歴史あるほくでんファミリーコンサート。第530回となる今回はほくでんグループ創立70周年記念でした。北海道電力さん、創立70周年おめでとうございます。そして緊急事態宣言下で様々な困難を乗り越え、演奏会開催くださり感謝いたします。ほくでんファミリーコンサートは毎回応募が殺到する上、今回は収容率50%以下での開催。その限られた席に、今回私は当選いたしました。ありがとうございます!
ほくでんグループ創立70周年記念 第530回ほくでんファミリーコンサート
2021年8月31日(火)18:30~ 札幌コンサートホールKitara 大ホール
【指揮】
太田弦
【歌唱】
大平リリー
【管弦楽】
札幌交響楽団(ゲストコンサートミストレス:松浦奈々)
【曲目】
- Q.,Ltd作詞・作曲(山下康介編) ほくでんグループCMソング「365日の明日」
- メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」序曲
- チャイコフスキー 幻想序曲「ロメオとジュリエット」
- チャイコフスキー 交響曲第4番ヘ短調
- (アンコール)グリーグ 「2つの悲しい旋律」から 過ぎにし春
パワフルでテンション上がる演奏、超楽しかったです!指揮・太田弦さんと歌唱・大平リリーさんは札幌ご出身。そしてゲストコンミスは日本センチュリー交響楽団の松浦奈々さん(ツイッターで相互さんに教えて頂きました。ありがとうございます)。いずれもお若い方で、若さのオーラが感じられる演奏に、こちらも元気を頂きました。さらに人が少ないkitaraの響きは素晴らしく、大音量の金管打楽器も繊細な弦の美しい響きも堪能でき、私は会場に入れた約800人の中の一人で本当に運が良かったと思います。重ねてありがとうございます!
座席はP席全部と舞台の前の数列を空けた上での一席飛ばしで、さらに3階後方の席は空いていました。当日会場の受付順で席が決まるシステムで、私はRAブロックの比較的舞台がよく見える席になりました。また前半はHBCアナウンサーの司会進行が入りました。
はじめは、ほくでんグループCMソング「365日の明日」。管弦楽版はこの日が初演だったそうです。壮大なイントロが始まってから大平リリーさんが静かに入場し、演奏中にパラパラ拍手が起きることに。そしてマイクとカンペ(モニター)が用意された上での歌唱でした。それを見てあららと思ってしまった私は、歌をまともに聴くことが出来なかったためコメントは控えます。せっかくの記念すべき演奏だったにもかかわらず、申し訳ありません。
メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」序曲。冒頭、高音の木管と高音弦のザワザワに早速引き込まれます。変化が多く楽しい演奏の中でも、私はティンパニの鼓動に合わせた華やかなところがツボ。なお私は以前、改装前のkitara(2020年10月 名曲シリーズ)にて生演奏を聴いたことがあり、その時は序曲だけでなく有名な「結婚行進曲」を含むいくつかの曲のピックアップ形式でした。その時ももちろん素敵でしたが、今回は会場の人が少ないおかげもあったのかとても響きが澄んでいて、さらにその美しさを楽しむことができました。
チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」。私は以前hitaru(2021年7月 第639回定期)にて実演を聴いたことがあります。もちろん前回も素敵でしたが、今回はさらに勢いが感じられ、聴いていて清々しい気持ちになれました。先ほどのメンデルスゾーンとは対照的に、こちらの冒頭は低音の木管と続く低弦が素敵です。ハープも効果的に入ってきて、やはりチャイコフスキーも管弦楽の魔術師だと私は改めて思いました。パワフル金管打楽器の戦闘モードがキレッキレ、ジェットコースターのような高速の弦(チャイコちゃんも弦への要求がハイレベルでエグいですね!?)に夢中に。のぼりつめたときティンパニの会心の一撃がキマりましたね!そしてクライマックス直前の木管の美しさが印象的でした。大盛り上がりのフィナーレを存分に楽しませて頂きながら、やはりチャイコフスキーはこんな締めくくり方が好きなのでは?とチャイ5のラストを思い出したりもしました。
後半はチャイコフスキー「交響曲第4番」。冒頭のホルンとファゴットがインパクト大かつカッコ良くて、初めから心掴まれ、おかげで続く大音量の金管群(個人的に、日によっては無理なときもありますが)も自然に受け止められました。民謡のような木管のメロディと大都会の華やかさを思わせる金管の盛り上がりのどちらも楽しめる演奏で、最初からテンションあがります。第2楽章は、オーボエソロに続いてチェロから入る弦アンサンブルがもう私好みで、今までチャイコフスキーの交響曲をほぼ知らずにいたのがもったいなかったなと。この弦をバックにした木管も素敵。第3楽章、弦はとことんピッチカートで面白いです!楽しそうな雰囲気の木管と金管の中でも、一瞬華やかに響いたピッコロが印象的でした。第4楽章はオールスターキャストの大盛り上がりがもう楽しい!高速の弦がすごい!また休止では皆さんビシッと揃って音を止め、再び揃って始まる切り替えが素晴らしいです。メリハリ大事!リミッター振り切ってガンガン来るフィナーレまで、聴いていてとても気持ちが良かったです。チャイコちゃん男前!私的チャイコフスキーの男前列伝にまた新たな1ページが加わりました。チャイ4、最高です!
アンコールはグリーグ「2つの悲しい旋律」から 過ぎにし春。弦のみの編成で、パワフルなチャイ4からがらりと雰囲気が変わり、澄んだ美しい響きをkitaraの音響で楽しむことが出来てうれしかったです。弦の皆様は今までのお疲れを見せず(今回は弦への要求がエグい演目続きだったと思います)、最後まで丁寧な演奏を私達に聴かせてくださいました。アンコールに至るまで素晴らしい演奏をありがとうございました!
【ほくでんファミリーコンサートを札幌Kitaraで開催!】
— 北海道電力株式会社 (@Official_HEPCO) 2021年9月2日
ほくでんグループ創立70周年を記念し、グループCMソング「365日の明日」を札幌交響楽団のオーケストラ演奏でお届けしました。荘厳でダイナミックな演奏と歌唱者の大平リリーさんによる力強くも透き通った歌声を楽しんでいただきました。 pic.twitter.com/7FAGaI6NhS
この日の2日前(2021/8/29)にウィステリアホールで聴いたチェロアンサンブルの演奏会も大変素晴らしかったです!レビュー記事は以下のリンクからどうぞ。仙台フィル&札響のチェリスト4名の協演!札響からご参加の武田芽衣さんと小野木遼さんは、今回のほくでんファミリーコンサートにも出演されていました。
回数を重ねてきたほくでんファミリーコンサート。昨年度(2020年度)はスペシャル企画として「ほくでんアンサンブルコンサート」CD(非売品)の作成と、「ほくでん音楽クリニック」として吹奏楽部の中高生向けに演奏指導動画の配信がありました。それらの情報を含む弊ブログの記事「2020年 札幌交響楽団 動画配信および非売品CDについてのまとめ」も、よろしければご一読ください。
チャイコフスキーの男前列伝としては、「交響曲第5番」も忘れられません。私はソリストの佐藤晴真さんがお目当てで行ったhitaruシリーズ新・定期(2021/2/25)にて、初めて聴いたチャイ5のことを一瞬で好きになりました。守備範囲がごく狭い私の新たな扉を次々と開けてくださる我が町のオケ、愛しています!
最後までおつきあい頂きありがとうございました。