりジーンと胸が熱くなったり。演奏会でこんなにも夢中になれて心から楽しめるなんて、そうそう無いです。また個性が激しくぶつかり合うのではなく、互いに思いやり溶け合うのが素敵!「一緒に音楽する仲間たちへの信頼」と「音楽そのものへの愛情」が演奏から伝わってきて、とても温かで幸せな気持ちになれました。きっと堀了介さんの音楽(と人)へのひたむきな思いと愛情が、門下生たちにも受け継がれているからだと拝察します。今回のメンバーをはじめ何名もの素晴らしいチェリストを育成されてきた、堀了介さんに敬意を表します。
またバラエティに富んだ演目を通じて、チェロアンサンブルの奥深さを知ることができました。基本のチェロ四重奏のみならず、様々な編成での演奏を聴けて、それぞれの味わいを楽しめたのがうれしかったです。個人的にとても面白いなと感じたのは、「診察スタイル」での歌曲4つ。門下生お一人お一人の個性と、愛情たっぷりに絡む先生の懐の深さ、両方を楽しめる「一粒で二度美味しい」企画でした。第2回目以降の演奏会でもぜひ!そして、やはり堀了介さんがソロを担当し門下生が合奏した2曲の良さを特筆したいです。堀了介さんの貫禄と風格、艶やかで魅力的な音色、何より心に訴えかけてくる説得力ある音楽!アンサンブルで支えた門下生の皆様にとって、堀了介さんはこれから先もずっと目標であり続ける先生でいらっしゃるのでは?もちろん4名の門下生の皆様もまた、先生が誇れる弟子なのだと私は思います。地元の札響には、首席・副首席を含め、堀了介さんの門下生がなんと3名も在籍。本当に恵まれていると、私はしみじみ実感しました。今回のメンバーによるアンサンブルを、私はもっともっと聴きたいです!堀了介さんとお嬢さんの堀沙也香さん、きっとまた札幌にいらしてくださいませ。
開演前に、石川さんからごあいさつとトークがありました。はじめは来場したお客さん達へのお礼と時候のあいさつから。札響には堀了介さんの門下生が偶然にも3名在籍しており、今回札幌にて同門でのチェロアンサンブルの演奏会を開催する運びとなったのだそうです。ピアノは、石川さんの演奏会ではおなじみの大平由美子さん。石川さんは、大学時代に堀了介さんに指導頂いたとのこと。チェロの事のみならず、音楽家としての生き方を学び、「今の自分がいるのは先生のおかげ」と仰っていました。今回、堀了介さんは本番の5日も前から札幌入りしており、今回のメンバーで5日間みっちり練習。「懐かしい気持ち」になったそうですよ。また大学時代の先生の指導は厳しく、「先生のご自宅へうかがって、インターフォンを押す度に緊張した」というエピソード紹介もありました。そんな先生を舞台へお呼びして、ここからは堀了介さんとお2人によるトークに。お2人のやり取りを拝見していると、師弟が信頼関係で結ばれているのが伝わってきました。齋藤秀雄さん(指揮者としても有名ですね)の弟子だった堀了介さんは、齋藤さんが遅刻に厳しい方だったので、おのずとご自身も遅刻に関しては厳しく言うようになったそうです。チェロ自体に関しては、石川さんよりはむしろ猿渡さんや横山さんに厳しく言ったかもしれない、といった事を仰っていました。そんな感じで和気あいあいとしたトークは終了。「最後までお楽しみください」とのシメのごあいさつで、プレトークは終了となりました。
出演者の皆様が舞台へ。男性陣はダークスーツに白シャツとネクタイ(柄は自由)、堀沙也香さんは上下黒色のノースリーブブラウス&フレアパンツの装いでした。舞台向かって左側から1st奏者→2nd奏者……という並びで、1stが主役のメロディを担当して、内側の奏者が内声を作り、右端の奏者が低音で支えるのが基本スタイルです。ただ弦楽四重奏のようにガッチリ役割分担しているわけではなく、同族アンサンブルの役割分担はフレキシブル(どの奏者もメインにもサブにもなる)。以下レポートでは、演目毎に、奏者の並び順についても敬称略にて記載いたします。万一誤りがある場合は、おそれいれますがどなた様でも指摘願います。
前半1曲目は、フンバーディング「ヘンゼルとグレーテル序曲」。チェロ五重奏による演奏です(石川→堀沙也香→横山→猿渡→堀了介)。冒頭はゆったりと、重なり合うチェロの響きがなんて温かで優しいこと!堀了介さんの低音には、夕暮れ時の色合いを感じました。石川さんのソロは優しく美しく歌い、これから始まる物語の世界に誘ってくれているよう。中盤はスキップする感じに。「魔法使いの呪文」を思わせるソロを順番にリレーしていくのが華やか!明るく楽しい音楽に気持ちがウキウキしました。終盤は再びはじめの「夕暮れ時」のような落ち着きある雰囲気に。ゆったりフェードアウトするラスト、石川さんのピッチカートがギターのように弦を順に鳴らした後に重低音の1音。余韻まで温かい!堀了介さん一門の素敵な関係性がうかがえる、ごあいさつの1曲目にほっこりしました。
ハイドン「ディベルティメント」。チェロ三重奏です(石川→横山→猿渡)。私は以前、札響定期のロビーコンサートにてダイジェスト版を聴いたことがあり(札幌交響楽団 第660回定期演奏会・土曜夕公演は2024/04/20、ロビコンには石川さんと横山さんがご出演)、今回ようやくフルで聴くことができました!全4楽章、緩→急→緩→急の構成。第1楽章 1つのチェロの1音にあと2つのチェロが穏やかに呼応したり、品良くステップするようだったり、優美な流れと心地よい鼓動に浸れる幸せ!締めくくりでの、石川さんの低音ピッチカートが印象的でした。第2楽章 明るく快活に駆け抜ける音楽が楽しい!各フレーズで横山さんがほんの少し早く始まってリードし、そこにあと2つのチェロが乗る感じ(違っていましたら申し訳ありません)。力強く踏み込むところも、少し物憂げな表情を垣間見せるところも、気持ちが途切れない、よどみない流れが良かったです。第3楽章 鳥のさえずりを思わせる音色にて、細やかに強弱を変化させながらゆったりと呼応し合うチェロ。なんて美しい響き!叶うことならこの「鳥のさえずり」をずっと聴いていたいと思ったほどでした。中間部の舞曲風(メヌエット?)でのやり取りと流れは自然体で、とてもエレガント!第4楽章 エネルギッシュで勢いある演奏がカッコイイ!メロディを追いかけっこしたり、華やかな高音メロディと低音ベースに分業したり、次々と表情が変化。そのどのシーンにおいても、自信に満ちあふれた音、堂々たる風格の演奏で、ホレボレしました。比較的おとなしい古典作品にて、こんなにも輝けるチェロをたっぷりと味わえるなんて感激です!このお三方、なんと全員が地元のオケ・札響のチェロパートに所属しているのですよ。私、札幌市民でよかった!
ピアニストの大平由美子さん(白いドレス姿でした)が登場し、ここからは歌曲を4つ。ピアノと堀了介さんは固定で、門下生が1名ずつ交代で参加する、ピアノ&チェロ二重奏による演奏でした。それぞれの個性と、即興的なアンサンブルの良さを味わえて、すごく面白かったです!主役のメロディは主にお弟子さんが弾き、先生は自然にハモったり時にメロディを演奏したり。お弟子さんが次々と入れ替わるスタイルを、先生の堀了介さんが「お医者さんみたい」と仰って、場が和みました。お弟子さんと先生はお互いに合わせながらも伸び伸びと演奏し、アイコンタクトしながらスマイルを交わす、とても良い雰囲気!また、演奏後は師弟ががっちり握手し合っていました。
山田耕筰「からたちの花」、横山桂さん。ピアノの前奏の愛らしさ!横山さんのチェロがゆったり優しく歌い、堀了介さんのピッチカートがポンと優しく1音入ったのが、とても良い塩梅でした。中盤、横山さんのチェロが音階を駆け上り、穏やかな曲をさりげなく華やかに彩り。そして堀了介さんのチェロが歌うターンになった時、堀了介さんのチェロが音階を駆け上って高音域でトリル!このトリルの儚げな美しさがとても印象に残っています。
メンデルスゾーン「歌の翼に」、猿渡輔さん。優しいピアノによる音の波が心地よく、その波長に乗って美メロをゆったり歌う猿渡さんのチェロ。歌い手が声の強弱や抑揚を変化させるのと同じように、歌うチェロも滑らかな流れの中で細やかに変化をつけていたのがとても素敵でした。堀了介さんのチェロが主旋律を引き受けると、猿渡さんのチェロは高音域で寄り添い、その重なりがとても美しく愛あふれる感じ!ピッチカートによる締めくくりが愛らしい!
シューベルト「アヴェ・マリア」、堀沙也香さん。ゆりかごを思わせるピアノに乗って、ゆったり歌う堀沙也香さんのチェロ。美しくピュアな歌に、思わず感嘆の溜息です。二重唱のように重なった堀了介さんのチェロ。ぴたっと寄り添い重なり合う響きの豊かさ!幾重にも重なる優しさに癒やされました。なお配布されたプログラムのプロフィールによると、シューベルト「アヴェ・マリア」は堀沙也香さんと堀了介さんの親子デュオによるCDにも収録されているようです。お2人にとって大切な曲の、真摯で愛あふれる演奏に感激です!
カッチーニ「アヴェ・マリア」、石川祐支さん。石川さんの十八番、待ってました!私は以前、石川さんのチェロ&ピアノ伴奏にて聴いた事があり、安心してゆったり構えていました。はじまりはピアノから……と思いきや、なんと石川さんが思いっきり情熱的にチェロをかき鳴らし、重なった堀了介さんのチェロも負けじと鳴らす。その応酬がすごいことすごいこと……いきなりのドラマチックな幕開けは、私にとっては不意打ちで、度肝を抜かれました!衝撃のチェロ二重奏の後、しばしの沈黙。呆然となった聴き手に構わず、やがてタンタンタン……とピアノが切なく響き、通常の流れに移りました。ほどなく登場した石川さんのチェロは、先ほどの激情とはうって変わり、哀しみをたたえ、じっくりとした歌い方に。堀了介さんのチェロが重なると、豊かにこだまし合うようになって、まるで教会音楽!そのなんとも贅沢な響きに引き込まれました。それにしても序奏とのギャップ……。歌でいうところの2番は堀了介さんが主旋律担当で、石川さんがハモる形になりました。静かな締めくくりに至るまで、聴き手を惹きつけてやまない、クオリティの高さはさすが!ただ奏でる音楽はシリアスなのに、石川さんが満面の笑みを浮かべていたように見えたのは気のせいでしょうか?
ここまでの演奏が終わったところで、猿渡さんが「2部は8時5分から開始します」とアナウンス。休憩に入りました。
後半。1曲目はポッパー「レクイエム」。ピアノ&チェロ三重奏による演奏です(堀沙也香→堀了介→石川)。1st堀沙也香さん&2nd堀了介さんによる、祈りのような優しい歌の良さといったら!私は前半に聴いたシューベルト「アヴェ・マリア」にも通じる、敬虔な思いを感じました。そこに重なる3rd石川さんのベースの包容力!大らかに包み込む低音に魅了され、私はすっかり参ってしまいました。こんなシーンでもナチュラルに驚かされてしまうなんて……。ピアノと一緒に大きく盛り上がったところの重厚さ!なんてドラマチック!ピアノの和音に乗って、チェロがお一人ずつ順に歌うところでは、それぞれの歌と音色にじっくり浸ることができました。一つの連なりの中で、柔らかく幸せな感じから悲しい感じになり、感情爆発したり静かに涙したりと、自然に色合いが変化していくのが素晴らしかったです。終盤の3つのチェロによる、ささやくような「祈り」の優しさ!個人的には子守歌のようにも感じました。ずっと寄り添ってきたピアノによる、ラストの優しい響きはまさに愛!しみじみと心癒やされた音楽でした。
フンク「組曲」。チェロ四重奏でした(猿渡→堀沙也香→横山→石川)。複数の楽章から成る作品ですが、その区切りが私にはよくわからなかったので(ごめんなさい!)、個人的に印象深かったところを中心に振り返ります。はじめは穏やかに。優しい音色の重なり合い、タッタッタ♪とゆったりとステップ踏むリズムが心地よく、1st猿渡さんのトリルが鮮やか!そこに重なる4th石川さんの重低音がぐっと来る!様々な舞曲の組み合わせというスタイルに、私はバッハの無伴奏チェロ組曲を連想。しかしチェロが4つになることで、響きが幾重にもなる豊かさと、4名でのアンサンブルの良さを楽しむことができました。ユニゾンで重なったり、ピッチカートでリズムを取ったり、フレーズをリフレインしたり等、チェロ1つではできない事が次々と!それをこのメンバーによる演奏で聴けるなんて贅沢!そして私が最も印象深かったのは、最後の舞曲( Gigue でしょうか?)です。チェロが1つずつ増えていく「追いかけっこ」がとても生き生きとしていて、1つでも素敵なのに重なり合うとさらに素敵に!とても明るく楽しい音楽に、気持ちがあがりました。
ヨンゲン「4本のチェロのための2つの小品」。こちらもチェロ四重奏(石川→猿渡→横山→堀沙也香)でした。第1曲 曲線的で柔らかな響きが幸せな感じ!3つのチェロによる、ぐっと落ち着いた低音ベースに乗って、石川さんのチェロが高音域でゆったりと美しく歌うのがなんとも良かったです。ずっと浸っていたい!重低音から始まったメロディリレーの良さ、切ない1stのメロディを他パートがリフレインする優しさ、チェロが1つから2つ3つ4つと1つずつ増えていく流れでの重なり、とチェロアンサンブルの良さがてんこ盛り。そして私が最も魅了されたのは、終盤での1st&2nd&3rdによる、祈りのような高音の美しさです。上手く言えないのですが、こんなにも極め尽くした音が存在するという驚きと、もちろんその音を味わえる幸せとで、私は胸がいっぱいになりました。もうなんなんでしょう!このお三方、なんと全員が地元のオケ・札響のチェロパートに所属しているのですよ。しかも1stと2ndは首席と副首席。札幌市民、恵まれすぎでは!第2曲 はじめの連続ピッチカートはノリノリで、おしゃれな感じ!1st&2ndによる堂々たる歌は、凱旋を思わせる華やかさ!1stのメロディを鼓舞する他パートの音の刻みがカッコイイ!また、3rd横山さんがリードしたメロディリレーや、4th堀沙也香さんが低音域で軽快に歌ったところも印象的でした。4名が足並み揃えて、思いっきり弦を擦り続けるクライマックスが鮮やかで超アツイ!「2つの小品」で、優美さとキレ味の両方の魅力をたっぷり堪能できました。
プログラム最後の演目は、ドヴォルザーク「森の静けさ」。チェロ五重奏による演奏で、ソロの堀了介さんが舞台中央、その後ろに門下生4名(石川→猿渡→横山→堀沙也香)が並びました。また1stの石川さんはソロとの絡みやメロディを引き受けるシーンが多かったです。3つのチェロによる、深い森を思わせる低音に乗って、思慮深く優美に歌う堀了介さんのソロ。ほどなく登場した石川さんのチェロがソロのメロディをこだましたり重なったりして、さらに豊かな響きに。石川さんのチェロが沈みゆき、しばし沈黙。この静けさの引力!その後に堀了介さんのソロが登場し、少し前のめりで切ない歌が胸に来ました。堀了介さんと石川さんのチェロがダンスするように絡み合うのも、ズンチャッチャのリズムを刻むベースも艶っぽい。ソロ&1stの、思いの丈を吐露するような高音が素敵すぎます!次第に穏やかになっていき、静まりゆく流れが見事で、ラストの重低音(堀了介さん&堀沙也香さん)の深さに引き込まれました。私は思わず感嘆の溜息。この5名によるチェロ五重奏を、もっともっと聴きたいです。
カーテンコール。トークなしで、チェロ五重奏の配置はそのまま、すぐにアンコールの演奏に入りました。カタルーニャ民謡(P.カザルス編)「鳥の歌」。門下生4名による前奏、カナカナカナ……の切なさ美しさ、音階をゆっくり昇っていき天高く消えゆく高音(石川さん)。そのどこまでも広がる大空に登場した、堀了介さんのソロに息をのみました。気高く、思いの深さが感じられる音楽!私は無心になり音楽に浸りました。ソロを支える門下生による伴奏は、ひそやかに寄り添い、中間部の盛り上がりでは低音が効いた重厚な感じに!繊細な色合いの変化が素晴らしい。そして後奏は門下生4名で。カナカナカナ……に、消えゆく高音(堀沙也香さん)。音が消え、しんと静まりかえり、その空気までもが崇高でした。なんという「鳥の歌」!個人的にチェロ独奏やチェロ&ピアノにて、繰り返し聴いてきた「鳥の歌」ですが、こんなにも強く心に響いた演奏は初めてかもしれません。
ここで、猿渡さんからごあいさつとトークがありました。最初に「本日はありがとうございます」とごあいさつ。今回の企画自体は前々から計画されていたのだそうです。堀了介さんが北海道に来て演奏会をする事を望まれていて、横山さんが札響に入団した事もあり、ようやく実現したとのこと。札幌のお客さん達の前で、師弟揃って演奏できて、こんなに嬉しいことは無い、と仰っていました。「(全席完売で)今回入れなかった人もいるので、第2回もぜひ(開催したい)」との言葉に、会場から大きな拍手が起きました。そしてアンコール2曲目の曲目を口頭で紹介くださり、演奏へ移りました。
アンコール2曲目は、エルガー「愛のあいさつ」。ピアノの大平由美子さんも加わり、今回ご出演の皆様全員が揃ってのピアノ&チェロ五重奏による演奏です。チェロは堀了介さんを中心に、門下生たちはハの字型に並びました(石川→堀沙也香→堀了介→横山→猿渡)。穏やかなピアノの前奏に、堀了介さんのピッチカートがポンと優しく1音入り、アンサンブルでの演奏へ。これがなんとも贅沢でした!美しいメロディとゆったりした支えを、5名で組み合わせを変えながらの演奏で、高音域と中音域でユニゾンになったり、メロディを優しくこだましあったり。同じ気持ちを共有して、お互いに尊重し合い高め合う、今回のメンバーによるアンサンブルはやっぱり良すぎます!愛あふれ、温かく優しい。その愛に丸ごと包まれる幸せ!堀了介さん一門の素敵な関係性、そしてその音楽の素晴らしさ。この場に居合わせた私達は最高に幸せです!近い将来きっと再会できますように。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。