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クラシック音楽の演奏会や関連本などの感想を書くブログです。「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ(http://nyaon-c.hatenablog.com/)」の姉妹ブログです。

札響えべつコンサート2019(2019/05) レポート

5/18にも札響の定期演奏会を楽しんだ私ですが、ほぼ1週間後の5/26にもまた札響の演奏会を聴きにうかがいました。今回の会場はなんと江別市です。演目にひかれて(だってブラ1ですよ札響のブラ1!!!)、札幌からさほど遠くない距離なので思い切ってプチ遠征してきました。最近、というよりいつも札響さんは定期演奏会に企業主催の公演に地方公演にと、とてもお忙しそうです。特に地方公演の場合はいつものホームグラウンドとは異なる環境でベストなパフォーマンスをする必要があり、大変なことと存じます。

npo-egk.org


演奏会当日は5月にもかかわらず真夏日となり、私は会場最寄りのJR駅から日差しに参りながらも会場まで歩きました。札幌から近い土地ですが、一軒家が並ぶ閑静な住宅地でした。大きな通りに出るとそこに市民会館がありました。

では感想に進みます。いつものように素人コメントであることをご了承下さい。またひどい間違いは指摘頂けますと助かります。


札響えべつコンサート2019
2019年5月26日(日) 14:00~ 江別市民会館

【指揮】
梅田俊明
【ヴァイオリン】
成田達輝
管弦楽
札幌交響楽団

【曲目】


まずはツイッターでの速報ツイートを貼り付けておきます。


ブログ記事ではもう少し詳しく書きたいと思います。今回は相互フォローのかたとツイッター上で演奏会の感想をやりとりしたおかげで、私のふわっとした感覚が少し整理できました。ありがとうございます!とはいえ私が理解できた範囲内のことを、専門用語もわからないままに書きますので、世の中のお役に立てる内容ではありません。それでも私個人の感激を記録しておきたいがために、今回もブログ記事にまとめます。いつも読んでくださる皆様には感謝しています。


はじめに今回の会場について。来る前から私が心に誓っていたのは「キタラと比べちゃいけない」。クラシック音楽のために設計された最高の音響のキタラと、地方の年季が入った市民会館では、音が違っていて当たり前です。また、今回私は自由席を購入しました。指定席は地元のかたにお譲りしようと考えて…いえこれはきれい事です。会場に対し席にこだわる程の期待をしていなかったというのが本当のところです。そして座った席は、指定席ゾーンの一列後ろの中央寄り。小さな会場なのでステージはさほど遠くはなく、視界は良かったです。肝心の音の方は、率直に「思っていたよりも良い」と私は感じました。これは特に金管楽器の音の出し方に工夫があったため、というフォロワーさんの分析に納得。特にブラームスはホルン以外の金管楽器の出番は少ないとはいえ、トロンボーンもトランペットもここぞというときにパワフルに登場して深みを与えてくださいました。音が弱すぎると意味が無いですし、かといって強すぎると会場の弱点があらわになるしで、絶妙なバランスを探してくださったのだと思います。感謝です。またこれは音響のせいではなく譜面台の位置のせいだと思うのですが、前半は楽譜をめくる際に奏者の皆様が前屈みになって一歩足を踏み出す形になり、一斉に「ガッ」と靴が鳴る音が聞こえたのが少し気になりました。しかしこれは後半では解消されていました。

指揮の梅田さんは、5/22に行われた「道銀ライラックコンサート」に引き続いての指揮です。そちらは私は抽選に外れてしまい涙をのみましたが、ネット上での道銀ライラックコンサートの評判はとても良かったです。そのため私は行く前からえべつコンサートへの期待が高まっていました。配布されたプログラムによると、梅田さんが師事した指揮者の中には尾高忠明さんのお名前も。またドラマ「のだめカンタービレ」の指揮指導もされていたそうです。今回の演奏会については、フォロワーさんの言葉をお借りすると「歌っていた」ブラ1はもちろんのこと、前半2曲とアンコールに至るまで前評判で期待した以上のものを聴かせて頂けたと私は感じました。演奏を聴いた印象では、札響との信頼関係はバッチリ。そして、札響の皆様について。今回のコンマスは田島さんでした。奏者の皆様のお顔を拝見すると、各パートの首席のあのかたもこのかたもいらっしゃらない、と私は最初少し戸惑い心配に。地方公演と定期演奏会とではこういった面でも違うのですね。しかし演奏が始まると不安はすぐに吹き飛びました。どのパートの演奏も素晴らしい!当たり前ですよね、大変失礼しました。いつもは首席のかたの独壇場になるソロパートを、今回は主に副主席のかたが見事に奏でてくださったのを聴いて、札響の層の厚みを実感できました。演奏が進むにつれて会場の音響の弱点がまったく気にならなくなったのは、ひとえに演奏が素晴らしかったからに他なりません。私、地下鉄とJRを乗り継いで江別まで来たかいがありました、本当にありがとうございます!

会場入りしたお客さんについても簡単に。収容人数1000人ほどの会場は9割弱が埋まっていた感じ。大人のお客さんに混ざって、招待の小学生がたくさんいたのが印象的でした。中には私の娘と同じくらいの低学年の子もいましたが、みんなお行儀がよかったです。子供達にとっては本物の生演奏に触れる良い機会になったと思います。そしてできれば札幌市内の全小学6年生を対象とするKitaraファーストコンサートのように、学校の同級生たちと一緒に音響が良いKitara大ホールで聴きやすい有名曲を聴かせてあげたいなと、母親目線ではそう感じました。また大人のお客さん達も演奏会に慣れておられるかたが多い印象で、楽章の区切りで拍手が起きるようなことはありませんでしたし、私の席周辺にはマナー違反の人もいませんでした。えべつコンサートの主催はえべつ楽友協会。毎年札響を招いた演奏会を開催しているほかにも、0歳から聴けるコンサート等の企画をされているようです。例えば Andante sostenuto ではなく日本語で「遅く、音を保って」と書かれているプログラムは曲の解説も充実しており、一緒に配布された「がくゆう倶楽部」という会報も大変読み応えがありました。札幌にいると恵まれた環境をつい当たり前のように感じてしまうのですが、地方で地元のかたたちが努力して演奏会を企画し、本物の生演奏に触れる機会を作っておられるのは本当に素晴らしいこと。頭が下がります。

開演前にステージでは自主練をしている奏者のかたたちが何名かいらっしゃいました。その日の演目に混ざって、今のはスラブ舞曲?次はブラ4?と、火曜日の別公演の演目のメロディも聞こえてきました。日程にほとんど開きがないハードスケジュールで、複数の演奏会の準備を並行して進めているんですね。奏者の皆様はもちろんのこと、スタッフの皆様にも改めてお礼申し上げます。スケジュールが大変な中、毎回最高の演奏をありがとうございます。


演目に入ります。最初の曲ロッシーニ「歌劇『ウィリアム・テル』序曲」。私は通して聴いたのは初めてです。最後の方の有名なところの印象しかなかったので、冒頭のチェロ独奏(首席のかたでした)にびっくり!続いて他のチェロおよびコントラバスが独奏チェロに寄り添う…この段階で、低音の弦が好きな私の完敗です。こんな聴かせどころを作ってくださるなんて、ロッシーニさんありがとうございます!ロッシーニさんのこと、でっかいフォアグラにキャビアとトリュフを添えたくどいイメージ(※ひどい偏見)程度の誤った認識しかなくて本当にごめんなさい。そしてチェロ首席奏者の石川さん、私はお名前をしっかりと覚えました!私は愛が重い傾向があるので、少し遠慮しますから遠くから応援させてください!演奏の話に戻します。華やかなフィナーレの前にも聞き覚えのあるメロディがいくつも出てきて、知らないと思い込んでいた曲が案外なじみ深いものだとわかりました。嵐のようなところも、穏やかな朝のような静けさも、とっても素敵…と聞き惚れていたところに、いきなりインパクト大の金管楽器のファンファーレが登場してまたビックリ。不意打ち!でも有名な行進曲、楽しかったです。どうしても高音の派手な部分は少し耳に触ったのですが、会場の音響を考えるとそこは仕方がありません。むしろあの環境におけるベストな演奏をしてくださったことに感謝です。1曲目から会場は大拍手。

全体的に少しヴァイオリンの皆様の椅子を後ろに下げ、ソリストをお迎えしての2曲目パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第2番『ラ・カンパネラ』」ソリストの成田さんは暗譜されていたようで、最初から譜面台はありませんでした。初めはオケパートで、やがてソリストの出番に。登場してすぐは哀しみを感じる旋律を奏で、音色はとても美しくインパクト大。しかし個人的には少しメロディが明るくなるところに艶っぽさがあるなと感じ、お若くて技術が卓越したかただけどそれだけじゃないと思いうれしくなりました。偉そうにスミマセン。成田さんはご自身のソロパートを見事に弾いただけでなく、時には第2ヴァイオリンの前あたりまで下がってオケパートを一緒に演奏することも。いいところは弾きたくなりますよね、わかります!この時私は成田さんがなんだか歩き回っているような印象を受けたのですが、フォロワーさんとのリプのやりとりで、オケパートを演奏するときは立ち位置を下げていたのだと知りました。有名な第3楽章、鉄琴が高い音を鳴らして鐘の音を印象付けているとは!私は家でCDを聴いた時には気付かなかったです(プレーヤーがペラペラです…買い換え検討中)。リスト編曲の有名なピアノ曲とは似たところもあれば違うところもあり、管弦楽の壮大さも相まって、ピアノ曲もいいけどやっぱり原曲最高!となりました。そして何と言ってもソリストの見せ場満載。左手ピチカート、私は本物を初めて見ましたよ。聴衆が流暢なメロディを流暢と感じるのは、当然ながらソリストがよどみなく演奏しているからであって、こちらの想像以上に難しい演奏なんだろうなと思います。私はブラ1がお目当てで来たはずなのに、前半2曲が想像以上に楽しめたのはうれしい誤算でした。

ソリストアンコールパガニーニ「24のカプリース 第1番」ソリストである成田さんから曲名発表がありました。すぐに演奏が始まり、手の動きが見えないくらいに早くて、その超絶技巧に会場の空気が一変。私の隣にいらした初老の男性が「すごいな…」と。思わず感嘆の声が漏れ出た印象でしたが、私も同感です。すごいものを聴かせて頂けました。ありがとうございます!私は休憩時間にロビーに出てすぐに成田さんのCDを購入。アンコール曲も収録されていましたよ。あとはどうでもいいことですが、アンコール曲名紹介の貼り紙に「ガガニーニ」という地球は青かったみたいな謎の音楽家名がでかでかと書かれていたのが忘れられません(笑)。これも良い思い出です。

休憩をはさみ後半はブラームス交響曲第1番」第1楽章の重々しい冒頭部分ではあの印象的なティンパニに引き込まれます。実は私、家で手持ちの録音を聴く際は最初のティンパニに乗れるかどうかが運命の分かれ道になっています。どの録音も良いのですが、その日の状態によって微妙に乗れるテンポとそうでないものがあるんです。そして今回の演奏は「よしいける!」と最初から波に乗れました。ありがとうございます!基本的に重厚な第1楽章ですが、時折チラ見せしてくれる美メロの部分では、今どなたが主旋律を演奏されているのかを目で追いかけてみました。少しゆったりできる第2楽章は、やはりヴァイオリンのソロですよね。コンマス田島さんが美メロを聴かせてくださいました。こんな美しい音色を奏でる人が札響のコンマスなんですよ皆様!そしてオーボエとホルンのソロの美しさはもちろんのこと、フルートをはじめとする他の木管楽器の寄り添う音が素敵でした。クラリネットから入る第3楽章でも続くフルートを「素敵…」と感じ、この日のフルートは私のツボに入ったようです。優雅なところからだんだんと盛り上がってきて、またゆったりに戻り、そのまま途切れなく第4楽章に。私はブラ1は第4楽章が一番好きです。冒頭から第1楽章と同様にティンパニがリードしてくれます。弦の皆様の重厚で美しい旋律とドキドキするピチカートが交互に。木管楽器が後に来る美メロの先取りを少しだけ。力強いティンパニの後に、さあここからが良いところ。クララへのメッセージのホルンが来てフルートが繰り返し、続いてファゴットトロンボーンの素朴な音色が。そして来ました、めちゃくちゃ美しいメロディが次々と!ブラームスがメロディメーカーじゃないって言ったのは一体誰です?それから、ブラ1がベートーヴェン交響曲第5番や第9番と似てるって言う人は?今度私ととことんお話ししましょう(笑)。ブラ1好きの私のひいき目を差し引いても、「歌う」ような演奏がとても心地よかったです。主に主旋律を奏でるヴァイオリンや木管楽器やホルンはもちろんのこと、下支えする他の弦や金管楽器ティンパニも、全部良いです。叶うならずっと聴いていたいほどでした。それでも演奏はクライマックスへ。ずっと控えめだったトランペットとトロンボーンも力強く加わった全員参加の盛り上がりは、聴いていてただただ圧倒されました。私はもうその世界に没頭して、市民会館にいることを忘れてしまうほど。

演奏が終わると会場は拍手喝采で、指揮の梅田さんは何度もカーテンコールに戻ってきてくださいました。待機されていた鉄琴の奏者のかたも舞台へ。曲名紹介は特にないままアンコールの演奏が始まりました。ヨハン・シュトラウス2世とヨーゼフ・シュトラウスの兄弟による「ピチカート・ポルカ」。私は以前アマオケの演奏を聴いたことがあります。鉄琴が入る以外は全部弦楽器、しかもピチカートだけで演奏されます。弦楽器スキーの私としてはとってもうれしかったです。ピチカートだけの演奏でも、やっぱり札響の弦の音色はとっても美しい…。同じピチカートでも、つい先ほど聴いたブラ1第4楽章のドキドキ感とはまったく違う印象でした。またヨハン・シュトラウス2世ブラームスと仲良しでしたし、重厚なブラームスの後にシュトラウス兄弟の遊び心のある楽しい曲を聴けたのもよかったです。演奏が終わると会場はまた拍手でいっぱいに。最初から最後まで本当に楽しかったです。ありがとうございます!

 

会場を出る際、演奏を聴き終えたお客さんが皆さん晴れ晴れとした表情だったのが印象的でした。また、ほとんどのオーケストラメンバーが退場したステージで、コントラバス奏者の皆様がせっせとご自分のコントラバスを磨いていらしたのが忘れられません。演奏が終わるとすぐに手入れするんですね。当たり前のことかもしれませんが、このように楽器を大切に扱う姿勢が良い演奏に繋がっているのですよねきっと。もちろん他の奏者の方々も、小さな楽器は手持ちで退場されているので、おそらく舞台裏でも楽器の手入れ大会が催されていたのではないかと拝察します。私は改めて札響の皆様が好きになりました。

終演後はCD購入者対象のサイン会があり、私も列に並びました。白い夏物のジャケットにお着替えした成田さんがCDの小冊子にささっと日付とサインを書いてくださいました。私はまた緊張して「ありがとうございました」しか言えなかったのが少し心残りです。重ねて、素敵な演奏をありがとうございました。今回の超絶技巧はもちろん素晴らしかったですが、まだお若い分伸び代があるので今後のご活躍にも期待しています!サイン頂いたCDは家宝にします。 

成田達輝 デビュー!

成田達輝 デビュー!

 

 

余談です。終演後のロビーには家族が車で迎えに来て待ってくれていました。私がロビーに出ると、まず小1の娘が全力笑顔で駆け寄り抱きついてきて、続いて中二病真っ盛りの息子まで「コンサートどうだった?」とにこにこ近づいてきました。おそらく私は素晴らしい演奏を聴いたばかりの興奮と喜びでにっこにこだったのだと思います。笑顔はうつるんです、これが私の持論。そして息子はアンコール曲の演奏の音漏れをロビーで聴いていたわけですが、「天ぷら油みたいだった」と言ってました。言い方!それに揚げ物よりずっと透明感あるきれいな音だとママは思う!またパパの提案で、江別産の小麦粉を使ったピザを提供してくれるお店で夕食を頂いてから帰ることに。とっても美味しかったです。私には大好きな音楽があって、大好きなオケが演奏してくれるのを聴くことができる。そしてそんな私の趣味のお出かけに、愛する家族が快く送り出してくれるなんて、こんなにありがたいことはありません。恵まれていると言われればその通りなのですが、私はそのありがたさを忘れずに日々生きていこうと思います。


おまけ。1年ほど前の記事になりますが、私が札響のブラ1を初めて聴いた昨年の「ほくでんファミリーコンサート」のレビューは以下のリンクからどうぞ。コンマスは今回と同じく田島さんでした。私はあの時も感激しましたが、今回は私自身の経験値が少しあがったためか(?)、さらに楽しむことができました。文章は相変わらずですが…。 ※姉妹ブログ「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ」の記事になります。

nyaon-c.hatenablog.com

 

上の記事より少し前に公開した「Kitaraあ・ら・かると 2018」の記事は以下にあります。こちらで初めてソリストの成田さんにお目にかかったのでした。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲もすごく良かったですよ。実は私、成田さんを以前どこかでお見かけしたはず?と演奏会の間ずっとモヤモヤしていて、結局帰宅してから思い出したのです…本当に申し訳ありません。今回完璧に覚えましたから! ※姉妹ブログ「アニメ『クラシカロイド』のことを書くブログ」の記事になります。

nyaon-c.hatenablog.com

 

今回の演奏会の約1週間前にあった定期演奏会のレビューは以下のリンクからどうぞ。今回の演奏会では、最初から最後まで美しい音色を奏でてくださったクール&スマートな弦の皆様。実は美しいだけじゃないすごい演奏も披露してくださるってこと、私は知っているんですからねっ(笑)。

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最後までおつきあい頂きありがとうございました。


※この記事は「自由にしかし楽しく!クラシック音楽https://nyaon-c-faf.hatenadiary.com/)」のブロガー・にゃおん(nyaon_c)が書いたものです。他サイトに全部または一部を転載されているのを見つけたかたは、お手数ですがお知らせ下さいませ。ツイッターID:@nyaon_c