自由にしかし楽しく!クラシック音楽

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札響夏休みスペシャル2021『アキラさん×札幌交響楽団』(2021/08) レポート

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夏休み恒例のアキラさん×札響のコンサート。昨年親子で初参加してとても楽しかったので、今年も娘と一緒に参戦しました!同日2回公演のうち、私達が聴いたのは午後の部です。

また、この前日(2021/8/14)には「『さっぽろオンライン夏まつり2021』~札幌交響楽団スペシャル」が開催されました。札響は世界レベルのハイクオリティな演奏もできれば、うんとはっちゃけることもできちゃう、すごいかたたちが集まっています!


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札響夏休みスペシャル2021『アキラさん×札幌交響楽団』(午後の部)
2021年8月15日(日)14:30~ 札幌コンサートホールKitara 大ホール

【指揮・ピアノ・お話・作曲・編曲】
宮川彬良

【出演】
ピエロ/妖精:宮川安利

【構成】
新井鴎子

管弦楽
札幌交響楽団コンサートマスター:田島高宏)

【曲目】


子供も大人も楽しめる、アキラさんの多彩な作曲・編曲の数々。それらを我が町のオケの演奏でめいいっぱい楽しめた、最高の一時間でした!アキラさんの素敵な作品は、最近にわかに注目を集めたマツケンサンバだけじゃないんです!昨年のオケパンはショーの要素が強いかつ選曲は有名クラシックが中心でしたが、今回はちょっとイメチェンして、音楽そのものをメインに、新曲含めアキラさんの作品がてんこ盛り。昨年よりは成長したうちの小3娘だって彼女なりに楽しく聴けたようですし、もちろん宮川安利さんのパフォーマンスには大喜びしていました。私、札幌で子育てしていて本当によかった!なによりこの状況で演奏会を開催し、楽しく素敵な演奏を聴かせてくださったアキラさんと札響に大感謝です。なお客席は昨年とは異なり全席使用。家族みんなで来場していたかたも大勢いらして、定期ならSSやS席に相当する席はほぼ埋まっていました。やはりお客さんが多い方が盛り上がりますよね。感染症拡大は昨年より深刻な状況ではありますが、公営プールやバーベキュー場が閉鎖されている今、夏の思い出作りにと考えたご家族が多かったのかも。子供達とその親はもう長い間あらゆることを我慢し続けているのですから、対策をきちんとした上でなら、家族で音楽を楽しむ非日常体験はアリですよアリ!アキラさんが仰った通り、「水と空気と太陽と音楽」は同じように大事だと私も思います。会場で楽しい時間をご一緒できた皆様、夏休み最後の週末にとっても素敵な思い出ができましたよね!

開演前に舞台に目を向けると、いつものように自主練をされている団員のかたがちらほら。その舞台を見て娘が「リンボーダンスの人!」……昨年のアキラさんコンサートの運動会企画で頑張ってくださった奏者のかたを、娘はしっかり覚えていたようです。それだけインパクト大だったのだと思います。でもなんだかごめんなさい!

団員の皆様は白いジャケット、指揮の宮川彬良さんはトレードマークのおしゃれなベストと蝶ネクタイ姿でステージに登場。会場は拍手でお迎えしました。すぐに演奏開始。「はじまりはキラキラ、ノリノリに」、最初の曲は新曲「TICK, TUCK, TOCK!」です。最初から全員参加の大迫力の音がバーンと来て、娘も私もビクッとしました。しかしこんなフルスロットルの演奏がキレイに響き渡るのは、さすがkitaraです。演奏途中で指揮のアキラさんが客席のほうを向いて、手拍子の仕草。客席も手拍子で演奏に参加しました。続いて、昨年のアンコール曲だった「シンフォニック・マンボNo.5」。深刻なジャジャジャジャーンから始まった曲が陽気なマンボに早変わりし、「アーウ!」のかけ声があがったとき会場は爆笑。昨年よりコントラストがはっきりした演奏で、「運命」の厳粛な弦と、マンボのキレッキレ金管打楽器のギャップが際立っていました。このノリノリのボンゴをいつかマツケンサンバでも聴いてみたいです。

アキラさんがマイクを持ってお話されました。札響は「皆さんの宝」!はいその通りです!ありがとうございます!「音楽は大人も子供も楽しめる」というディズニーの言葉を紹介しながら、アキラさんがご出演・数多くの名曲を世に送り出したEテレの番組『クインテット』のお話になり、番組キャラクター達とアキラさんが一緒に写った大きな写真が掲げられました。私、現在高1の息子が赤ちゃんの頃に番組を見てましたよ!なんといっても音楽が素敵で、子供番組でも変に子供にこびてない感じがすごく新鮮だった記憶があります。「クインテット名曲集」、はじめは「ゆうがたクインテットテーマ」。フルオケ&ピアノによるスケールの大きな演奏に、私はリアルに鳥肌がたちました。テレビで何回も聴いた曲を、こんな素晴らしいアレンジで聴けるなんて感激!続いて、オケから5名の「札響“クインテット”メンバー」がピアノの前に集合。メンバーは、クラリネット:三瓶佳紀さん、トランペット:福田善亮さん、ヴァイオリン:田島高宏さん、チェロ:石川祐支さん、コントラバス:飯田啓典さん(演奏後には5名のお名前の紹介もありました)。加えてアキラさんのピアノと歌(!)による演奏で、番組での基本編成にコントラバスが加わったスタイルでした。曲は、番組にもよく登場していた人気の2曲「目はおこってる」と「ただいま考え中」。私は、懐かしい!というのと、こんな贅沢な演奏&アキラさんの歌で聴けて最高!とで、とても幸せな気持ちに。ちなみに小3の娘は初聴きだったのですが、帰宅後もずっと歌っていたので、クインテットの曲は気に入ったようです。私は娘の前で歌ってみて、3曲ともメロディと歌詞を覚えていて歌えたのに自分でもビックリ。他の曲もイモヅル式に次々と思い出して、自分が思っていた以上にクインテットの曲は私の血肉になっていたようです。『クインテット』、ぜひEテレで再放送を!でも欲を言えば新作を観たいです!

「アキラさんのピアノコーナー」は、ピアノ独奏の有名な曲を3つ、すべてアキラさん神アレンジ版のフルオケ&ピアノによる演奏でした。ブルグミュラー「貴婦人の乗馬」は、ピアノの練習がキライだったアキラ少年が心から楽しめた曲なのだそう。トランペットによるカッコイイ馬のいななきや、打楽器のムチがパーンのキマる等、この貴婦人はなかなか活発な印象。トランペットの福田さんは、礼をする際にスカートを軽く持ち上げて膝を少し曲げる、まるで貴婦人な仕草をさらっとキメてくださいました。サティ「ジュ・トゥ・ヴ」では、美しいオケのイントロから入り、艶っぽいピアノが始まると、舞台袖から台車で静止したピエロが登場(台車を押していたのはステージマネージャー!)。少しずつピエロが動き出し、演奏の間は舞台の上をパントマイムやバレエのような動きで華やかに踊って、会場を目で楽しませてくださいました。そしてベートーヴェンエリーゼのためにが素晴らしかったです!あの「皇帝」にも匹敵する、ピアノ協奏曲のような壮大さ。パワフル金管で派手な盛り上げ方をするだけでなく、弦のキーンという音があったり、トライアングルやカスタネットがアクセントになっていたりと様々な表情が楽しめ、ティンパニが効いたクライマックスはグリーグのピアノ協奏曲を連想させる響きでした。

イントロ的ににぎやかな管弦楽が演奏され(「TICK, TUCK, TOCK!」のさわり?ごめんなさい断言できません)、さあ体操の時間だよ!昨年も演奏された「ラジオ体操第一」、今年はよりダイナミックになりました。舞台の左右には赤白帽を被ったステージスタッフのかたが登場して(「体操のお兄さん」by娘)、全身全霊で本気ラジオ体操。奏者の皆様もご自分のパート以外では楽器を置いて大きく肩を回す等、体操に演奏にと大忙しです。客席もお隣にぶつからないように、着席のままラジオ体操を豪華なフルオケ伴奏で楽しみました。身体を動かしてリフレッシュ♪最後は「体操のお兄さん」が大きな声で「今日も一日元気に過ごしましょう!」楽しすぎます♪

今回のハイライトは、やはり最後の「オーケストラの森」です。まず照明が暗くなり、BGMとライトで雷鳴の演出。妖精さんがおびえてピアノの下に隠れると、「どうしたんだい?」とアキラさんが声をかけました。妖精さんへの語りかけが解説になっていて、声かけのたびに妖精さんはリスや鳥のぬいぐるみを取り出す等でリアクション。「ここはオーケストラの森」と、はじめにハープ+鉄琴が。鳥の声は木管、嵐は金管、雷は打楽器……といった感じで各パートが独立した演奏とセットで紹介されました。「森の木々」は弦楽器で、根はコントラバス、幹はチェロ、枝はヴィオラ、葉はヴァイオリン(1stと2ndは別々の旋律を同時に演奏)。「命がつまったオーケストラの森。弦楽器は木で出来ています」とのお話を受け、弦楽器の皆様が楽器を上に持ち上げました。こんなふうに各パートを紹介してもらえるのは、鑑賞ビギナーにはありがたいです。私はつい最近までオケの音を塊でしか聴けていなかったので……。そして演奏に。鳥たちが楽しく歌っている時もあれば嵐の時もあり、嵐の時は妖精さんがミステリアスな装いで登場して見た目の変化もあって、小さな子供達も自然にこの世界観に入り込んでいたようでした。コントラバスから始まり、チェロ、ヴィオラ、1st・2ndヴァイオリンが順番に加わり重なっていく様子は、まるで木々の生長を目の当たりにしているようで、もうとっても素敵でした。各パートはもちろん素敵だけど、重なることで掛け算の良さになるのがオケの醍醐味!ラストにP席から妖精さんがキラキラした紙吹雪をまいてくれましたが、聴いていた私達も心の中でキラキラを舞台に送っていましたよ。カーテンコールではチューバとトロンボーンに始まり、オケ全員が順番に拍手で讃えられました。素晴らしい楽曲と演奏をありがとうございます!

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アンコールの演奏はマイ・フェア・レディ」より「運がよけりゃ」。華やかな演奏が始まると、客席から自然に手拍子が始まって、とてもあたたかな雰囲気になりました。こんな感じで音楽を楽しめるのって、イイですね!私は理屈抜きに、音楽っていいなと改めて思えました。アキラさん、札響の皆様、最高に楽しい時間をありがとうございました!


私が最近聴いた札響の演奏会のうち、今回と関連するもののレビュー記事を3つご紹介します。

今回の演奏会のちょうど1年前(2020/08)に聴いた、アキラさんによる「札響夏休みスペシャルコンサート~オケパンV『ショウほど素敵な商売はニャー!!』」。音楽も演出も最高で、親子で超満喫しました!この札響の音を当たり前と思って育つ札幌の子供達がうらやましいです。 

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夏の恒例となっている札響の特別演奏会としては、「札響ポップスコンサート」もあります。私が聴いたのは今回の演奏会の1ヶ月ほど前(2021/07)に開催されたvol.18です。平成ヒットメドレーはヒット企画!札響は全員がスタープレイヤーです!後半の島津亜矢さんとオケの共演も素敵でした。 

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特別演奏会をもう一つ。今年3月に開催された「北海道応援コンサート~親子で聴くチャイコフスキー」、中学校の卒業式を終えたばかりの息子と一緒に行ってきました。有名なバレエ音楽の「いいとこ取り」、親子でずっと夢中になれた演奏会でした。 

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最後までおつきあい頂きありがとうございました。