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ふきのとうホール ランチタイムミニコンサートvol.18(2019年7月) ミニレポート

久しぶりにふきのとうホールのランチタイムミニコンサートに行ってきました。メインプログラムであるブラームスチェロソナタ第2番は個人的に大好きな曲ですし、しかもチェリストは先日の第16回チャイコフスキー国際コンクールに出場した佐藤晴真さん。これはぜひとも行きたい!ということで、私はその日の午後に別の予定が控えていたにもかかわらず聴きにうかがいました。

六花亭さんが主催するランチタイムミニコンサートは、ちょうどお昼休みの時間帯に催される約45分間の演奏会です。どうやら前日の水曜夜に真駒内ホールでコンサートをした奏者のかたが、次の日の木曜昼に演目を減らしてふきのとうホールでミニコンサートをするという流れのようです。ランチタイムミニコンサートは予約不要で思いついたらすぐに行けますし、チケット代はお買い物ポイント10点のみ。時間的にも経済的にも負担感なく気楽に足を運べて、もちろん素晴らしいホールで良い演奏を聴けるなんて、本当にありがたいです。

レポートはできるだけ短くまとめます。私の文章は以前と比べてどんどん長くなっているのを反省しています。気づきが少ないのにあれこれ書きすぎ。もちろん、演奏内容の素晴らしさには変わりありません。なお、レビューを書くのが遅くなったため、細かな点はうろ覚えです。申し訳ありません。

いつものように素人コメントであることをご了承下さい。またひどい間違いは指摘くださいますようお願いします。


ふきのとうホール ランチタイムミニコンサートvol.18
2019年07月11日(木) 12:00~ ふきのとうホール

【チェロ】
佐藤晴真
【ピアノ】
大伏啓太

【曲目】

 

まずはツイッターでの速報ツイートを貼り付けておきます。


私は開演ぎりぎりの時間に滑り込んで、前の方の1つぽつりと空いた席に座りました。会場はほぼ満席だったと思います。ちなみに前日夜の真駒内ホールのほうはチケット完売でした。札幌市民の佐藤さんへの期待の高さがうかがえます。そして、今回のピアノはベーゼンドルファーベーゼンドルファー製のピアノはブラームスも愛用したそうで、ピアノが弦の添え物ではなく並んで主役になるブラームス室内楽にぴったりの頼もしい音を聴かせてくれます。ピアノ伴奏を安心して聴けたのは、もちろんピアノの大伏さんの演奏が素晴らしいからに他なりません。ピアノの大伏さんは、2014年の第83回日本音楽コンクール(佐藤さんが第1位および徳永賞・黒柳賞、大伏さんがチェロ部門共演者として審査員特別賞)をはじめ佐藤さんとは何度も共演されているようです。曲の合間のトークでは佐藤さんより先にマイクを持ってお話されていて、演奏のみならず精神面でもお若い佐藤さんの支えとなってくださっている印象でした。

演目に入ります。1曲目はシューマンアダージョアレグロ。初めの方はゆったりとした印象ですが、チェロの手元はとても忙しそう。いきなり雰囲気ががらりと変わって少し激しいところになっても、また緩やかになっても、ずっとチェロは「歌って」いて、聴き手は楽しかったです。ピアノ伴奏との息もぴったり。私は帰宅後ネット検索して知ったのですが、元々はホルンのための曲だったそう。いつかホルンの演奏も聴いてみたいです。

2曲目はメンデルスゾーンの無言歌。私は初めて聴く曲でした。無言歌といえばピアノ独奏曲が有名ですが、作品番号109はそれらとは違いチェロとピアノのための約5分の短い曲です…と、これも帰宅後に調べてはじめて知ったことです。短いながらもチェロの美しい音色を楽しめる曲でした。1曲目のシューマンとはやはりカラーが違うものの、突然雰囲気ががらりと変わるのはロマン派の曲ではよくあることなのかな?と少しだけ気になりました。私は普段ブラームスばかり聴いていますが、他の作曲家の曲も聴いてみると新鮮で楽しいです。

3曲目はお待ちかね、ブラームスチェロソナタ第2番。佐藤さんのお話によると、上の方に書いた第83回日本音楽コンクールで演奏した思い入れがある曲とのこと。ピアノの大伏さんとタッグを組み、各地の演奏会で最後に演奏する大切な曲のようです。ブラームスの2番は、チェロが高い音で歌っていたかと思うと間髪入れず低い音に移ったり、ピアノが主役の時でもチェロは休み無くサブの旋律を奏でていたりと、「大人の余裕」を感じさせる曲の印象とは裏腹に演奏はとても難易度が高そうです。第1楽章の冒頭から高らかに歌うチェロがステキ。ピアノとの相性もバッチリで、お二人で何度も演奏を重ねてきたことがうかがえます。ゆったりとピアノが歌う第2楽章、チェロはピチカートや控えめなメロディで寄り添いつつも存在感あります。個人的に大好きな第3楽章では、一体チェロはどのように演奏しているのかを知りたくて、私はチェロの手元を凝視。最初はピアノを低音で下支えして、高音で歌ったかと思ったらすぐ低い音に移る、その手元は大変忙しそうでした。しかしまったく外すことなく弾きこなしていました。第4楽章は演奏技術「全部入り」な印象で、音楽自体はとても楽しいのですが、おそらく演奏はものすごく大変。速いテンポの主旋律をピチカートで演奏するところなんて私は初めて拝見して驚くと同時に、チェロの表現の幅広さを改めて知りました。実は第1楽章の終わりで盛大な拍手が起きるハプニングがあり、私は奏者の方々への影響が少し心配になったのですが、お二方とも最後までテンポや音を外すことなく、難しい曲を見事に演奏してくださいました。素晴らしい!ありがとうございます。

佐藤さんのような才能あるお若い演奏家の登場は喜ばしいことで、私を含む会場にいた人達は皆そのことを素直に祝福し、惜しみない拍手を送りました。特にメインであるブラームスチェロソナタ第2番の完成度は高いと私は感じました。しかしだからこそ、聴き手としてはわがままな高望みをしてしまいます。率直に申し上げると、早急に二点、ぜひ改善して頂きたいことがあります。まず一つ目、演奏する姿に余裕が欲しいです。持てる力の全てを発揮する姿勢は尊いですが、全力投球の一生懸命な演奏が必死すぎて、正直見ているのがつらかったです。思い切って目を閉じて聴くと、今度は繊細な音色よりも大きく聞こえる荒い呼吸が気になって仕方が無くて。細身でお若い今の佐藤さんであれば「頑張っているな」と微笑ましく感じられても、年を重ね恰幅が良くなった頃に同じ演奏をすれば「キモい」と酷な見方をされるかもしれません。楽器の演奏は一切出来ない素人が勝手を言うと、その美しく落ち着いた音色と同じようにチェロの演奏は優雅であってほしいです。もちろん水面下ではバタバタもがいているのかもしれませんが、あくまで聴き手から見える水上の白鳥は優雅でいてほしいなと。そして二つ目、もう少しブラームスの他作品の勉強をして頂きたいです。2曲しか無いチェロソナタのうち、ブラームスの若い頃の作品である第1番はきっと練習もされているのではないかと思います。それだけでなく、他の作品についても一通り聴き背景を詳しく学んでください。私が曲の合間のトークで引っかかったのは、佐藤さんが「チェロソナタ第2番は作品番号99。ブラームスの作品番号100番前後は傑作が多く、ピアノ三重奏曲ピアノソナタがあります」といった趣旨のお話をされたことです。ピアノの大伏さんの表情が変わったのを私は見逃しませんでしたよ。ピアノソナタは3つとも20歳前後の作品で作品番号はいずれも一桁です。おそらく作品番号100番のヴァイオリンソナタ第2番のことを言いたかったのだと思いますが、厳しい言い方をすれば、大して知らないからこそ言い間違えたのだと私は感じました。ヴァイオリンソナタ第2番も大人の余裕が感じられる曲ではあるものの、不器用さやためらいが垣間見えるところがチェロソナタ第2番とはまた違う良さなので、それを体感できればチェロソナタ第2番の演奏にも深みが出るはずです。チェロが活躍する作品なら、作品番号100番前後にはそれこそピアノ三重奏曲第3番op.101やヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲op.102があるので、それらはぜひご自身で演奏されてみてください。年齢については誰しも平等な時の流れに任せて実際に年を重ねなければいけませんが、作曲家のことや他作品を学ぶのは努力次第で差が出るところ。ぜひ頑張ってください!色々と偉そうに申し訳ありません。私は音楽の素人ですので、ここまでのことはどうか話半分で聞いてくださいね。お若くて伸び代がある佐藤さんが、ブラームスチェロソナタ第2番を十八番にして大切に演奏してくださっているのは本当にうれしいです。言うまでもなく、長生きも芸のうちで、年齢と経験を重ねることで初めて見えてくることや出来ることがあるのだと思います。佐藤さんがこの先10年後20年後30年後に一体どのような演奏を聴かせてくださるのか、私は心から楽しみにしています。

アンコールはシューマントロイメライ。曲名紹介のときに会場から歓声があがりました。知っている曲の演奏ってうれしいですよね、わかります!元々はピアノ独奏曲ですと大伏さんから簡単な解説があり、演奏へ。ピアノ独奏も良いですが、チェロのあたたかな音色にもぴったりの曲で、とてもゆったりとした気持ちになりました。私が見た印象では、佐藤さんはブラームスチェロソナタ第2番よりはリラックスして演奏していた様子でした。


終演後はホワイエにて恒例の演奏家とのふれあい。私は今回急いで帰宅しなければならず泣く泣く見送りましたが、佐藤さんと直接お話したかったです。もしそうできたなら「ブラームスの1番をぜひ弾いてください!」と直談判したと思います(迷惑)。しかし佐藤さんはうんとお若くてこれからますますご活躍の場を広げていかれるでしょうから、近い将来再び演奏会でお目にかかれると信じています。ふきのとうホールには、ぜひ夕方のリサイタルで戻ってきてくださいね。これからもずっと応援しています!

なお、私はふきのとうホールのランチタイムミニコンサートには過去に2回ほどお邪魔しています。私はほんの2年ほど前、クラシック音楽のコンサートってなんだか難しそう…と二の足を踏んでいたのですが、ここで初めて生演奏を聴くことができ、そこからコンサート歴が始まったのでした。六花亭さんは、将来性のある演奏家を見いだし世の中にお披露目してくださっているのと同時に、聴衆も育ててくださっています。本当にありがとうございます。

おまけ。ふきのとうホールのランチタイムミニコンサート、以前に私が聴いたのは2017年10月だったようです。その時もチェロで、なんとチェリストは水野優也さん!佐藤さんと同じく先日の第16回チャイコフスキー国際コンクールに出場されていますし、2019年の第22回リスト音楽院セミナーで最優秀受講生に選ばれています。水野さんも大注目のお若い演奏家です。私、サイン色紙持ってますよ!なお、以下のリンクは2017年10月のランチタイムミニコンサート・ミニレポートです。 ※リンク先は姉妹ブログ「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ」になります。

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最後までおつきあい頂きありがとうございました。


※この記事は「自由にしかし楽しく!クラシック音楽https://nyaon-c-faf.hatenadiary.com/)」のブロガー・にゃおん(nyaon_c)が書いたものです。他サイトに全部または一部を転載されているのを見つけたかたは、お手数ですがお知らせ下さいませ。ツイッターID:@nyaon_c