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2025年最初の札響定期は、札響の名を世界へ轟かせた武満徹の「乱」組曲、北海道ゆかりの伊福部の作品、そして札響が得意とするシベリウスの第2番という「これぞ札響」なプログラムでした。札響友情指揮者の広上淳一さんが指揮、ソリストは札幌市出身のピアニスト・外山啓介さん!札幌市民の期待は大きく、日曜昼公演には多くのお客さん達が集まっていました。また同プログラム・同じ出演者にて、2025/02/03には東京公演が行われました。
札幌交響楽団 東京公演2025
なお土曜夕公演は後日ラジオ放送されるとのことです。
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札響公式youtubeの企画「札響プレイヤーズトーク」。今回(2025年1月)は、ヴァイオリン奏者の土井奏さんとフルート副首席奏者の川口晃さん、北陸ご出身のお2人によるトークです。地元の話題で大盛り上がり!また「これぞ札響」な今回のプログラムはお2人にとって「因縁の」(!)演目だそう!今回の演目1つ1つについてのエピソード紹介に、お若いエリアスさんが首席指揮者になられることで「伝説を作りたい」との意気込み、能登の震災から1年が経過したことについてのお話しもありました。
札幌交響楽団 第666回定期演奏会(日曜夕公演)
2025年01月26日(日)13:00~ 札幌コンサートホールKitara 大ホール
【指揮】
広上 淳一<札響友情指揮者>
【ピアノ】
外山 啓介
【曲目】
(ロビーコンサート)プロコフィエフ:2つのヴァイオリンのためのソナタより、第1楽章・第2楽章
(出演:ヴァイオリン:田島高宏、高木優樹)
武満 徹:「乱」組曲
伊福部 昭:リトミカ・オスティナータ~ピアノとオーケストラのための
(ソリストアンコール)
ショパン:24の前奏曲より 第15番「雨だれ」
シベリウス:交響曲第2番
(アンコール)
シベリウス:悲しきワルツ
札響らしいプログラムで札響サウンドをたっぷり堪能でき、札響を愛する気持ちがより一層深まった演奏会でした!2018年頃から少しずつ札響を聴くようになった私ですが、最近は演目ファーストではなく「札響だから聴きたい」という段階に来ています。それでも、得意とする演目にて生き生きと輝く札響を体感できるのは格別です。まずは札響の演奏にて様々な作品に触れてきた武満徹。今回は比較的聴きやすい「乱」組曲で、壮大な大河ドラマの世界に大船に乗った気持ちで浸ることができました。また北海道ゆかりの伊福部昭も、札響では取り上げられる機会が多い作曲家。今回の作品では、血が騒ぐ独特のリズムを体感でき、ものすごいエネルギーに圧倒されました。外山啓介さんのピアノは打楽器の一部のようにオケとシンクロ。オケはリズムの執拗な繰り返しを極め、すさまじい爆音を轟かせるのは容赦なく!しかしそれだけではなく、盛り上がりを一旦収束させる流れや、鮮烈に登場したコンマスソロといった、細部にわたって高クオリティなのが「さすが私達の札響」です。そして、シベリウスの交響曲第2番が最高でした!過去の演奏と比較してどうこうではなく、弦の美しさも歌う木管もパワフルな金管もすべて「札響の良さ」があふれていたという意味で、です。ちなみにシベ2について、私は札響による実演で過去に数回聴いていて、録音でも親しんできました。どの演奏も素晴らしく、みんな違ってみんなイイのは大前提として!今回個性的だなと感じたのは、休符を長めに取っての静寂が随所にあったことです。指揮の広上さんの意図は私にはわからないのですが、音が消える余韻までもが素敵で、私はじっくり浸りながら悠久の時を感じる事ができました。会場のお客さん達も、静寂にぐっと引き込まれている様子がうかがえて、私を含む聴き手は地元オケに鍛えられているなと実感。定番曲を地元オケで繰り返し聴くのには、こんな面白さもあるのですね!
札幌での2回の本番を経て、1週間後に開催された東京公演は多くのお客さん達に絶賛されていた様子。私はまるで自分の事のようにうれしくなりました。なお東京公演では、1月26日に逝去された秋山和慶さん(元札響ミュージックアドバイザー兼首席指揮者)への追悼演奏が行われたとのことです。札響はもちろんのこと、国内外で多大な功績を残された秋山さん。直接関わりのあった音楽家の皆様にとっても、演奏を通じて親しんできたファン達にとっても、それぞれにそれぞれの思いがあることでしょう。かくいう私も秋山さんの大ファンで、まだうまく気持ちの整理はできていません。ただ私は幸運にも、秋山さんと札響による実演を数回聴く機会に恵まれました。秋山さん指揮&札響によるCD(いずれも廃盤)は、それこそシベリウスの交響曲第2番もブラームスの交響曲1~4番も愛聴しています。思い出は宝物です。また秋山さんをはじめ、歴代の指揮者たちが培ってきた様々な要素が、現在の札響の年輪になっているはずとも思っています。それでも先人達の影を、日々変化し続けている今の札響に追い求める事はしない、と私は決めています。先人達に敬意を表するのは当然の事として、思い出補正で美化し自分の中で作り上げた「理想の○○」を追い求めるのは、誰も幸せにならないと思うからです。おそらくどこにも存在しない「理想の○○」を基準にして、目の前にある真摯な演奏を素直に楽しめなくなるのは不幸ですし、そうなってしまったら演奏会通いをやめるしかないでしょう。そんなの、まだ札響に出会ったばかりの私には100年早い(笑)。私は、思い出を胸にしまって、「今」と誠実に向き合っていきたいです。10年後20年後さらにその先にも、出会うたびに「うちのオケ、最高かよ!」と感激していたい。音楽をただ感じることしかできない私は、せめて素直な気持ちのままで、目の前にある音楽をまっすぐに感じていたい。そうあり続けることを誓います。札響の皆様、これからもどうぞよろしくお願いいたします!
開演前のロビーコンサート。今回の演目は、プロコフィエフ「2つのヴァイオリンのためのソナタ」より、第1楽章・第2楽章 でした。第1楽章 (私がイメージする)バロック期の音楽らしい、一定のテンポでゆったり進む音楽。2つのヴァイオリンが追いかけっこしたり、時に同じ旋律になったりと、緻密に構築された美が素敵でした。第2楽章 一転して躍動感あふれるモダンな感じに!パワフルに高音を刻むインパクト!低音で繰り出す妖艶なメロディ、ピッチカートのリズムがカッコイイ!キレッキレに歌いながら駆け抜ける2つのヴァイオリンは、ぴたっと併走。丁々発止なやり取りにドキドキしました。両者一歩も譲らない2つのヴァイオリンの凄技にぐっと引き込まれた、充実のロビコンでした!
前半1曲目は、武満徹の「乱」組曲。札響での演奏歴は過去に17回。前回は2020年10月6日(指揮:秋山和慶)で、私も聴いています(「オーケストラでつなぐ 希望のシンフォニー」札幌交響楽団公演)。オケの編成は、コントラバス7の14型で、弦は以降の演目も固定でした。各木管は基本の2管(ピッコロ持ち替え)に加えて低音木管群。金管はホルン4、トランペット3、トロンボーン3。多彩な打楽器とティンパニ、他ハープとチェレスタが加わりました。約12分とコンパクトな演奏時間に4曲収められていて、第1~3曲はそれぞれ2分未満、第4曲が6分余りという構成。この日は各曲の区切りがはっきりとわかる演奏でした。第1~3曲、はじめの弦による空気を切り裂くような高音、ティンパニ連打と低音木管群によるうごめきにぞわっとしました。チーンという鐘の音に、寂しげなピッコロに、私は荒れた大地の広がりをイメージ。タムタムと大太鼓の後の静寂!ティンパニのダンダンというリズムに乗って、弦による寄せては返す波の妖しさ!ここまではあっという間で、肝となる第4曲がやはり強く印象に残っています。バスクラリネットをはじめとした低音木管群の存在感!歌うオーボエ、フルート、イングリッシュホルンの寂寥感!壮大で悲劇的な弦による大きなうねり、迫り来る迫力!また例えばチェロパートのみ、1stヴァイオリンのみで演奏するといった変化が、一層奥行きを際立たせてくれたと感じました。そしてラストが圧巻でした。ファゴットがメロディを奏で、すべてが無に帰したような静寂に。私は思わず身震いしました。低音による重苦しさと高音による悲劇が一緒に創り出す世界が見事で、ほんの短い演奏時間でも壮大な大河ドラマの世界に浸ることができました。
ソリストの外山啓介さんをお迎えし、前半2曲目は、伊福部昭「リトミカ・オスティナータ~ピアノとオーケストラのための」。札響での演奏歴は過去に3回。前回は2009年01月24日(指揮:飯守泰次郎、ピアノ:横山幸雄)とのことです。編成は、独奏ピアノ、弦、各木管は基本の2管に加えて低音木管群とピッコロ。金管はホルン4、トランペット3、トロンボーン3、テューバ。多彩な打楽器とティンパニ、他ハープが加わりました。はじめはホルンから。寂寥感ある孤高の響きに、ほどなくリズミカルなピアノが重なり、そのピアノにオケが重なり……と、次第ににぎやかになっていきました。フルートは祭り囃子のよう!前の方にアクセントが来るリズムに血が騒ぐ!キレッキレな打楽器はもちろんのこと、ピアノが低音を打楽器のように繰り出すのがインパクト大でした。オケ全体の盛り上がりでは、派手な高音に対して、うごめく重低音が個人的には印象に残っています。そしてお祭り騒ぎの盛り上がりが静まっていくところの弦が上手すぎました!さすが私達の札響です!静寂を破った、重低音の低音金管群がめちゃくちゃカッコイイ!和笛を思わせる木管に、和琴のようなハープ、弦が奏でるメロディも雅楽のようで、中間部はとても雅な雰囲気。ここでのピアノは雨音のようにも感じました。そのピアノに重なったヴィオラパートの、笙を思わせる響きに驚愕!後半は再びお祭りへ。バスクラリネットとファゴットが掛け合ったり、オーボエとピアノの絡みがあったりと、生き生きとした木管群が素敵!来ました、ゴジラのメロディ!弦がノリノリでした。美音でお祭りのメロディを歌うコンマスソロが鮮烈!私は同じ伊福部昭の「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」を連想しました。ちなみにそちらも以前、東京公演を控えた札響定期で取り上げられましたね(2022年1月、第642回定期)。お祭り騒ぎの盛り上がりでの、同じリズムの繰り返しでは、オケは脅威のシンクロ率と集中力!聴いている私は、トランス状態になって、気が遠くなりそうでした。再び静まり、「雅」なところが少し顔を出して、終盤の爆音でのお祭り騒ぎがすさまじかったです。なんというド迫力!「聴く」というより「浴びる」感じで、爆音に飲み込まれる体験!そしていきなり(と私は感じました)すぱっと締めくくり。血が騒ぐリズムに、ものすごいエネルギー!2024年5月に聴いた武満徹「アステリズム」が宇宙へ広がるエネルギーなら、伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」は大地の底知れぬエネルギーなのかも。今回もすごいものを聴かせて頂きました。ありがとうございます!
カーテンコール。ソリストの外山さんはマイクなしでごあいさつ。続いて「先ほど演奏した『リトミカ・オスティナータ』にちなんで、ショパンのプレリュードを演奏したいと思います」とアンコールの曲目を紹介くだり、会場には大きな拍手が起きました。なお外山さんはあと一言二言お話しされていましたが、私は聞き取れませんでした。大変申し訳ありません。ソリストアンコールは、ショパン「24の前奏曲」より 第15番「雨だれ」。「ちなんで」というのは、「全体を通じて一定のリズムがある」という理解で合っていますでしょうか?演奏は、規則正しく鳴る「雨音」が心地よく、メロディを繊細に歌う、その美しさにじんわり心癒やされました。中盤、重低音の足音から、次第に大きな盛り上がりとなる流れがドラマチック!力強くも美しい響きがぐっと来ました。そして終盤、「雨音」が止まって、この沈黙を慈しんでから、優しく丁寧に締めくくりへ向かったのがとっても素敵でした。先ほどのハイテンションからクールダウンできた、心癒やされる演奏。外山さん、オーケストラと一体となっての伊福部作品から、ショパンの美しいソロ曲まで、ありがとうございます!次はぜひピアノ協奏曲にて札響どの協演をお願いします!
後半は、シベリウス「交響曲第2番」。札響での演奏歴は過去に57回。前回は2023年12月3日(指揮:藤岡幸夫)で、私も聴いています(「まなみーるDEクラシック 2023」)。編成は弦に加え、各木管2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ。第1楽章 「これぞまさに札響」という音と音楽に浸れたはじめの楽章。穏やかで冷たい風を思わせる、冒頭の弦の美しさ!木管が軽やかに歌い、寄り添うピッチカートの優しさ。沈みゆくクラリネットの余韻、雲が流れていくようなティンパニ連打、メロディをユニゾンで歌うヴァイオリンの透明感!最初から札響によるシベリウスの良さが盛りだくさんで、胸にジーンと来ました。寂しげな木管から始まり、次第にうねりになってぐっと盛り上がる流れの良さ!一直線に頂上を目指すのではなく、管のトリルや弦のうごめきがじっくり積み重なっていくのにゾクゾクして、個人的には存在感ある重低音にやられました。ティンパニと一緒に浮かび上がってきた金管群の堂々たる響きがカッコイイ!ここではまだ少し抑えている印象(おそらく「あえて」と思われます)で、後に続く楽章の予告のようにも私は感じました。それにしても、札響の金管群の洗練された音はすごく素敵!重なる弦のトレモロも美しくて、「うちのオケ、最高かよ!」と思わず叫びたくなった瞬間でした。回想シーンを経て、静かに消え入ったラスト。静寂に引き込まれました。第2楽章 個人的には「闇」を強く意識させられた、この楽章が特に印象深かったです。ティンパニに導かれ、暗闇をひた歩くような低弦ピッチカートがズシンときました。じっくりと歌うファゴットは暗く重く、底知れぬ哀しみを表しているよう。クラリネットのもの悲しさ。次第に加速していく緊迫感ある弦にドキドキ。ティンパニと一緒にぐーっと浮かび上がった金管群が超カッコイイ!メロディを歌う華々しい高音はもちろんのこと、重低音で支える低音金管群と低弦の力強さ重厚さにしびれました。弦と木管による流麗な音楽からの、弦のざわめき(蜂の大群が飛んでいるよう!)、さらにその上で重低音で歌う低音金管群の大地を揺るがす底力!トランペットの温かみある音色での哀愁ある歌がたまらなく良く、影となってこだまするフルートも素敵でした。たっぷりと歌う弦の壮麗さ!弦の超高速演奏と木管のトリルのインパクト!そして楽章締めくくりでの、弦の渾身のピッチカートの気迫に震えました。心の奥底から来る、思いの強さよ!第3楽章 ドラマチックな展開に目と耳が離せない楽章で、波に乗るのが快感でした。はじめの方の緊迫感ある流れにドキドキ。弦が作る細かな波にゾクゾク。沈みゆくティンパニの弱音の引力!温かなオケに乗ったオーボエ&チェロの愛ある対話は今回もやっぱり素敵で、包み込んだオケの壮大さ、とりわけメロディを歌った弦がしみじみ良かったです。穏やかな空気を切り裂いた金管のキレ味!緊迫感ある流れの中で、ドン!と鳴るティンパニの迫力、弦と一緒に浮かび上がってくる金管群がアツイ!オーボエ&チェロの愛ある対話に再び出会えて、全員合奏にて力を溜めて溜めて溜めていくところ、ゾクゾクします!来るよ来るよくるよ!そのまま続けてクライマックスの第4楽章へ。 ぐおんぐおん鳴る重低音ベースに乗って、壮麗に歌う弦が素敵すぎて!やっぱり札響の弦の音色はシベリウスのとても合う!と私は大感激しました。大好き!華やかなトランペットに骨太な低音金管群も絶対に頼れる。うちのオケ、最高かよ!穏やかな木管群のターンになると、大らかに幸せに歌うのがとっても素敵で、ほっと心和みました。再び頂上を目指す流れでの、ほの暗く歌う木管たちと底知れぬエネルギーを感じる弦のうねりがまた良くて、そこからぐっと盛り上がりパワフルに金管とティンパニが鳴る!このオールスターキャストそろい踏みの良さ!また静かなところから頂上を目指す流れでの、各管楽器による跳ねるリズムにドキドキし、壮麗に歌う弦に感激して……と、何度も来る盛り上がりの山は、そこに至る過程も素晴らしかったです。ラストへ向かい、少しずつ盛り上がっていく流れの、辛抱強い感じが「北国の人」のイメージと合致して、私は一層「札響らしさ」を感じました。低弦や木管が繰り返す「うねり」のリズム!金管&ティンパニがガツンと来た頂点の後の、高音弦のトレモロの美!コントラバスがメロディを重低音で奏でた、その重厚さ!ティンパニ連打、金管群がゆったりと華々しくメロディを歌い、「勝利」の締めくくりが超アツイ!十八番のシベ2で聴いた札響は、どのシーンでも「らしさ」と「良さ」があふれていて、札響を愛する私達は気持ちが晴れやかになりました。改めて、うちのオケ、最高かよ!
指揮の広上さんがマイクを持って「新年明けましておめでとうございます」とごあいさつ。続けてトークがありました。なお「昨日しゃべりすぎたので」、この日は少し抑え気味だった様子。「今年(2025年)はエリアス・グランディさんが加わり、今の4名の指揮者陣とスクラム組んでやっていきたい」と、はじめはこれからの札響の体制について。続いて「今回と同じプログラムをひっさげて、東京公演へ行きます!」と力強く宣言されてから、プログラムについてのお話しになりました。「武満は札響が好きで、黒澤明監督の映画「乱」の音楽を札響の演奏で録音した」「今回の伊福部作品は演奏機会があまりない。外山さんがピアノを引き受けてくださり今回演奏できた」「シベリウスの透明感は札響に合っている」といった事を語られました。
「定期ではアンコールやらないんですけど、今回は特別に」アンコールがありました。シベリウス「悲しきワルツ」。特に曲名は告げられませんでしたが、演奏が始まってすぐに私はピンときました。大好きな曲!ちなみに私は前首席指揮者のバーメルトさん&札響による演奏で、過去に2回聴いています。今回の広上さん指揮での演奏もとても素敵で、私はますますこの曲が好きになりました。先ほど聴いたばかりのシベ2と同様、ふっと音が消え入るシーンがぐっと来る!また短い演奏時間の中でも、軽やかだったり、うんと溜めたりと、テンポや表情の変化がくっきりしていたのが印象的でした。はじめの弦楽合奏がなんと美しいこと!札響の弦の響きkitaraにて体感できる幸せを、改めて噛みしめました。フルート&クラリネットが幸せな感じ!ウィンナ・ワルツを思わせる華やかさに心癒やされました。ピアニッシシシ……モの繊細な響きがとてもきれい!妖しげな盛り上がりに心ざわつき、そしてヴァイオリン4つによる命の灯火が消えるようなラストにぞっとさせられました。なんて哀しくも美しい夢!私達の札響は、やっぱり最高!これをkitaraで聴けるなんて、札幌市民は幸せです!
カーテンコール。指揮の広上さんは、弦の最前列メンバーと順に握手(コントラバスはエア握手)。会はお開きとなりました。終演後のロビーでのお見送りには、団員さん達と並んで広上さんのお姿も!札響らしいプログラムにて、札響サウンドの素晴らしさを再確認でき、私はますます札響のことを好きになりました。ありがとうございます!今回の定期と同じプログラムにて臨んだ東京公演も大絶賛されたとのこと。さすが私達の札響ですね!これからも、私達道民が誇れる札響であり続けてください!
この日の約1週間前に聴いた、札響の地方公演です。「札響ニューイヤーコンサート in 小樽」(2025/01/18)。ソリスト・桐原宗生さんのコルンゴルトは、自由自在に駆け抜けた鮮烈な独奏に大感激!指揮・下野竜也さんによる「ウィーンにはじまりウィーンにおわる」プログラムは、華やかさも優美さもウィーンの音楽「らしい」魅力が盛り盛り!2025年の聴き始めは、幸先の良い新年のスタートでした。
武満徹「アステリズム-ピアノとオーケストラのための」を聴いた会です。「札幌交響楽団 第661回定期演奏会」(2024/05/25,26)。札響と縁ある武満徹の作品2つに引き込まれ、凄まじさに翻弄された「ノモス・ガンマ」。無数の星たちが互いに高め合う「ボレロ」に感激!指揮者の井上道義さんによるラスト定期は、生涯忘れることはない特別な体験となりました。
「札幌交響楽団 第665回定期演奏会」(土曜夕公演は2024/11/30)。札響次期首席指揮者のエリアス・グランディさんが登場。「白鳥を焼く男」では、ヴィオラの無限の可能性を魅せてくださったニルス・メンケマイヤーさんの独奏に驚愕!メインのマーラーの交響曲第1番は、ダイナミックで熱量高い大熱演!華々しい新時代の幕開けとなる記念すべき会に居合わせることができ、今のエリアスさん&札響の音楽を体感できて幸運でした。
最後までおつきあい頂きありがとうございました。