自由にしかし楽しく!クラシック音楽

クラシック音楽の演奏会や関連本などの感想を書くブログです。「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ(http://nyaon-c.hatenablog.com/)」の姉妹ブログです。

ウィステリアホール ふれあいコンサート Vol.3(2020/02) レポート

www.msnw-wishall.jp

ウィステリアホールの「ふれあいコンサート」は、事前に先着順でもらえる整理券があれば入れる、入場無料で休憩なし約1時間の演奏会。今回レポートするのはコントラバスとピアノのコンサートです。しかもコントラバスは札響首席奏者の吉田聖也さん!低音の弦が好きな私としては絶対に外せません!私は整理券配布開始直後にホールへ整理券を頂きにうかがい、当日を楽しみに待っていました。また約2週間前の札響定期ではロビコンがなんとコントラバス四重奏で、私は首席奏者の吉田さんはじめコントラバスに大注目しはじめていたので、個人的には超タイムリーでした。

時節柄、ホールの前には手の消毒液が設置されており、入場前に手の消毒を求められました。お年寄りのための施設にあるホールですし、こういった面はしっかり対策を講じるという責任感に頭が下がります。またコンサートを中止にせず開催くださったことに改めて感謝いたします。全席自由席でしたが、私はお一人様の身軽さで、開演ギリギリの時間に着いても前の方の真ん中あたりにポツンと空いた席に座ることができました。

では感想に進みます。いつものように素人コメントであることをご了承下さい。またひどい間違いは指摘くださいますようお願いします。


ウィステリアホール ふれあいコンサートVol.3
2020年2月17日(月)19:00~ ウィステリアホール

【演奏】
吉田聖也(コントラバス
新堀聡子(ピアノ)

【曲目】

ピアノはベーゼンドルファーでした。


ツイッターでの速報は以下。


真冬の札幌なのに、もうとにかくアツイ!キャパ約180名の会場はほぼ満席、奏者との距離が近いホールで一体感を味わえるライブの良さ!曲の合間に上手にかけ声したかたがいらして(ブラボーではなくYEAH!)、地下の薄暗いホールがまるでライブハウスのような雰囲気に。もちろん演奏中はいつものクラシック音楽の演奏会と同様、皆様静かに聴いていましたよ。こんな感じで楽しめたのは新鮮でしたし、言うまでもなく演奏も大変素晴らしくて、これが無料で聴けてよいのかしら?なんて思ったり。とにかくあの場にいた観客の一人だった私は幸せ者です。そしてツイッターでは私は腕の筋肉だの手の甲の血管だのとばかり騒いで、肝心の演奏内容のことをまともにツイートしていなくてごめんなさい。私、子供二人いて上は中学生なんですけど、案外免疫なくて(言い訳)。吉田さんの衣装は、オケだとかっちり燕尾服なのに今回は黒シャツ。首元も開いてましたが、それより袖は肘までだったことに目が釘付けになりました私。せっかくのチャンス(?)、腕から手首から指先から全部遠慮せずにガン見したかったんですが、実はまともに見ることはできなかったんですよ本当です。ちなみに演奏はちゃんと熱心に聴いてました念のため。それに演奏の良さがあってのビジュアルですからねっ!演奏内容についてはこのブログ記事で、私が書ける範囲で書きますので許してください。

吉田さんはコントラバスを抱えて登場し、ピアノの新堀さんもステージへ。拍手で迎えられ、すぐに演奏開始です。1曲目はピアソラ「キーチョ」。いきなり重低音がお腹にぐっと響いてきました。振動が直に来るのは小さな会場ならではの良さ。ピアノ伴奏は入りましたが、コントラバス独奏が多い曲で、タンゴ独特の響きが重低音で奏でられると超カッコイイ!ピアノの見せ場でのベースを作るのもまたコントラバスの本領発揮!最初から良すぎてしびれます!演奏後の吉田さんの解説によると、ピアソラが自身のバンドのベーシスト(キーチョさん)のために書いた曲とのこと。タンゴといえばバンドネオン決め打ちかと思いきや、コントラバスのためのキーチョや、ロストロポーヴィチのために書かれたというチェロのためのル・グラン・タンゴが名曲としてあります。それらを書いたピアソラは偉いです、うん。そして難曲を演奏してくださる演奏家のかたはもっと偉いです。偉そうにスミマセン。

1曲目の演奏後に吉田さんがマイクを持ってお話されました。コントラバスはオケでは下から支える役割で「地味」、目立つ瞬間といえば電車で移動中くらい、とのお話で会場には笑いが起きました。コントラバスの魅力を知って欲しいとの言葉には会場からは拍手。2曲目はラフマニノフ「ヴォカリーズ」。演奏前の解説によると、はじめはコントラバスのために書くつもりだった曲との説もあるそうですね。私はヴァイオリンとピアノでの演奏なら何度も録音で聞いていますが、生演奏で聴くのは初めて。美メロをコントラバスが奏でると、まるで寡黙で口下手な男性が思いを朴訥に語っているかのようでためいきがでます。切ないピアノの音色も相まって、心に染み入りました。吉田さんは「コントラバスのための曲として発表されたらここまで売れなかった気がする」と仰っていましたが、ご謙遜。超素敵でした!

2曲目の後、新堀さんが退場。3曲目はコントラバス独奏でギュットラー「グリーンスリーブスの主題による変奏曲」。ギュットラーはコントラバス弾きなのだそう。おなじみグリーンスリーブスの耳慣れたメロディが、曲が進むにつれ少しずつ変化していきます。いつもの重低音だけでなく、普段はあまり聴けない高音域での演奏や、コントラバス一台なのに高音と低音を同時に奏でたり、ピチカートで歌うようなところがあったりと、もうずっと聴いていたいほどコントラバスの魅力満載な演奏でした。

ピアノの新堀さんがステージへ戻ってきて、4曲目はデザンクロ「アリアとロンド」。演奏前の吉田さんのお話では、ピアノも大活躍する曲との紹介があり、コントラバスはジャズの土台になるとのこと。1曲前は民謡でこの曲はジャズと、様々な表情を持つのがコントラバスの魅力とも仰っていました。前半はジャズの雰囲気ではなくチェロ(といってもチェロには出せないような重低音も入ってきますが)とピアノのような美メロをゆったり楽しめる感じの印象でした。私が聴いたことがある中では一番高いコントラバスの音があり、声の低い男性が裏声を出しているかのようななんだか不思議な感覚に。後半になると、ジャズのノリですねこれ。この会場にぴったりな大人な雰囲気で、ジャズ風のピアノにあわせるコントラバスのピチカートもまたジャズ風。しかしコントラバス独奏も多く、独奏の部分での聴かせどころも存分に楽しませて頂きました。世の中には私が知らないだけで素敵な曲がいっぱいあるんですね。もちろんそれらを素晴らしい演奏で聴かせてくださる奏者の皆様に感謝です。

4曲目の後は特にお話はなくそのまま5曲目いずみたく見上げてごらん夜の星をの演奏へ。歌でいうところの1番を低音、2番を1オクターブ上で演奏したり、ピアノに主旋律を譲ったときにピチカートで伴奏したりと、これまたコントラバスの魅力たっぷりの演奏でした。コントラバスは「歌える」し、縁の下の力持ちにだってなれる、うん。

プログラム最後の曲に入る前に「宣伝」がありました。吉田さんは自身が参加しているコントラバス五重奏団"BLACK BASS QUINTET"とヴァイオリンとのユニット"GALI×BULI"についての紹介とCD販売のご案内、そして「ベースを作るコントラバスも聴きに来てください」と札響の宣伝をして会場からは拍手が。コントラバスは主役だってできるのに、誇りを持って下支えをしておられるんですね。どこまで男前なんでしょう!惚れてまうやろー!そして新堀さんからは3/1の演奏会についてのお話が。配布されたプロフィールによると、新堀さんはピアノ伴奏だけでなくウィステリアホールの演奏会のプロデュースをされているとのこと。いつも素敵な企画とピアノ伴奏をありがとうございます!

プログラム最後となる6曲目は、ヴァイオリンでの演奏でおなじみのモンティ「チャルダッシュコントラバスで。冒頭から重低音が超カッコイイ!そして凄いです超絶技巧!ヴァイオリンは楽器が小さい分、取り回しは比較的ラク(すみません見た感じのイメージだけで言ってます)なのかもしれませんが、こんなに大きなコントラバスを自在に演奏する姿は目で見ても凄すぎでした。素晴らしい!きっとピアノパートも難しい曲なのだと思いますが、私はもうずっとコントラバスの奏でる音と演奏の手元に夢中になっていました。

会場は大拍手の後すぐ手拍子になり、お二人は何度も舞台に戻ってこられました。アンコールはサン=サーンス「象」。同じサン=サーンスの「動物の謝肉祭」では、チェロの場合は「白鳥」がアンコール曲として鉄板です。「白鳥」は優雅で、いつも主役級のチェロにぴったり。しかし今回私はコントラバスが奏でる「象」を聴いて、なんだかユーモラスでコントラバスへの愛しさが増しました。チェロが文武両道かつイケメンでクラスのリーダータイプなら、コントラバスは主役ではないけれどちょっと面白いムードメーカーで、クラスに彼がいて良かったと思える存在なのかも。もう大好きです!

終演後、前のスクリーンに3/1の演奏会(ウィステリアホール プレミアムクラシックⅣ)にご出演のバリトン歌手のかたによる演奏会プログラムの解説動画が流れました(※注:この公演は2/20に中止が発表されました。残念ですが仕方がありません。チケット払い戻しに行かなきゃ…)。私は配布されたアンケートに記入してから退席。そして1階エレベーターホールでCD販売と奏者の皆様によるお見送りがありました。私はコントラバス五重奏のCDを1枚購入して吉田さんにサインを頂き(小さくお書きになったのは他のメンバーのための余白を残してくださったのでしょうか?)、ピアノの新堀さんにもお礼と3/1うかがいますと伝え(※また別の機会に必ず!)、会場を後にしました。


コンサート後に吉田さんがツイッターに「もう一音も弾けないほど抜け殻になりました」と投稿されていました。全力投球、最後の最後まで素晴らしい演奏を本当にありがとうございました。立ちっぱなしでずっと忙しく演奏されているわけですし、高音域での演奏では長身を前屈みにして無茶な姿勢をとることになりますし、大変だったことと存じます。おかげさまで私達は大変幸せな時間を過ごすことが出来ました。次回はチケット喜んで買いますから、またコントラバスが主役の演奏会をぜひ開催お願いします。もちろん、札響でベースを作るコントラバスも聴きにうかがいます!

そして私が購入したCDについては、ツイッターでミニレポートをしましたので以下に貼り付けます。皆様ぜひ聴いてください!


吉田さんが出演されたロビーコンサート、私は2020年2月の札響定期演奏会で聴きました。曲はデトレフ・グラナートコントラバス四重奏のための4つの小品」。このロビコンが超良すぎて、私は本プログラムのオケでもコントラバスばかりを見ていたほど。その時のレポートは弊ブログにあります。以下のリンクからどうぞ。 

nyaon-c-faf.hatenadiary.com

 

ウィステリアホールのふれあいコンサート、私は前回のVol.2(2019/12)も聴きました。クリスマスをテーマにしたとても楽しいコンサートでした。金管五重奏で、現役札響奏者お二人と元札響奏者お一人が参加した編成。その時のレポートも弊ブログにあります。以下のリンクからどうぞ。 

nyaon-c-faf.hatenadiary.com

 

最後までおつきあい頂きありがとうございました。


※この記事は「自由にしかし楽しく!クラシック音楽https://nyaon-c-faf.hatenadiary.com/)」のブロガー・にゃおん(nyaon_c)が書いたものです。他サイトに全部または一部を転載されているのを見つけたかたは、お手数ですがお知らせ下さいませ。ツイッターID:@nyaon_c